仕事に必要な能力

仕事に必要な能力

 仕事をするために必要な二つの能力とは、一つは「判断能力」であり、もう一つは「企画能力」である。

 会社を大きくしたかったら この両方が必要です。優秀な社長は両方を持っているが、この二つは両方とも必要ではあっても同時には共存できない。

 したがって、人を替えたり場所を変えたりして、両方を使えるようにしなければいけないが、この矛盾するものを どのように包含していくか、切り替えて使うかが成功の秘訣である。

 総裁は、『創造の法』で以下のように説かれました。

「仕事をするために必要な能力として、基本的に二つのものがあります。一つは「判断能力」であり、もう一つは「企画能力」です。判断能力と企画能力は、仕事をしていくために、非常に大事な二つの柱なのです。
 会社で仕事がよくできる人は、判断能力、すなわち、「これは駄目」「これはよい」などという決裁をする能力を持っています。ところが、この判断能力と、アイデアを出していく能力とは、同時には共存しないものです。両者は別なものだと思わなければいけません。
 ただ、両方とも必要なのです。アイデアが出てこないようでは、新機軸を打ち出せないので、新しい商売や事業で成功はしません。そのため、アイデアは要ります。しかし、判断をする業務も要るのです。
 この二つの能力は、同時にはなかなか使えないものです。アイデアを出すときは、自由な発想ができないと駄目ですし、判断をするときは、集中して、しっかりと判断をしなければいけません。
 どちらかといえば、会社の事務所などは、判断業務のほうに向いています。「これは正しいか、正しくないか」という善悪の判断をすることには、会社などが向いています。しかし、自由な発想をすることには、あまり向いていません。
 自由な発想をすることには、自宅や喫茶店にいるとき、あるいは、飲み会のときや散歩中など、楽な状態でいるときが向いています。入浴中や、ひげを剃っているとき、独りでいるときなど、心がくつろいでいるときに、発想というものは出やすいのです。逆に、判断業務のほうでは、集中し緊張しているような状態のときに、良い判断をすることができます。
 会社を伸ばしていくためには、基本的に「企画力」と「判断力」の両方が必要であり、優秀な社長は両方を持っています。ただ、両方を持ってはいても、この二つは同時には使えないものなのです。
 したがって、人を替えたり、場所を変えたりして、両方を使えるようにしなければいけません。
 例えば、企画を出すときには、「参加者が自由にアイデアを出し合う」というブレーン・ストーミングを行ってみることです。その際、前述したように、「私は課長だ」「部長だ」「社長だ」などと言って役職の上下関係を出したら、誰も意見を言わなくなるので、自由に意見を言わせることが大事です。
 あるいは、私的な場で考えることも必要です。自分独りで釣りをしているときや散歩をしているとき、あるいは、映画館や美術館、喫茶店にいるときに考えることです。アイデアを出すためには、独りの時間、孤独な時間というものが、やはり要るのです。
 しかし、こうしたことと、「パシッと判断をして業務を進めていく」ということとは違います。判断能力と企画能力という二つの能力があり、この二つは交わらないものなのです。
 この二つの能力は矛盾するものですが、この両方を持っていなければ、実は成功できません。「矛盾するものを、どのように包含していくか。あるいは、切り替えて使うか」――これが成功の秘訣です。
 会社を大きくしたかったら、この両方が必要なのです。」
(39~42ページ)

 

