成功するための秘訣

成功の前提として「堅実さ」

 最初から大金を注ぎ込んで成功させようとしても、現実には成功しないものです。小さなところから始めたり、他人の庇を借りて橋攻めた商売が失敗しないとよく言われるように、小さなところから だんだん大きくしていった場合には失敗しません。

 根性、勤勉、熱意、努力が道を開く時代なのです。これがデフレ時代の正攻法なのです。(『智慧の経営』P-58 61)

 事業を始めるには、まず「お金」という元手が必要だが、その何分の1かは自己資金でなければいけない。

 お金のありがたみを知らない人は、事業を起こしても成功しない。

 成功の元手としては、「知識」も大事である。

 重要な情報、役に立つ情報を貪欲に集め、一つでも多く知っておかなければならない。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『繁栄の法』で以下のように説かれました。

「事業を始めるには資金が要ります。「お金」という元手が必要なのです。
 その元手は全部が他人の資金ではだめです。何分の一かは自己資金でなければいけません。自分で努力して、多少なりともお金をためるべきです。
 脱サラをして成功する人は、たいていの場合、自分自身で個人的にお金をつくった経験のある人です。
 最初から借金に依存して会社を始める人は、あまり成功しません。それで成功するのであれば、だれでもそうするでしょう。お金のありがたみを知らない人は、事業を起こしても成功しないのです。
 「努力して働き、お金を稼いで、その一部を貯金したことがあるかどうか。そして、その貯金が毎年増えているかどうか」という簡単なことが、事業の成功を判断する一つの基準です。
 「自分で働いて稼いだお金の一部を貯金している。しかも、それが毎年増えている」という人は、事業を始めても成功する可能性が高いのですが、お金が入る前にカードで買い物をするような借金先行型の人は、事業で成功することは難しいでしょう。
 こういう人は、まず貯蓄の習慣をつけることが必要です。自己資金をつくり出せる精神傾向がなければ、事業を始めてもなかなか成功はできません。
 成功するための元手として、「知識」も大事です。すでに「読書の習慣が大切だ」と述べましたが、「知っている」というのは非常に大きなことなのです。
 二十一世紀には、農耕社会や工業社会にかわって情報社会が到来することは間違いありません。知識がこれまで以上に大きな力を持つ時代が来るのです。
 現在では、百科事典を個人で所有することはそれほど難しくないので、持っている人も多いでしょう。百科事典を読めば、百年前のどのような天才が考えたことよりも優れた事柄がたくさん書いてあります。かつての天才たちでもたどりつけなかった知識がずらりと並んでいるのです。現代とはそういう時代です。
 そして、今後は知識が仕事をする時代が来ます。よく肥えた田畑が豊かな作物を生み出すように、知識そのものが田畑になり、その知識の田畑から作物がとれる時代が来るのです。
 知識は非常に大切な元手であり、重要な情報、役に立つ情報は一つでも多く知っておかなければなりません。有害な情報をたくさん持っていてもだめですが、仕事に役立つ情報や知識は貪欲に集めていく必要があります。
 経営判断においては、知識がないとなかなか分からない部分があり、知っていれば失敗しないですむのに、知らなければ素人判断をして失敗することがあるのです。
 しかし、自分が失敗するようなことは、すでに他人が経験ずみであることも多く、それをあらかじめ学んでおけば、失敗せずにすみます。これは非常に大事なことです。」

 

