上に立つ者の心構え

 組織拡大には「トップを支える参謀」が不可欠です。ここでは自家発電をすることの大切さを学びます。

 社長は自家発電ができる人でなければいけない。社長がやる気を出し、タービンを回して発電しなければ、社員がやる気になることはない。

 自家発電をする気持ちがなくなった人は、進退問題が近い。

 同じように、部長も課長も上に立つ者は、すべからく自家発電しなければならないという気持ちを持つことが必要である。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『社長学入門』で以下のように説かれました。

「社長に心掛けてほしいこととして、最初に述べておきたいことは、「社長は“自家発電”ができる人でなければいけない」ということです。

 「電力を送ってもらって、スイッチをひねれば電灯がつく」というのは、従業員のほうの立場です。「やる気を出す」ということにおいても、「上司からハッパをかけられて、やる気を出す。指示を出されて、やる気を出す。目標を出されて、やる気を出す」というのは、すべて従業員のほうの立場なのです。
 社長には、誰が目標をくれるでしょうか。誰が「頑張れ」と言ってくれるでしょうか。そういうことは、普通は誰も言ってくれません。一般的には、「どのような仕事をするか」ということは、トップ自身の考えの範囲内なのです。
 目標や、「新規に何をやるか」「どこまでやるか」「どの程度やるか」という指示は、上が出すものです。つまり、社長は“供給源”でなければいけないのです。「企業の大小を問わず、経営者、社長というものは、すべからく、“自家発電”ができなければ駄目なのだ」ということを知ってください。まず、これを念頭に置いていただきたいのです。
 たとえ社員が十人であっても、社長は社長です。もちろん、社員からの突き上げがある場合もあるでしょうが、やはりエネルギーの供給源は社長自身なのです。
 「社長である自分が、やる気を出し、タービンを回して発電しなければ、社員がやる気になることはないのだ」ということを知らなければいけません。上にやる気がないのに、どうして下が、安い給料でそんなに頑張るでしょうか。
 そういう意味で、従業員規模が、十人であろうと、百人であろうと、千人であろうと、一万人であろうと、上に立つ者の心掛けとしては、「他から電力の供給を受けているようでは駄目であり、自らが発電し、電力を供給しなければいけない」ということです。自家発電をする気持ちがなくなった人は、進退問題が近いと思わなければいけないでしょう。
 大きな企業になると、それだけではない面もあります。部長は部長で、「この部で自家発電をしているのは自分だ」と思わなくてはなりません。「部長の自分が発電しなければ、この部は駄目になる」という気持ちを持っていなければいけないのです。
 課長も同じです。課員が十名か二十名ぐらいいたとして、課長が怠け者であったなら、部下たちがやる気になることはないでしょう。
 その意味で、トップに立つ者、上に立つ者は、すべからく、「自家発電をしなければならない」という気持ちを持つことが必要です。「電流が送られてきたときにだけ頑張る」ということでは駄目なのです。
 社長は、もちろん電力を供給しているわけですが、部長も、「社長から指示が出ないかぎり動かない。電力が流れてくるのをじっと待っている」ということでは駄目ですし、課長も、「部長から言われなければ何もしない」ということでは駄目です。そういうことでは、会社が傾いていきます。やはり、「自家発電ができなければ駄目なのだ」と思わなければいけません。」

「愚痴を言っている暇があったら、もう少し、積極的で、勇気を持った活動、行動ができないかどうか、考えてください。
 できない言い訳を考えるのは、もうやめよう」ということです。少しずつでも前に進んでいく方法を考えましょう。先に言い訳をするのは、ずる賢くなってきた証拠です。年を取って、ずる賢くなってくると、言い訳を先に言うようになります。頭のよい人ほど、そうなるので、「自分は、言い訳や言い逃れが多くなってきたな」と思ったら、反省しなければいけません。
 不況期に“元気印”でいられるような人間は、どの会社でも欲しい人材ですし、どこにおいても必要とされる人材なのです。」
(『Think Big!』)

