仕事のなかに愛を込める

 幸福の科学大川隆法総裁は、以下のように説かれました。

「自分に縁があって身近にいる人たちを愛するのは、「そもそもの始まり」ではありますが、自らが智慧を宿し、その智慧の力を使うことによって、「より多くの人々を愛する」こともできるはずです。勉強をし、仕事で学びを深め、智慧をつけることによって、「より多くの人々に影響を与える」こともできるのです。
 会社の経営においても、多くの従業員を雇い、また、その会社の活動を通して、実社会に多くのものを与えていくことができるはずです。仕事のなかに愛を込めれば、自分に身近な人への愛以外の愛がそこに出現し、大きな力が出てきます。「会社レベル」でも、「市町村レベル」でも、「国のレベル」でも、「外交レベル」でも、そうした大きな愛の実践は可能です。そのためには、知識や経験と、そこから生み出される智慧が必要です。」
(『青銅の法』)

 

他の人のことを考えて仕事をせよ

 仕事は、たいていの場合、他の人とのかかわり合いのなかにおいてなされ、そこに仕事の意味があるのであって、「愛」と同じように人間と人間との関係学である。

 書類仕事を例にとれば、書類がミスに満ちていれば他の人たちの多くの時間を奪うことになる。手抜き仕事は「奪う愛」の表れである。

 仕事も愛の具体化の一つであり、愛の法則が適用される。「他の人のことを考えて仕事をすること」が大事なのです。

 大川隆法総裁は、『仕事と愛』で以下のように説かれました。

「「ミスのない仕事」という言葉は、けっこう手厳しい響きを持っているかもしれません。仕事をしたことがある人ならば、誰しも、「ミスをしたことがない」ということはないでしょうし、そのミスゆえに、後味が悪く、自分を責め続けたことも数多くあるでしょう。
 なぜ、自分は、こんなに仕事ができないのか。なぜ、こんなに雑な性格なのか。なぜ、こんなに、いつも間違ってばかりいるのか。私の頭はザルのようなものなのだろうか。このようなことを悩んでいる人は数多いと思うのです。
 もちろん、一人だけで仕事をする人もいるでしょうが、仕事は、たいていの場合、他の人とのかかわり合いのなかにおいてなされます。同僚、部下や上司、取引先など、いろいろな相手とのかかわり合いにおいて、仕事というものは存在します。そこに仕事の意味があるのです。
 この関係は愛と実によく似ているとは思いませんか。「愛とは、人と人との間に生まれるものであり、人と人とを結びつけ合う力、人と人との関係学である」とも言われますが、「仕事も、まさしく、人間と人間との関係学である」と言ってよいかもしれません。
 そして、人間と人間が意思を疎通するために、書類というものがあるのかもしれません。この書類仕事というものを取ってみるならば、書類は、まさしく、相手への公的な手紙であるとも考えられるでしょう。
 ただ、この公的なる手紙は、単に自分の思いを伝えるだけでは不十分であり、その内容を必要としている人が必ずほかにいるわけです。上司、あるいは対外的な存在が想定されているのです。そうであれば、書類づくり一つを取ってみても、「その書類を見る人の立場というものを考えたことがあるかどうか」が大事なのです。
 あなたのつくった書類は必ず何人かの目を通ることになります。そして、その書類がミスに満ちているならば、他の人たちの多くの時間を奪うことになるのです。手抜き仕事が、さらに多くの仕事を生み、他の人たちの時間を奪っていくことになります。その意味では、手抜き仕事は「奪う愛」の表れである、と考えてもよいかもしれません。
 ミスの多い仕事をする人は、他人の関心を常に自分のほうへ振り向けようとしている子供のようにも見えます。いつもミスをしている人がいると、他の人たちは、その人の仕事をチェックしていなければなりません。これは、他の人の力を自分に割かせるわけですから、ある意味において、奪う愛に相当すると言えるのではないでしょうか。
 「仕事も愛の具体化の一つである」と考えるならば、愛の法則が仕事の世界にも生きていることを知っていただきたいと思います。
 この世界に生きている愛の法則とは、まず、「他の人のことを考えて仕事をせよ」ということです。「自分がした仕事の内容は、いったい誰に向けられたものなのかを、よく知りなさい」ということです。そして、相手が必要とするものをつくっていくことです。これが何にもまして大事なことなのです。」
(122~125ページ)