報酬を伴うこと

 よい仕事をしたならば、それに見合った報酬が伴い、喜びが与えられるのは、人類の文明の智慧であり、これによって人間は営々と働き続けることができる。

 また、報酬を頂けるからこそ、仕事には厳しさが求められるという面もある。

 これは、営利企業に限らず、公益目的の組織においても同様であり、その内容をよくするためには、お金を頂くことを通して経済的な法則を働かせることが必要な面もある。

 有料であるということは必ずしも悪いことではない。

 総裁は、『経営入門』で以下のように説かれました。

「報酬が伴う仕事より、報酬が伴わない仕事のほうが、一見、立派なように見えるかもしれません。特に、宗教的な考え方をする人には、報酬が伴わない仕事のほうが尊いように思えるでしょう。
 しかし、世の中の人々は、仏道修行に生きているような人ばかりではないので、すべての人を働かせるためには、やはり報酬が伴うことが大事なのです。
 よい仕事をしたならば、それに見合った報酬が伴い、喜びが与えられるようになっています。これは人類の智慧、文明の智慧であり、これによって、人間が営々と働き続けることができるように仕組まれているのです。これは実にありがたいことです。
 ただ、私は、報酬を単に喜びと捉えるだけではなく、むしろ、「報酬を頂けるからこそ、仕事は厳しいのだ」とも考えるべきだと思うのです。報酬をもらわなくてよいのならば、そこに仕事の厳しさはありません。
 「私は一円も頂きませんので、どうぞやらせてください」ということならば、その仕事の出来が悪くても、無料なので文句をつけることはできません。「ただほど高いものはない」という言葉もあるとおり、報酬が伴わないと、本当によい仕事はできないのです。
 「報酬が伴うことは喜びではあるが、同時に、それによって仕事に厳しさが求められる」ということを知ってください。
 これは営利企業に限ったことではありません。例えば、公益を目的として活動している組織においても、仕事と報酬の関係は当てはまります。
 そういう組織が行事を開催するときに、参加費を集めることがあります。それに対して、「公益を目的とした活動なのだから、すべて無料にすべきである」という考え方をする人もいるかもしれません。
 しかし、お金をもらうことで、それだけ、仕事に厳しさが求められるのです。
 お金を出してでも行事に参加する人というのは、内容が悪ければ来なくなります。無料のときは、多少、内容が悪くても、暇のある人は来るかもしれませんが、自分でお金を出すとなると、払うお金に見合った値打ちがあると思わなければ来ません。人間は、自分がよいと思わないものに対して、金銭を出そうとはしないものです。
 したがって、このような、公益を目的とした組織においても、各種の行事の内容をよくするためには、お金を頂くことを通して、そういう経済的な法則を働かせることが必要な面もあるのです。
 「お金を頂く」ということは、下品なことでも商業的なことでもなく、「それだけ高度な仕事を要求される」ということです。自分に対しても、厳しい試練、修行を要求されるのです。
 人間は無駄なもののためにはお金を使いません。しかし、それはありがたいことでもあります。有料であるということは、必ずしも悪いことではないのです。
 結局、仕事になぜ報酬が伴うのかといえば、仕事は本来、有用な活動だからです。人々の要求を満たす仕事であるからこそ、報酬を伴うのです。」
(55~58ページ)

「自社の社員が一生懸命に働いている姿を見て、「何とか報いたい」という気持ちを持つことです。経営者として、そういう気持ちを持っていなければ、大手の有名企業や一流企業などとぶつかったときに、相手の会社の格などに、どうしても負けてしまいます。
 ときには、一流企業の若いエリート社員が、中小企業の社長に対して、軽くあしらうような態度で、偉そうにものを言ってくることがあります。
 そのようなときには、自分の会社で汗水垂らして働いている従業員のことを考え、社長として真剣勝負で臨まなければいけません。「若造が何を言うか。私は命懸けでやっているんだ。社員五十人とその家族の生活がかかっているんだ。おまえたちなどに軽くあしらわれてたまるか」という感じで、念力を込めてドーンとぶつかることです。
 本物の経営者は真剣勝負でぶつかっていくものです。そして、そのなかに創造的なアイデアが出てくるものなのです。」
(『創造の法』)

「アイデアが豊富であるということは非常に大事なことですが、経営者という観点に立てば、それは限りなく一点に集中し、収斂していくような思考、一定の目的性に対して集中していくような思考でなければいけません。
 それをするためには、やはり、相談の相手を一人ないし二人、あるいは数人持っているべきであり、アイデアを具体化する前に、それを投げてみて、相手の意見を聴いてみる、あるいは顔色を見てみることです。
 常に自分で考えつづける作業をし、考え抜き、さらに、考えたことを実地に移すに際しては、経営レベルの相談ができる人と、ある程度、意見交換をしながら、現実化が可能かどうかを考えていくのです。そういうアイデアの煮詰め方が大事です。」
(『常勝の法』)

 

「大きな会社の場合、部下もないまま中年まで働いている方が多いと思いますけれども、部下がいようがいまいが、自分で判断して、なすべき仕事が分かるタイプの方はリーダーなのです。軍隊を例に挙げれば、空軍で、ジェットパイロットをしている人に兵卒(最下級の軍人)はいません。みな士官以上の地位を持っています。
 部下がなくても、ある程度、高い値段のものを与えられ、自由な戦闘を任されるような場合は、リーダー的なものの考え方ができる人でなければ向いていないでしょう。
 したがって、「智謀のリーダーシップ」について言えば、「智慧の部分を磨く」「いろいろな知識・情報等を集めつつ、それを実践において体得し、智慧に変える」「経営者としての悟り、あるいは、ビジネスマンとしての悟りのようなものを身につけていきながら、『自分が現にある立場において、なすべき仕事とは何なのか』という問いに対して答えを出す」、こういう人が、「智謀のリーダー」ということになるでしょう。」
(『智慧の法』)