仕事の方法

 総裁は、『仕事と愛』で以下のように説かれました。

「第一に必要なことは、仕事のコンセプト、概念とでもいうべきものを、いち早くつかんでしまうことです。まず、「大・中・小」の三種類に分けてとらえていくのがよいでしょう。
 「大」に関しては、「その会社自体がそもそもどのような事業を目的としている会社なのか」をつかんでしまうことです。「この会社はこうしたことを使命としている会社なのだ」ということを、自分なりにつかんでしまうのです。
 不動産業には不動産業の考えがありますし、金融業には金融業の考えがあります。商社には商社の、メーカーにはメーカーの、それぞれの業界や企業としての活動のコンセプトがあります。これをいち早くつかんでしまう必要があります。
 これが「大」とするならば、「中」にあたる部分は、「会社のなかで自分がいまおかれている部署は、どのような仕事をしているところなのか」を明確にすることです。「会社のなかにおいて、どのような仕事をしている部署であり、どのような位置づけになっているのか」ということを、いち早くつかむ必要があります。
 そして、「小」にあたる部分は、「自分に与えられた仕事はどのようなものであり、それを自分としてはどう考えるか」ということです。これを詰めなければなりません。前任者がいて引き継ぎを受ける場合には、ここが肝心です。「自分の仕事の範囲は何なのか。その内容は何か」ということをつかんでしまうのです。
 ところが通常の場合には、この「大・中・小」の三つのコンセプトをつかむことなく、前任者から仕事を引き継ぐというかたちだけで始まっていきます。そして、いろいろなことを次第しだいに勉強していくというのが通常の方法です。しかし、来るべき未来社会、未来のビジネス世界を見渡すかぎり、これからは、「大・中・小」のコンセプトをいち早くつかんでいく人が、優秀な人とされていくようになるでしょう。
 転職中心の社会になると、「小」の部分、すなわち自分の仕事のやり方の部分だけで業績をあげてきた人は、このコンセプトを間違うと、前にいた会社と新たに移った会社では仕事の方法がまったく違うので、致命的なミスを招くようになります。したがって、最初の段階において、「大・中・小」という三つのコンセプトを明確にしていく必要があります。これは、早ければ早いほどよいでしょう。
 すなわち、就職や転職をする際に、「この会社はどのような考え方を持っているのか。その種類や性格は何なのか。活動形態は何なのか」を問いただす。次に、「自分の部署はどのような仕事をするところなのか」を問いただす。そして、「自分自身の個人の仕事とは何なのか」を知る。こうした枠組みを、まず設定できる人ほど、これからの流動社会への対応は早いということになります。
 これを忘れて、歯車の一つとしてだけ仕事をしていると、やがて取り残され、応用可能性のない人間になっていくでしょう。」
(47~52ページ)

 

仕事のための自己鍛練

 よい仕事をするために、考える力を鍛錬していくこと。筋力と同様に、考える力も鍛えればどんどん強くなって行く。

 気が散ってしまって考える力が弱い人は、まずは読んだり、書いたり、聴いたりする訓練からはじめて、その上で考える能力を身につけていくこと。

 よく練り込んで、何重にも考える訓練を重ねれば、仕事の付加価値が高くなっていく。

 アヒルの水かき の部分の努力を惜しまないのが仕事がよくできるようになるコツである。

 総裁は、『幸福の法』で以下のように説かれました。

「「考える」ということも大切な自己鍛錬の一つです。仕事をグレードアップするには、「考える」という作業が大事です。よい仕事をするには、考える力を鍛錬していかなければなりません。筋力と同様に、考える力も、鍛えれば、どんどん強くなってきます。
 考える力が弱い人は、何かについて考えようとしても、気が散って、五分と、もちません。なかには、一分と、もたない人や、十秒と、もたない人もいます。こういう人は、何か一つのことを考えようとしても、「きょうの晩御飯は何かな」などと、まったく関係のないことを考えはじめてしまい、考えがまとまらないのです。
 こういう、「何かを考えようとしても、すぐに気が散ってしまう」という人は、まず、読んだり、書いたり、聴いたりする訓練をしなくてはなりません。そういう訓練をしているうちに、あまり気が散らないようになってくるのです。その上で、考える能力を身につけていく必要があります。
 立場が高い人ほど、物事を深く、よく練り込んで、何重にも考えるようになるので、考える能力は高くなります。そういう人の仕事の付加価値は高いのです。
 上司から、「君、この件はどうなっているかね」と訊かれた場合、普通の人は、「あしたまでに調べます」と言って、翌日、「その件はこうです」と、返事を一つだけ持ってきます。しかし、そのとき、上司から、「では、このような場合はどうなるのか」と問われると、それについては答えを用意していないため、「あした、また返事をします」と言って、翌日、返事をします。ところが、そのときに、「さらに、このような場合は、どういう問題になるのか」と訊かれると、それについても考えていないため、「あした、もう一度、返事をします」と答えます。
 こういうことをしていると、一つの仕事に何日もかかってしまいます。
 Aという結論を出すにしても、「Bはどうだ。Cはどうだ。Dはどうだ。Eはどうだ」と考えを練った上で、「やはりAがよい」と思って、「Aです」と報告する必要があります。
 そうすれば、質問を受けても、「それに関しては、Bも考えてみたのですが、その場合には、こういう難点があります。その難点を克服するには、Cという方法もあるのですが、Cでやった場合には、このようになります」と、その場で答えることができます。それで、上司は「なぜAという結論になるのか」ということが納得でき、その仕事はそこで終わります。
 ところが、これをしない人は、一日で済むものを三日に引き延ばし、仕事を増やしてしまい、毎日、「忙しい、忙しい」と言うことになるのです。
 このように、結論は一つであっても、ほかにも幾つかの考えを用意しておく必要があります。これが“アヒルの水かき”の部分です。アヒルは水の上をすいすいと泳いでいるように見えますが、水面下では一生懸命に足を動かしています。この水かきの部分が必要であり、この努力を惜しまない人は、やはり仕事がよくできます。」
(106~112ページ)