 「人から認められよう」と思ってがんばるというのは、「与える愛」の逆、つまり、典型的な「奪う愛」。

 決して他の人を幸福にすることはできないから、敏感に人は自分から遠ざかっていく。

 挫折や逆境の真っただなかにいる人は、原因がそこにないかを反省してみて、それを一つの学びとしていくことである。

 大川隆法総裁は、『常勝思考』で以下のように説かれました。

「優秀な人は、仕事を習い始めのころには、いかに自分ができるかを証明することに血道をあげるものです。これは、幸福の科学で教えている「与える愛」とは逆であり、まさしく「奪う愛」、称讚を求める愛であると思います。
 いかに自分が認められるかということに夢中になって、人の評価が低いと、「これでもか、これでもか」と、もっとがんばるわけですが、がんばればがんばるほど、周りの人は、なぜか知らないけれども、しらけた目で見はじめるのです。これがなかなかわかりません。みなさんも経験があるのではないかと思います。がんばればがんばるほど、なぜか知らないけれども、周りの評価は逆になってくるということがあるのです。
 それは、後のち考えてみると、結局は愛を奪っていたのだということに気づくでしょう。多くの人からのほめ言葉や称讚を得ようとしてがんばっていると、他の人から見てみれば、それを認めることによって、何か自分から持ち出しが出るような感じ、小遣いが減っていくような感じがするのです。いかにも認めてほしそうに動いている人を見ると、その人をほめたりすれば損をするような気がするのです。
 実際は、「人から認められよう、認められよう」と思ってがんばっているあいだというのは、他の人がよく見えることはありません。自分が認められることを中心に考えているときというのは、他の人がよく見えることはなく、他の人は自分を支えるための神輿(みこし)を担いでいる人だ、というような錯覚に陥っているのです。
 すなわち、自分が舞い上がることばかりを考えている人は、決して他の人を幸福にすることはできないのです。人というものは非常に敏感なものです。その人とつきあって、決して自分が幸福になれないのであれば、遠ざかっていきます。「そういう人とは、なんとか一線を画したい」と思いはじめます。
 ほんとうは、自分ひとりの力で仕事をしているのではなく、多くの人たちのチームワークによって、仕事が成り立っているのです。つまり、自分が自己発揮できる前提には、他の人びとの力があるのです。それを忘れてはいけません。
 したがって、この本を読んでいるさなかにおいて、挫折や逆境の真っただなかにいると思っている人がいたならば、どうか、過去の何年間、あるいは何十年間の自分の生き方を振り返ってみて、バランスを崩していなかったかどうか、また、自分の評価ばかりを考えて、他の人びとを評価することを忘れてきたのではないか、そうしたことを考えていただきたいと思います。
 こうした見方ができるようになるということは、非常に大きなことなのです。人間が成長していくためのきっかけは幾つかありますが、ほんとうに底光りをしてくる人を見ると、やはり何らかの試練は通り越してきているように思います。
 試練というものは、そう長く続くものではありませんから、要は、その間にどれだけのものを学べるかということが課題であって、学べるだけのものを学び尽くしてしまうということが大事だと思います。」
(29~34ページ)

 

日々の仕事にも「与える愛」を

 自分が認められたいとか、自分がほめられたいという思いの仕事は「奪う愛」であって、他の人のことを考える企画は「与える愛」である。自分の仕事がまわりの人の成功にもつながり、チーム全体が成功するような仕事を常に心がけていくこと。与える愛の仕事は無限の発展を生み出していく。

 大川隆法総裁は、『幸福の法』で以下のように説かれました。

「自己実現を求めている人、自己発揮をしたいと思っている人は、「人に認められたい」という気持ちが非常に強いものです。それ自体は非常に尊いことなのですが、そう思って、がんばっているうちに、「自分一人だけが生きる」という状態になっていることが、わりにあります。一生懸命に努力しているのに〝努力逆転″となり、がんばればがんばるほど、まわりが迷惑したり困ったりしていることもあるのです。
 「自分は自己鍛錬をして、こんなに努力しているのに、なぜ人から認められないのか」と思うことがあるかもしれませんが、その場合には、他の人たちへの視点が欠けているのだと思います。「自分のことしか考えていないのではないか」ということです。
 企画を出す場合でも、自分の評価が上がること、「こんな企画を思いつくとは、君は頭がよい」とほめられることだけを考えている人は、企画の質もそれほど高くはありません。いろいろな企画を出しても、周囲からうるさがられるだけであることが、けっこうあります。意見を発信する前に、まず相手の立場を考えることが大事です。
 たとえば、「この企画を相手が使えるかどうか」ということを考えれば、企画の内容にも、おのずと絞り込みがかかってきます。大切なのは、「自分がこれを思いついた」ということではありません。「これを相手が使えるかどうか」という点を考えて企画することが大事なのです。
 自分が認められるためではなく、「このアイデアを使えば、自分の上司は成功し、出世する」「この企画を使えば、あの人は成功する」というような思いで出した企画は、当たる確率がかなり高くなります。「他の人のことをまず考える」というワン・クッションが入っている企画は、成功することが多いのです。
 自分自身を磨いていくことも大事なのですが、それだけではなく、やはり、全体の力がアップし、チーム全体が成功することにつながるように考えていくことです。自分自身が出世することだけを考えるのではなく、それがまわりの人の成功にもつながっていくような考え方を、常に持っておくことが大事です。」

 

情熱が顧客に感動を与える

 総裁は、著書『経営入門』の中で、感動を与える仕事について、顧客に感動を与えるために必要なものは何であるかというと、言い古された言葉ではありますが、やはり『情熱』です」「その熱意の元にあるものは、『仕事が好きである』ということですと述べている。

 50歳前後のビジネスマンの中には、仕事を長く続けるうちにマンネリを感じる人もいるかもしれない。そんな中でも、仕事への愛を見直すことで、年齢を感じさせない「生涯現役」の活躍ができるのではないだろうか。

参考

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