 

成功の3条件

 仕事をしたいという気持ちは、人間の天分であり、世の中に役に立つものであり、ゆえに命をかける価値があり、喜びと報酬を伴うという仕事観は、多くの経営者が指摘するところである。これは、成功の条件を構成する重要な要素である。

 大川隆法総裁は、『繁栄の法則』で以下のように説かれました。

「結局、成功といわれるものの要素としては、一番目に自分の内なるうずきと一致していること、二番目に うずきに基づいた仕事、行動、人生というものが、社会的に有用であること、三番目に それが そこそこの成果として確認できること、この3つが大事なのです。

 ただ、成果については、仕事の内容によっては、多少、時期がずれることがありえます。宗教的真理などの場合には、時期がずれることがありうるのです。しかし、同時期に多少の評価を受けることは、やはり、成功の条件としては大事でしよう。」

「世の中の人は、何か価値のあることを求めているので、価値のあるところには人が集まってきます。価値が造出できなければ、人は集まらないのです。

 経済についても同じです。本当によい仕事をしていれば、豊かになっていくのは当然のことです。その会社が本当によい仕事をしていれば、当然豊かになっていきます。「全然儲からない」といつも言っているのは、やはり何か問題があるのです。

 例えば、学習塾の経営者が、生徒が集まらないで困っていて、「これは他の学習塾が多額の資金を使って人集めをやっているからだ。それで、自分のところは結果的に儲からないのだ」と思ったとしたら、それは大間違いで、実は需要がないのです。そう考えなければいけません。

 自分のなかに うずきがあり、有用な仕事であっても、最後の評価のところが出てこないのであれば、仕事の質に何か問題があるのです。本当によい仕事をしていれば、人は来ます。負け惜しみを言ってはいけません。実績というものを確かめて、前に進んでいくべきです。」(P-58~60)

成功と失敗を通してミッション経営を目指せ

価値の創造こそ経営の出発点

 今の経営学は、すでに大きくなった企業の実績や経費、人員などの推移を数値的に分析したりしているが、それを学んで、実際に経営で成功するかどうかに責任を負っているとは言い難い。

 大川隆法総裁は、わらしべ長者の話を引用しつつ、 「経営の出発点は、本当は小さな商売に成功するあたりから始まります」 と指摘。一見、価値のないようなものに対し、他の人とは違う価値を付け加えることが経営の基本であることを示した。

 たとえ、コピーを取ったり、お茶を出すような簡単に思える仕事であっても、他の人より付加価値を生み出すことは可能であり、そうしたセンスは業種が変わっても活かされる。

 自分に任された仕事の中で、何らかの価値を生み、顧客からファンが付くようであれば、起業して成功する可能性があると言える。

 さらに、総裁は、起業家の条件として「アイデアをどれだけ出せるかが大事。寝ても覚めてもアイデアを追い続けるぐらいの人でなければ、成功することはないと言っていい」 とし、この30年近い幸福の科学グループの発展は、万の単位のアイデアによって支えられてきたと語った。

 

経営者自身もイノベーションが必要

 企業経営において、特に重要視されるのがイノベーションである。会社が大きくなるにつれて、財務や人事、リスクマネジメントなど、規模相応の仕組みをつくらなければいけなくなる。

 このイノベーションに関して、総裁は、経営者自身の成長という観点から「熱心さを超えて、やはり使命感を持たなければいけない」「過去の成功、失敗をいろいろ踏まえた上での経営理念が出てくると思います。経営者は、それを絞り出して、結晶化させねばならないのです」と説き、ミッション経営への脱皮について強調した。

 ヒト・モノ・カネ・情報などの資源を元手にしている以上、成功を目指さなければ経営とは言えない。経営学そのものにも今、イノベーションが求められている。

参考

起業して成功

 総裁は、『社長学入門』で以下のように説かれました。

「昔は、五年、十年かけて、じっくりと成果をあげてくる人が良かったのですが、今は、成果の判定をする機関も短くなってきていて、三年も待てないような状況になっています。なかには「一年も待てない」というところもあり、新しい部署に入れて1年で芽が出なければ、「この人は駄目だ」という判定が出るくらい、ものすごく速くなってきているのです。

 大きな会社でも、そういう判定が行われるようになってきていますが、「独立して自分で会社を起こそう」と思う人は、その会社のなかで出世できそうな人よりも、もう一段上に行かないかぎりは、起業しても成功しないのです。そこまでの能力がなければ、どこかの会社のなかにいたほうが成功できます。

