人をほめる

 人を祝福するというのは、勇気が要ることである。

 特に、自分が関心のある領域において人をほめるのは、とても難しい。

 敵やライバルを公平に見て、ほめるというのは、なかなか大変なこと。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『ストロング・マインド』で以下のように説かれました。

「祝福も、最初のうちは、わざとらしく感じるものです。心にもないことを言っているように思えますし、嘘をついているように感じることもあるかもしれません。しかし、そういうものではないのです。
 「人を祝福する。人をほめる」というのは勇気が要ることなのです。とても勇気が要ります。なかなか、ほめられません。特に、「自分が関心のある領域において、人をほめる」というのは、とても難しいことです。
 例えば、アメリカの大金持ちのビル・ゲイツをライバルにしているような、コンピュータ会社の社長が、「ビル・ゲイツって、すごいなあ」と言うのは、やはり、なかなか大変なことです。そうは言っても、なかなかできることではありません。
 以前、松下電器(現パナソニック)の中村邦夫氏が、社長就任時に、「ソニーさんはチャンピオンですからね」と平気で言いましたが、彼は、やはり、その後、会社を立て直しました。大変な赤字になっていた松下電器をV字回復させたのです。
 その再建の前に言ったのが、「ソニーさんはチャンピオンですからね。われわれはチャレンジャーです」という、現実とは正反対の言葉だったわけです。
 実際には、松下のほうが先輩で、ソニーはあとから追いかけてきたのです。しかも、ソニーは「モルモット」と言って笑われていました。「ソニーが新製品を出し、売れるかどうか実験して成功したら、あとから松下が乗り出してきて、似たような製品をつくる」というケースが多かったわけです。
 それを、「ソニーさんは横綱です。チャンピオンですからね」と、相手を持ち上げて言ったのです。そのように言うのは、なかなか怖いことですが、松下を見事に再建したのですから、大したものです。
 そのように、敵やライバルを公平に見てほめられる、あるいは、敵の製品を見て、「これは優れものだね」「わが社では、これは、できていないのではないか」「これは、なかなかすごいぞ」と言えるというのは、なかなか大変なことなのです。」
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