思いの力

 十年単位の歳月を経なければなかなか分からないものであるが、「人間は、その人が考えているとおりの者である」「その人が考えているとおりに人生は展開していく」というのは、本当である。

 他の人がよいと思っているから自分も目指したものは、実現しないことのほうが多いが、心の奥深いところから繰り返し何度も出てくる思いを、深く長く描き続けていると、いつしかそのとおりになっていく。

 それを繰り返し心に描く力があるかどうかが、実は、あなたの才能でもある。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『未来の法』で以下のように説かれました。

「私は、「人間は、その人が考えているとおりの者である」「その人が考えていることを見れば、どんな人かが分かる」「その人と、その人が考えていることはイコールであり、同価値である」「その人が考えているとおりに人生は展開していく」ということを説いていますが、二十代ぐらいの人は、それを聴いても、ストレートにそうは思えず、「自分が思ったり考えたりしたとおりには、なかなかならない」と思う人のほうが多いでしょう。
 しかし、私には、二十年、三十年の歳月を経て、「ああ、それは本当だな」という実感が、ひしひしと押し寄せてきたのです。
 若いころには、客観的な材料として周りの人たちの意見等を聴いても、自分の姿を客観的に描くことがどうしてもできなかったのですが、今の私は、若いころに思っていたとおりの姿になってきています。まことに不思議です。
 本当に不思議ですが、十年単位の歳月を経なければ、それが分かるようにはならないのです。
 むしろ、十代、二十代という年代においては、自分が思い描いている理想の姿と現在の自分とが、あまりに違いすぎ、そのギャップに苦しむことのほうが多いのではないでしょうか。理想家であればあるほど、理想と現実が違いすぎ、「思ったことは、ほとんど実現しない。手の届かない高嶺の花である」という場合が多いわけです。
 また、「他の人が『よい』と思っているから、自分も目指した」というものは、結局、実現しないことのほうが多いのではないかと思います。
 ただ、心の奥深いところから繰り返し何度も出てくる思いや、「ふと気がつくと、そのことを考えている」というような思いを、心のなかに深く長く描き続けていると、いつしか、そのとおりになっていきます。そういうかたちで自己実現はなされていくのです。
 みなさんは、このことを信じたほうがよいでしょう。信じなければ、そのようにはなりません。まずは、自分の理想像を繰り返し心のなかで描くことが大事です。
 それを繰り返し心に描く力があるかどうか。それが、実は、あなたの才能でもあるのです。
 才能とは、ある分野において何事かを成し遂げるために、その人が生まれつき持っている性質や能力、気質のことですが、そうした才能がなければ、理想像を繰り返し心に描くことはできないだろうと思います。
 要するに、「理想像を繰り返し心に描く力がある」ということは、「理想像を実現するだけの才能がある」ということを意味するのです。
 やはり、理想的な自己像を繰り返し心に描く力を持っていない人が、ある職業において大きな成功を収めることはないでしょう。
 心に繰り返し描く理想像というものが、実は、人生の目的地であり、目標なのです。その目的地に向かって、人生の旅は進んでいくわけです。
 したがって、「繰り返し心に描くことができない理想像であるならば、それは変更されていく可能性が高い」と言ってよいのです。」
(42~47ページ)

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