 昔であっても、「独立して起業しても、成功するのは五人に一人もいない」と言われていたので、不況の時代となると、もっと少なくなるでしょう。「十人に一人」「二十人に一人」という確率に耐えられる人でなければ起業はできません。

 起業して成功しやすい人は次のような人です。

 まず、企画力があり、いろいろな領域のアイデアが出やすいタイプです。縦堀りをするだけでなく、いろいろなところに穴を掘るような、いわゆる「水平思考」ができ、いろいろなアイデアをパラパラと思いつけるようなタイプの人です。

 それから、考える速度や行動する速度が、会社で普通に仕事をしている人よりもずっと早いタイプの人です。

 ただ、成功率は、なかなか10分の1もないかもしれないので、失敗したら また他の会社に転職することを勧めます。「起業して失敗」するということは、やはり、「自分よりも経営能力の高い人に養ってもらわないと無理だ」ということなのです。」(P-369~373)

 上司や会社の方針と衝突して会社を飛び出して起業するケースは多いのですが、その場合、企画力と行動力が際立って仕事が出来るタイプでなければ、成功することは難しいと言えます。

 『成功の法』(P-128~129)には、社員の心得として、「給料の十倍働く」ことを目標とすべきと指摘しつつ、給料の十倍働いて、それで他の人以上に評価を受けられないならば、その会社は おそらく おかしな会社でしよう。そのようなときには、席を蹴って立ち上がり、会社を辞めるのもよいでしょう、とあります。ここで言う十倍とは、自分の年収の十倍の売上ではなく、利益という意味です。

 

経営が成功するコツ

 経営学者ドラッカーの霊は、「幸福の科学」はGE以上のマネジメント力を有していると評しているゆえに、大川隆法総裁は自信をもって「経営成功学」を提唱している。

 様々な困難や挫折を乗り越えて、智慧を獲得しえたもののみが、経営者としての黒帯になる。

 本書は、そうした「黒帯経営者」をつくるための創造的なヒント集である。

 大川隆法総裁は、『経営が成功するコツ』 実践的経営学のすすめ』の まえがき で以下のように説かれました。

「経営の成功や失敗を他人のせいにしたり、環境のせいにしたがる人は、基本的に経営者には向かない。
 その途中で様々な困難や挫折はあっても、それを乗り越えて、智慧を獲得しえたもののみが、経営者としての黒帯になる。
 本書はそうした黒帯経営者をつくるための創造的なヒント集であるし、経営の要諦でもある。
 経営学者ドラッカーは、大企業を超える組織を持つものは軍隊だが、軍隊を超える組織運営力を持つものは「宗教」であると言っている。帰天後のドラッカー氏は、ガイディング・スピリットとして当会を指導してくれているが、宗教としての「幸福の科学」の規模は、世界最大級の企業である「GE」よりも大きく、それ以上のマネジメント力を有していると評して下さっている。世界百ヶ国以上で活動している多国籍団体であるので、単なるお世辞ではないと思う。私が自信をもって「経営成功学」を提唱する次第である。」
(1~2ページ)

 

商売で成功していくための秘訣

 商売で成功する秘訣の一つ目は、何が求められているのかについて、常にアンテナを立てること。

 需要のあるところに必ず仕事はある。儲からないとすれば、需要がないということであり、求められているものを供給していないということである。

 さらに、その需要を梃子として、さらに発展的なことが何かないかを考えてみること。ひとつ成功を収めたならば、その成功を元手にして次のところに出られないかを考えることである。