 

仕事の達人になる

 自分がしている仕事を細かく分類してみると、たいていは百種類も二百種類ものことをしているから、その重要度をAランク、Bランク、Cランクに分けて整理し、その必要性を検討して、無駄な作業はやめること。

 また、生産性を考えて、自分がすべき仕事とそうでない仕事を分け、自分に本来要請される仕事に全力を投入していくこと。

 複数の仕事が同時に入ってきたときには、まず時間的優先度の確認をし、上司が求めているものは何かを考え、重要なものから上げていくこと。

 このように仕事の重要度の選別をマスターできるだけでも仕事の達人になれる。

 総裁は、『仕事と愛』で以下のように説かれました。

「一日のなかで、あるいは、一週間や一カ月のなかで、自分がしている仕事を細かく分類していくと、たいていの人は百種類も二百種類ものことをしています。
 そうすると、仕事を始めるにあたって、まず自分の仕事の内容を整理してみる必要があります。無目的に仕事をするのではなく、どのような仕事があって、そのなかでの順位づけはどうなっているのかを整理することが大事です。
 たとえば百種類の作業があるとするならば、このなかで最重要の仕事は、おそらく二、三種類しかないはずです。そして、その次に重要な仕事と思われるものは、たいてい十数種類か二十種類ぐらいしかないものです。残りの八十種類は、そうしたメインの仕事をなすために、やむをえずしなければならない付帯的な作業であることが多いはずです。
 ところが、仕事ができない人の特徴は、こうした付帯的、付随的な仕事が片づけられなくて、中心的な仕事、重要な仕事が何であるかさえ分からなくなっている点にあります。
 まず、自分の仕事を構成する作業を書き出して、それを、Aランクの作業、Bランクの作業、Cランクの作業に分けていくのです。そして、Aが達成されるためにBははたして必要なのか、さらにCは必要なのかということを検討します。そして、無駄な作業はやめることです。
 また、生産性を考えて、自分がするべき仕事と、そうでない仕事を分けます。高度な仕事、管理職としての仕事が自分に要請されているならば、そうでないことにかける時間を極力少なくして、自分に本来要請される仕事に全力を投入していくことです。このように考えて、自分にとって時間あたりの生産性を最大限に上げていく方法を案出していくことが大事です。
 この考え方は、一日の枠で考えた場合の仕事の優先度にも応用できます。さまざまな仕事が同時に入ってくるために、一日のなかで仕事の整理がつかないことがよくあります。こうしたときには、一日のうちの仕事の優先度をどう考えるかが大事です。
 二つ三つ、あるいはそれ以上の仕事が同時に入ってくると、たいていパニックになります。このときに即座に判断しなければならないのは、「これは、ただいま行なわなければならないことなのか。一時間後に行ってもよいことなのか。きょうの終わりまでにすめばよいことなのか。あした以降でもかまわないことなのか」という時間的優先度の確認です。これが大事です。
 このときに、「それはあと。これが先」と言えることが大切です。これができない人が、仕事のできない人と呼ばれるのです。そうした人は、あとにしてよいことを先に持ってきて、先に行なわなければならないことを、あとに持ってくるようになります。そして、重要な問題をズルズルと先延ばしにしていくようになってきます。
 しかし、職場には上下関係があります。上なる人の求めているものは何なのかを考えると、重要なものから上司に上げていくことが大事です。」
(52~59ページ)

 

任された仕事の進め方

 上司から「あなたに任せるよ」と言われても、それはこの仕事の担当とされたにすぎず、「自分の仕事だから、自分勝手に全部やってよい」というわけではない。

 「任された」と思えばこそ、的確な報告をし、判断を仰ぐことが大事である。仕事の途中には考え方などが変わる重要ポイントがあるので、きちんと伺いを立てたり、報告をしたりする癖をつけなければいけない。

