蓄積

 蓄積をしていくためには、いま自分に必要なこと以外にも、いろいろなことに関心を持って情報を集めつづけることが大事である。

 蓄積には、現時点や将来の目標にとって役に立たないことであっても、思わぬところで人生を開く鍵になるという意外な効果もある。

 大事なことは、そのとき自分に与えられた教材をフルに生かして生きることである。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『不動心』で以下のように説かれました。

「さらに、蓄積には意外な効果もあります。それは、思わぬところで人生を開く鍵になるということです。現時点では役に立たないことであっても、十年後、二十年後に、思わぬところで、思わぬかたちで、花開くことがありうるのです。
 将来、自分に何が必要かは、なかなか分かりませんが、無駄な経験を数多くしてきたように思っても、あるとき、それが役立つことがあります。
 私は現在の道に入る前、総合商社に六年ほど勤務していました。
 しかし、そうした経験が「幸福の科学」において生きてきているのを、私はいま実感しています。商社時代に、人びとの動き、組織の運営の仕方、資金の流れ、資金の活用方法などを学んだことが、現在の仕事に生きてきたのです。
 また、商社時代に、私はアメリカで仕事をしていたこともあります。そこでは、白人や黒人のアメリカ人、韓国人、中国人、フィリピン人など、いろいろな国の人と一緒に仕事をしましたが、それを通じて、いろいろな国の人の考え方や特色、自分とは違った価値観というものを知りました。
 現在、私は、真理の多様性、正しさの多様性を説いていますが、その根源を探ってみると、私が国際社会において、いろいろな考え方を持つ人のあいだで揉まれてきたことが、原因の一つになっているのではないかと思います。
 自分以外の考え方のなかにも、筋の通った考え方がいくらでもありうることを、身をもって学んだことが、現在の私の考え方における多様性にもつながっているように思います。
 いろいろな宗教家が、いろいろな教えを説いていますが、どの人も「自分たちの教えこそがすべてだ」というような言い方をしています。
 しかし、私がそうした考え方を持たずにいられるのは、いろいろな国籍の人たち、肌の色の違う人たちと一緒に仕事をして、彼らの考え方を充分に吸収したことが、「無用の用」として生きているからだと思います。
 このように、人間は仕事のなかで磨かれていくのですが、「将来の目標にとって、現時点では役に立たない」と思うことであっても、それがやがて何らかのかたちで生きてくることがあるのです。
 したがって、大事なことは、「自分の自己実現の目標や理想から見て、自分はいま回り道をしている。直接には関係のないことをしている」と思っても、そのとき自分に与えられた教材をフルに生かして生きることです。
 現在の自分に与えられた問題集をしっかりと解いていれば、やがてそれが生きてくることもあるわけです。
 蓄積をしていくためには、いま自分に必要なこと以外にも、いろいろなことに関心を持って、常に情報を集めつづけることが大事です。いまは必要でなくても、何らかの糧になると思われる情報を集めつづけることが、やがて大きな効果となって現われることになるのです。」

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