「ストレスを生まないためには、「まわりの人にいろいろと期待しない」「まわりの人に期待しすぎない」ということが大事でしょう。要するに、まわりの人にあまり期待しすぎず、「私は私で気軽に生きています。明るく生きています」という具合に“自家発電”をして、ポッポポッポと自分から明かりを出すような感じでしょうか。こういう人の幸福は、最も取りにくく、奪い去りにくいのです。
 その輝きも、ほかの人から称賛されて生じる輝きではなく、自分の内からにじみ出てくる輝きであれば、本物です。ですから、人の目を意識しすぎず、「生きるのが楽しい」と思えるようなことを、毎日、自分で発明していくことが大事であると思います。」
(『生涯現役人生』)

「自家発電ができるようになる、つまり、自分で自分のやる気を出す、というのは難しいことです。人に檄を飛ばされてやる気を出し、張り切るというのは簡単です。しかし、叱られなくても自家発電するのは大事です。
 ですから、言い訳を廃止して自家発電ができる自分をつくることです。努力の天才はここから始まります。努力の天才型の人はみな、できない言い訳をなくします。次は自分で発奮し、自分を励まして、「他の人に任せたら駄目だ」「自分がやらなくてどうするか」と、自分でやる気になるのです。
 できない理由など、世の中には山のようにあるのです。諦める理由だって、山のようにありますし、困難な理由も山のようにあります。でも、それでは何も進まないので、やはり、どんなにコンディションが悪くても、どんなに困難な事情があっても、いつも、何とかできないかを前向きに考えることが大事です。ですから、本気さを持続させるためには、言い訳を排し、自家発電する努力をすることが大事です。」
(『人格力』)

 上の立場にある人が人格や器をどこまで大きくできるかで、組織全体の成功・発展も決まっていく。上に立つ者が成長し続けるかぎり、続く人たちも成長し続けることができる。

 そのためには、上の立場にある人は、簡単に出来上がらず、まだまだこれから、毎年毎年、前進し、成長していこうと思うことである。

 結果をもって成功とせずに、成功とは成長していく過程を楽しむ気持ちであると考え、ますます発展していこうと願うべきである。

 総裁は、『未来の法』で以下のように説かれました。

「要するに、「上の立場にある人が、どこまで人格や器を大きくできるか」ということによって、組織全体の成功、発展も決まっていくわけです。
 上の立場にある人が器を大きくするためには、どうすればよいのでしょうか。それは「永遠の挑戦」をしていくことです。簡単に出来上がらず、「自分の成功は、これで完成した。最終点に到達した」と思わないことが大事です。
 そして、「まだまだ、これからだ。毎年毎年、前進し、成長していこう。能力的にも、経験的にも、知識的にも、いろいろな面で成長しよう」と思うことです。
 もちろん、年を取れば体力や気力は衰えてきますが、体力や気力の衰えを、知識や経験、あるいは、深い洞察力で補い、「別なかたちで成長し続けよう」と思うことです。
 上に立つ者が成長し続けるかぎり、その人に続く人たちも成長し続けることができます。上の者が、「もう、これでよい。これ以上、何もする必要はない」と思う“天井状態”になったら、それは、百年間、伝統の味を守り続けている老舗のようなものであり、あとに続く者たちも、伸びることはできなくなります。そして、嫉妬や競合、追い出しばかりがはびこる組織になるでしょう。
 したがって、結果をもって成功とせずに、「成功とは、成長していく過程を楽しむ気持ちである」と考え、「ますます発展していこう」と願うべきです。
 そのようなことを常に志していけばよいと思います。」

「徳なるものは必ずあるものです。
それをみなさんにわかるようなかたちでご説明するならば、自分が生きてきた時間のなかで、自分のことより他の人の幸福のことを考えた時間のほうがはるかに多い人のことを、「徳ある人」と言うのです。
徳がある人というのは、他の人びとへの愛の思いを持ちつづけてきた人のことを言うのです。」
(『人格力』)

 社員にやる気があるかどうかの問題は、結局のところ、社長の問題である。「エネルギー供給源」としての責任が発生するのである。社員のやる気のなさを嘆く前に、社長自身のやる気を反省すべきということである。

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