 総裁は、『常勝思考』で以下のように説かれました。

「成功していくための秘訣としては、大きく分けて二つあります。
 一つは、求められているものは何であるかということを常に探ること、何が求められているのかについて、常にアンテナを立てることです。必ず、需要のあるところに仕事が始まるのです。急発展しているところは、みな、その需要というものを敏感に察知して、仕事を始めています。
 需要のあるところに必ず仕事はあるのです。いま、みなさんが仕事をしていて、もし儲からないとすれば、たぶんあまり需要がないのだろうと思います。
 たとえば塾の経営をしていて、生徒が来ない、経営が不振であるというのは、やはり需要がないのです。求められているものを供給していないのです。他の商品をつくっている人でも同じです。儲からないというのは、需要のあるところに供給していないのだと思います。
 今川焼きを売ることひとつをとっても、昔は今川焼きといえば中身はあんしかなかったのに、最近、ある店では、カスタードから始まって、数えきれないほどの種類があるのです。チョコレートが入っているものまであります。そして、ものすごく繁盛しているのです。実際、そうとうの収入があるようです。
 なぜかと考えると、いわゆる今川焼きというのは、老人が食べるもの、あるいは子供が食べるものであり、そのスタイルからいって、若い女性には人気がありませんでしたが、クリームやチョコレートなどを中に入れることによって、女性が手を伸ばしはじめたというわけです。若い女性が食べはじめたので、よく売れるという、たったそれだけのことなのですが、ニーズがあれば仕事は始まるのです。
 これは、会社の仕事でも自営業でも、あるいは家庭のなかの主婦業でもそうです。家族のニーズは何なのかを発見しなければいけません。いつも、需要があるところに、ほんとうにいい仕事がありますから、これを常に発見することです。これが一つです。もう一つは、そのニーズ、需要を梃子(てこ)として、さらに発展的なことが考えられないかということです。さらに発展的なことが何かないかを考えてみることです。
 そうしてみると、意外にいろいろな可能性が出てきます。その今川焼き屋は、チョコレートやクリームを入れるところで、発明・発見が止まっているのです。「自分はこれを売ってきた」というところに囲いがあるのです。そのなかでの工夫はしているのですが、ひとつのところで成功を収めたならば、その成功を元手にして次のところに出られないかどうかを考えるべきです。これは可能性があるのです。」

「お店であれ会社であれ、成功するための秘訣としては、人間に本来備わっている考え方、
つまり、自分のほうに取り分を持ってきたいと思うこの自我の部分を抑えて、「ほかの人たちが得をする、利益を得られるには、どうしたらよいか」という考え方をするということです。
 「自分が得よう」と思って行動していると、人もお金も逃げていきます。そうではなく、自分のことを抑えて、他人様のことを考えてみるわけです。ほかの人のことを考えるようになると、逆に自分のほうへ戻ってくることがあるわけです。これが基本的な経営のスタートなのです。」
(『鋼鉄の法』)

「若いうちに、いろいろな失敗や挫折を経験している人のほうが、どちらかというと安心です。失敗や挫折をしていない人に、大きな企業の経営や政治などを任せると、とても怖い面があるのです。なぜなら、そういう人は、うぬぼれていて、自分をほめる材料ばかり探していますが、「現実に、うまくいっているかどうか」が見えていないことが多いからです。
 失敗のなかには、不可抗力によるものもあるでしょうが、やはり、「チャレンジして失敗する」という癖をつけることが大事です。もちろん、破滅の段階までは行かないほうがよいと思いますが、前向きにチャレンジして、こまめに失敗を積み重ねていけば、それが成功への道になるのです。
 二十一世紀から二十二世紀にかけて、未来の企業がたくさん出てくるでしょうが、中小企業をつくるにせよ、そこから大企業になっていくにせよ、それらは、みな、チャレンジャーたちがつくっていきます。」
(『未来の法』)

 

失敗を恐れる自分からの脱却

 ほとんどの人が、口では「成功したい」と言いつつ、本音では「失敗したくない」としか思っていないのです。

 決断力がなかったり、新しいことを始めることに恐怖心があったりする経営者というのは、この「失敗したくない」というマイナスの遺伝子を毎日毎日心に埋め込んでいると言えます。残念ながら、そういう経営者が事業を成功させることは稀でしょう。なぜなら、「成功したい」という思いと「失敗したくない」という思いは、同じようでいて、正反対のベクトルだからです。

成功の中から成功をつかみだし、目標を達成するまで決してあきらめない。「成功者」というのは、そうした考え方を持っている方に与えられる称号です。失敗を奨励しているわけではありませんが、本当の成功とは、失敗をくぐり抜けてこそ、あるいは失敗を成功の種に変えてこそ得られるものだと思います。

この失敗を恐れる自分から脱却するにはどうすればよいのでしょうか。

一つは、使命感に目覚めることです。「このために生まれてきた」と確信を持って言い切れるようになることです。

 もう一つは、劣等感の克服です。

 劣等感とは、人間が神の子であること、あるいは人間の仏性を信じられない、自己中心的な考え方です。自分の過去の失敗や挫折にとらわれ、自分の本当の力を信じることが出来ない人が持つ心です。過去の失敗を悔んだり、自分はちっぽけな人間にすぎないと嘆いたりして、自己限定する心を変えない限り、成功をつかんでいくことは不可能でしょう。

 このような劣等感を持つ経営者にこそ、幸福の科学の研修がお薦めです。「いつもいい線まで行くのに、どうしても成功し切ることができない」と言う方がおられましたら、この劣等感が自分にもあるのではないかと疑ってみてください。

 「自分のための人生」という思いを捨てて、「多くの人のために生きよう」とマインドを切り替えることが、大成していくために必要な考え方です。

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