 仕事を進めるに当たっては、「上司がその仕事をするとしたら、どうするか」ということを常に考え、「上司であれば ここで迷うだろうな」と思うようなことについては、上司にきちんと報告・連絡・相談(ホウレンソウ)をしなければいけない。

 報告・連絡・相談を意識して実践しないと、すぐに他の人の仕事の状況は見えなくなる。それは、致命的なミスに気付かずに組織を危機に陥れることにもなりかねない。経営者としては、報告・連絡・相談を習慣化し、組織文化にしていかねばならないのです。

 

仕事ができる人とできない人

 勉強ができる人間の先にあるものとして、仕事ができる人をつくりたい。

 仕事ができる人とできない人の違いは、一つには、本当に世の中のためにお役に立ちたいという情熱を持っているかである。もう一つは、いかに創造的なものの考え方ができるかである。

 大川隆法総裁は、『真のエリートを目指して』で以下のように説かれました。

「私は、「勉強ができる人間」の先にあるものとして、「仕事ができる人間」を、ぜひつくりたいのです。
 「勉強ができても、仕事ができない」という人は世の中に大勢います。「勉強ができても、仕事ができない人」と、「勉強ができて、仕事もできる人」とがいるのです。この違いを普通の学校では教えてはくれません。
 では、「仕事ができる人」と「できない人」の違いは、どこにあるのでしょうか。
 一つは、「本当に、『世の中のために、お役に立ちたい』という情熱を持っているか」ということです。
 もう一つは、実は、「いかに創造的なものの考え方ができるか」ということです。
 これからの時代においては、「新しいものをつくり出す力」「世の中にまだない、これからのものをつくり出していく力」を身につけることが大事です。これを身につけることが、未来を拓くことに必ずつながっていきます。」
(40~41ページ)

 

仕事ができるようになるために

 仕事ができるようになるためには、自己鍛錬を欠かさないこと。それはまず自分自身との戦いである。

 最もオーソドックスな自己鍛錬の一つである「読む」ことは仕事の基本であって、読むことと仕事には 七、八割ぐらいの相関関係がある。

 大川隆法総裁は、『幸福の法』で以下のように説かれました。

「仕事ができるようになるためには、自己鍛錬を欠かしてはなりません。何であろうと、鍛錬をすれば、その人に許された能力の範囲内で、現在持っている以上の実力になります。
 自分より能力の優れた人と自分とを比較して嘆くのは個人の勝手ですが、その優れた人も、人知れず、どのような努力をしているかは分からないものです。
 したがって、まず、自分自身との戦いなのです。
 自己鍛錬をしても伸びないものなど、まずありません。頭脳にかかわることであろうと、肉体にかかわることであろうと、心にかかわることであろうと、あるいは宗教的な悟りにかかわることであろうと、自分自身との戦いにおいて、自己鍛錬によって発展しないものなど、まずないのです。
 仕事全般を念頭に置いて述べると、最もオーソドックスな自己鍛錬の一つは「読む」ということです。読むことのなかでは、本を読むことがかなりの割合を占めますが、新聞を読むことも含まれます。
 「読む」ということは、情報を手に入れること、素材を仕入れることです。
 料理においても、まずは食材集めから始まります。いくら腕のよい料理人であっても、食材がなければ料理はつくれません。料理をつくる段階では、当然、料理人の腕のよし悪しによる違いは出るでしょうが、食材がなければ、そもそも料理はつくれないのです。
 仕事も同じです。仕事においては、自動車などの製品をつくったり、書類をつくったり、さまざまなことをしますが、これは、仕事というかたちで、毎日の“料理”をつくっているのと同じなのです。そのため、素材集めは非常に大事な仕事になるわけです。
 この素材集めの一つが「読む」ということです。本や新聞を読んで、考える材料、あるいは仕事の材料を得るのです。毎日、新しい仕事が発生するので、それにうまく対応するためには、新しい素材を常に集めていく必要があります。
 読むことは仕事の基本です。一般的には、よく読んでいる人は仕事もよくできる場合が多く、読むことと仕事には、七、八割ぐらいの相関関係があります。本や新聞をよく読んでいる人たちの七、八割ぐらいは仕事がよくできるのです。素材集めを熱心にやっていると、頭の回転も速くなってくるため、仕事はよくできるようになるのが普通です。」
(90~94ページ)

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