情報感度を磨く 未来の経営資源

 企業を経営していく上で、役立つ能力や要素のことを「経営資源」と言います。一般的には「人、物、金」そして、「情報」の四つを指しますが、現代では、テクノロジーの進化とともに、形なき「情報」という資源の価値が高まっています。成功するための元手として、「知識」が必要ですが、そのためには重要な「情報」、役に立つ「情報」を一つでも多く知っておくことが大切です。そして、正しい経営判断をするために欠かせない「知識」を磨くためには、有益な情報かどうかを選り分ける「情報感度」が必要なのです。

 幸福の科学大川隆法総裁は、以下のように説かれました。

「「経営とは、現にある『ヒト、モノ、カネ、情報』等の経営資源を使って、それらの合計以上の成果を生み出すことである」と考えているのです。
 お金を集中させて、一定以上の額にし、それを事業資金として使うと、大きな投資効果のある事業をすることができます。
 これは情報についても同じです。

必要な情報が必要なところに集まり、良い判断ができて、成果を生み出せるように、組織を組み立てていかなくてはならないのです。」(『社長学入門』)

「ドラッカーは、「未来の経営資源として知識が大事である。知識産業の時代になる」ということをいち早く予言した人です。

ここで気をつけなければいけないのは、ドラッカーが言っているとおり、「本のなかに書かれてあることは、知識ではなくて情報である」ということです。
 本を読み、それを何か「知的生産物」や「仕事に役に立つもの」につくりかえていく力があれば仕事をしていると言えます。
 普遍性があったり、何か新しいものを開けたりするような情報が大事なのです。それを見いだしていく知恵をつけなければいけません。」
(『イノベーション経営の秘訣』)

「私は、社会人になってから三十年以上たっても、いまだに日経新聞を読み続けています。もちろん、それに関連した経営書なども読むため、それが、宗教家であっても経営や経済などの話ができる基礎になっています。このように、「日ごろのわずかな努力の継続が、自分の“アンテナ”を調整し続けるための非常に大切な材料になるのだ」と知っておくことです。
 社会人として、あるいは経営者として生きていくためには、おそらく新聞・雑誌の類についても、速読して要点を押さえる能力が必要です。速読しながら幅広い目で比較し、ポイントを押さえていく必要があるでしょう。
 また、本は捨てないかぎりはなくなることのない、貴重な情報です。情報を取るために速読するような本のみならず、じっくりと読まなければならない本、あるいは、繰り返し読める本も所蔵していかなければなりません。
 経営者にとっては、「情報感度」および「情報に対する判断」が、決定的なものを生み出すのです。」
(『智慧の経営』)

「徳なるものは必ずあるものです。
それをみなさんにわかるようなかたちでご説明するならば、自分が生きてきた時間のなかで、自分のことより他の人の幸福のことを考えた時間のほうがはるかに多い人のことを、「徳ある人」と言うのです。
 徳がある人というのは、他の人びとへの愛の思いを持ちつづけてきた人のことを言うのです。」
(『人格力』)

 経営者にとって、情報が有益かどうかを選り分ける「情報感度」が欠かせません。情報というものは、決して1ヵ所から発信されるものではなく、各種メディアによる複数の情報が、複雑に絡み合って矛盾したカタチで発信されるものです。

 では、そのようにして発信された多様な情報のなかから、何を選びとっていけば良いのか。情報感度を高めるための具体的な方法、また、情報資源としての知識を成果につなげるために、どのような姿勢が求められるのでしょうか。

「経営者の人々は、「今、世の中が、どういう〝空気〟で動いているのか」ということを、よく見なければなりません。

新聞の一面記事の見出しなどは、世の中の空気に大きく影響していますし、新聞に掲載される週刊誌広告なども影響します。
 また、外国の新聞やテレビ等では、日本とはまったく違うことを報道していることが多くあります。
 社会人として、あるいは経営者として生きていくためには、おそらく新聞・雑誌の類についても、速読して要点を押さえる能力が必要です。」
(『経営戦略の転換点』)

「自分の本業についての勉強も要りますが、それ以外の社会全体の仕組みやシステム等についても、いろいろ勉強しておかなくてはいけません。
「マスコミの相互関係や敵対関係」「どういう主張を持っているか」というようなところも見なければいけないし、あるいは、「社会全体は今どちらのほうに向いていっているのか」ということに対しても関心を持たねばならないわけです。」
(『経営とは、実に厳しいもの。』)

知識は拡大再生産の可能な資源であり、「新しい知識が新しい資源を生み、成果を生む。それからまた新しい知識が生まれてくる」ということがありうるのです。
「一人ひとりがバラバラに働いていれば、その労働力の合計以上の生産物を期待することはできないが、みんなが智慧を集めて、良い仕事をすれば、一人ひとりがバラバラに働いて得られる以上の富を生み出すことができる」ということです。
 経営資源としての知識というものは、未来に向けて無限大に広がっていくものなので、常に学習する態勢をとらないかぎり、今日は優秀なものが一年後には優秀でなくなるのです。それは、人においてもそうですし、組織においてもそうです。
 その意味で、「学習する組織を目指すべきである」ということを言うべきだと思います。」
(『社長学入門』)

 「情報」は、持っているだけではあまり価値がありません。その情報を経営に使える「知識」に変え、さらにその「知識」を、経験を通して「智慧」に変えていくことで価値が生まれてきます。

 智慧があれば、人を教えたり、指導したりすることが出来ます。経営者が大を成せるかどうかは、ここにかかっているのです。経営者が身につけた「情報・知識・智慧」が、その会社の発展とその速度を規定します。

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