自分に厳しく

 多くの人の協力を得ずに大きな成功を成し遂げた人などいないから、出発点においては自己を磨かなければいけないが、途中から、多くの人の力を結集できる人物に変わっていかなければならない。

 自分の能力を人に認めてもらう立場から、人の能力を自分が認めてやる立場へと変わっていき、人を認め、才能を発掘し、育て、評価し、励まし、勇気を起こさせる人間にならなければいけない。

 その器を作るためには、数多くの経験や知識とともに、人間をできるだけ知ること。多くの人たちが、幸福を求め、成功を求めて、日夜、努力している姿を謙虚に見つめ、受け入れること。その上で、より多くの人を生かそうという気持ちを持つことが大事である。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『未来の法』で以下のように説かれました。

「若いうちは、「自分に厳しく、自分を見つめ、自分を鍛える」ということが中心であってよいと思いますが、多くの人の協力を得ずに、大きな成功を成し遂げた人など、いません。
 例えば、革命や建国のリーダーたちは、優秀なリーダーであったことは事実でしょうが、自分一人で事業を成し遂げたわけではないのです。必ず多くの人の力を得ています。

 出発点においては、リーダーになるために自己を磨かなければいけないのですが、途中から、多くの人の力を結集できる人物に変わっていかなければなりません。これは会社等の事業においても同様です。こういう考え方ができない人は、大きな成功を得られるはずがないのです。
 自分一人でできる仕事の範囲は限られており、大勢の人の力を結集することによって、事業を成功させなければいけなくなってきます。そのためには、それだけの器となるための自己変革、脱皮が必要です。よりいっそう大きな器を得るために脱皮する努力が必要なのです。
 成功する人は、もともと、個人として高い能力を持っているはずですが、その能力にうぬぼれてはいけないわけです。
 「自分の能力を発揮して、他の人に認められる」ということが成功への出発点ですが、やがて、「自分の能力を人に認めてもらう」という立場から、「人の能力を自分が認めてあげる」という立場へと変わらなければいけません。
 人は、自分を知る人のために“死ぬ”ものです。自分を認めてくれる人のために“死ぬ”のです。「死ぬ」とは、「人生を差し出す。人生を投げ出す」ということです。「この人は、自分のことを分かってくれる。自分の才能や人格を分かってくれる。自分の魂の重要さを分かってくれる」と思う人のために、人は人生を捧げるものなのです。
 したがって、自分に厳しく、自分自身を耕していたあなたは、やがて、人を認め、人の才能を発掘し、人を育て、評価し、励まし、人に勇気を起こさせる人間にならなければいけないのです。
 他の人にほめてもらうのではなく、人をほめることができる人間にならなければいけません。他の人に慰めてもらうのではなく、今、挫折や失敗をして苦しんでいる人を慰め、励まし、勇気を鼓舞する人間にならなければいけないのです。その意味で、器を大きくしていかなければなりません。
 そのためには、数多くの経験や知識が要ることは当然ですが、やはり、「人間を知る。一人ひとりの人間を、できるだけ知る」ということが必要です。多くの人たちが、幸福を求め、成功を求めて、日夜、努力している姿を謙虚に見つめ、受け入れることです。その上で、「より多くの人を生かそう」という気持ちを持つことが大事なのではないでしょうか。そういうことを考えていただきたいと思うのです。」
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