社会への貢献や公器性を掲げる

 利益を出すことは大事であるが、単にお金で終わらずに社会への貢献や公器性を掲げはじめると、企業であっても宗教に似た強い磁場をつくりはじめる。

 実際は、事業活動をしていても、ある意味で信者をつくっていることになる。そういう顧客層ができれば、それはリピート客ができたことを意味し、企業は長期的に安定しつつ発展することができる。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『リーダーに贈る「必勝の戦略」』で以下のように説かれました。

「会社というものは、「利益の追求」ということを掲げているでしょう。株式会社であれば、株主の出資によって成り立っているので、利益をあげて株主に配当することは株式会社の使命です。日本の会社は従業員のための会社であることが多いのですが、欧米の会社は株主のための会社であり、欧米では、「株主が会社のオーナーである」という考え方が強いのです。
 会社が利益をあげることは、もちろん、従業員のためでもありますし、株主に利益を配当するためでもあります。その会社を信じてお金を出してくれた人に対して、お礼をしなければいけないわけです。
 そういう意味で、利益を出すことは、会社としては大事なのですが、単にお金だけで終わらずに、社会への貢献や公器性というものを掲げはじめると、企業であっても、宗教に似た強い磁場をつくりはじめます。
 それは、その企業に対する信頼感、「この会社なら信用できる」という、企業の良心、会社の良心への信頼感です。
 「この会社のサービスは信用できる」「この会社の人の考えていることは信用できる。信じられる」「最高のことをいつも考えてくれている」「私たちが心配しなくても、素人が考える以上のことを考えてくれている」「この病院の医療は、ほんとうに最高のレベルまで考えてくれている」などという信頼感が立ってくれば、その会社は一種の疑似宗教となり、宗教に近い面を持つようになります。
 そのように、社会への貢献や公器性が高まってきて、宗教に似た強い磁場ができてくると、企業として実社会に大きなインパクトを与えます。
 実際は事業活動をしているのですが、ある意味で“信者”をつくっているわけです。それは、たとえば、自分の会社の商品に対する信者でしょう。
 世の中に、おもちゃの会社はたくさんありますが、「この会社のおもちゃは、子供がとにかく喜ぶし、安全だ」ということになれば、その会社に対する信仰心に近いものが立ってきます。
 宗教の信者に似たような顧客層をつくることができれば、それは、リピート客ができたことを意味し、企業の安定化をもたらします。
 ホテルや旅館でも同じです。ホテルや旅館で成功するためには、やはり、リピート客をつかまなければいけません。何度も泊まってくれるファンをつくらなければ駄目なのです。「一見さん」だけでは、ホテルでも旅館でも、やはり厳しいものがあります。一見さんは、新規オープンのときには来てくれますが、あとは来てくれません。「リピート客を、どのくらい見込めるか」ということが、ホテルでも旅館でも成功の条件なのです。
 企業の経営者は、こういうことを常に考えていなければいけないのです。
 そういう信用、信頼感をつくり、“帰依”する心をつくることができれば、その企業は長期的に安定しつつ発展するのです。」
(251~254ページ)

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