ライバル対策

 長所と短所は裏表になっていることがよくあるので、ライバルの長所・短所の分析も大事である。

 いまの勝ちにあぐらをかいていれば、ライバルも当然まねしてきて、いずれ敗れることになるので、これをどう迎え撃って戦うかを考えなければならない。

 そのためには、他社が分析してもどうしても分からない“隠し味”の部分を、研究してつくっておかないといけない。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『常勝の法』で以下のように説かれました。

「未来に対する備えにおいては、ライバルの長所・短所の分析ということも非常に大事です。
 よそがやって非常に得点をあげていることのなかで、自分のところ、自社ができることは、当然やるべきでしょう。さらに、ライバルの短所、何が弱いかを研究することも大事です。長所と短所は裏表になっていることがよくあるのです。
 たとえば、中学受験の世界でトップにあるような進学塾が、優秀なテキストなどのソフトを、「これ以上よいものはつくれないだろう」と、自信満々で完全公開したとします。しかし、ソフトを完全公開すれば、それを研究し、その隙をねらって攻撃をしていくことは可能です。そのテキストにない新傾向の部分をねらって、一生懸命に撃ち込んでいくところが出てくれば、当然ながら、そこは伸びていきます。それを隙間産業とかニッチ戦略とかいいますが、隙間をねらって攻めてくるところが出てくるのです。
 戦略とはそういうものです。「これに対してどうミートするか」という、そのミートの仕方を間違うと、敗れることになります。
 そのように、学校や塾、企業等のレベルでは、昔の戦国時代のごとく、いつも戦いが続いています。こうした戦いは、よいものが勝つことで受益者が増えるので、大いに戦っていただいてけっこうなのです。その結果、負けて倒産の被害を受けるところも出るでしょうが、全体としてはよくなるので、大いにやるべきです。
 「いま自分のところは利益があがっている。勝っている。よい成績をあげている。だから、うちの伝統の味を守っていればよい」などと考え、あぐらをかいていれば、いずれ敗れることになります。なぜなら、ライバルも当然まねしてくるからです。
 そこで、まねしてくるものに対してどう戦うかを考えなければいけません。それほど売れていないうちは、あまりまねされませんが、ロングヒット、ベストセラーになってくると、まねするものが出てきます。これをどう迎え撃つかということです。事前にそこまで考えていないと、ライバルが出てきてからでは勝てないのです。
 ライバルを迎え撃つためにはどうすればよいかというと、要するに“隠し味”のところを研究しておく必要があるのです。他社が分析しても、どうしても分からない部分をつくっておかないとだめなのです。「最終的に何がこの味を出しているのか、分析しても、どうしても分からない」「何が人気の理由なのか、どうしても分からない」という部分です。
 ヒット商品には、外から見てヒットの理由が分かる面も、ある程度は必要なのですが、外から見て分からない部分もなければいけません。ヒットの理由が早く分かれば分かるほど、まねされて、つぶされるのです。分からなければ独走状態が長く続くのですが、分かってしまうとミートされて、先発の利益は奪われてしまいます。
 したがって、「これはヒットするだろう」というものを出すときには、どの段階で後発のものが参入してくるかを予想しなければいけません。参入してくるものの資本力が大きい場合には、敗れることがあるのです。先発のものは、モルモットとして使われただけで、あとから入ってきたものに利益を奪われてしまうということもよくあります。
 この辺は、非常に厳しい、虚々実々の駆け引きがあり、単に「よいものが売れて利益が出る」というだけではないのです。」
(135~140ページ)

経営と真理 へ

「仏法真理」へ戻る