商売とは自分自身が幸せになっていくもの

参考

「繁盛」は目的ではなく結果

現在、飲食業界は右肩上がりの成長期を終え、成熟期に入っています。だから、黙っていても客は来るという成長期の発想から抜け出し、客は来なくて当たり前というところから考え始めなくてはいけません。繁盛しない店は、だいたい昔の価値観にしがみついています。

「繁盛店にしたい」という仕事の依頼をいただくのですが、勘違いされている方が多い。「繁盛」というのは結果であって、目的ではありません。繁盛を目的にすると、集客や実績のことばかり考えてしまい、結局、自分の理想や実現したい夢が消えていってしまう。繁盛とは、積み重ねであり、結果としてもたらされるものです。

繁盛という結果をもたらす何かを目標として明確にする必要があるのです。その部分が欠けている店は繁盛しません。それを自覚することが第一歩です。

 

 

感動させる仕組みを作る

繁盛店の大きな特徴は、その店独自の哲学や文化があるということです。利用する客に夢や感動を与えたり、仲間意識を持たせることができます。感情に訴えかけることは、他の店では簡単に真似できません。

飲食店は、舞台(店)、脚本(サービス)、俳優(スタッフ)のトータルコーディネートで感動させることが必要です。そして、それを多くの人に伝える力がないと流行りません。

また、情報の風上に立たないといけない。伝達力のあるホームページやダイレクトメールなど、今の時代メディア作りができない店はだめです。どんなにおいしい商品を用意しても、それがそこに存在しているということを知ってもらわないと意味がありません。情報を制するということが大事なのです。

 

 

マイナスの言葉はNG

また、組織としてモチベーションを上げるには、「言葉」がとても大事です。「まだできないのか?」とか「この仕事は私にはできない」などと、意外と無意識のうちにマイナスの言葉を吐いていることが多い。そうすると言葉に引きずられて、店全体がマイナスの雰囲気になっていく。逆に「何か協力できることはありますか」とか「私にやらせてください」などとプラスの言葉を意識的に使うようにすると、店の雰囲気も確実に変わってきます。

人間の深層心理は言葉に出てくるんですね。だから、たとえば、朝礼などで意識的にお客さんに喜ばれた報告をしたり、目標や夢を言い合ったりする店もあります。そういう働きやすい環境、楽しい環境をつくるということは、従業員も、お客さんも集めることにつながるのです。

 

 

繁盛店は休んでいる

繁盛店の人は、店を閉めなくても、他の人に任せるなどして、自分の勉強の時間をとっています。「貧乏暇なし」ではだめということです。

つまり、経営者は考えを練る、戦略を練る時間をしっかりとらないといけない。それが、店のため、客のためになっていくのです。

だから、売ることばかりが主眼になっていて、やりたくもないことをやったりすると、自分の心がマイナスになって、つらくなったり病気になったりしてしまう。経営者には、けっこう体を壊す人がいます。自分のやりたい商売をやってる人というのは、みんなとても生き生きしています。

商売というのは、最終的に自分自身も幸せになっていくことだと思います。お客さんに喜ばれて、いい雰囲気、エネルギーが集まってくれば、自分自身が幸せになれるのです。

 

魔法のサービスは「WIN―WIN」の関係から生まれる

 

顧客志向でなく顧客思考で

最近は、どんな企業やお店でも「お客様第一主義」と言ってサービスを行なっています。たとえば、雨の日に洗車を62台も売るガソリンスタンドや、切れたネックレスや片方のピアスのリサイクルで月700万円売上げる目からウロコの「魔法のサービス」がある。でも、実際にはうまくいっていないところが多い。

そういう場合は、自分がお客さんの立場に立ち、本音ベースで考えて、自社のサービスや商品を本当に買うか、欲しいと思うかということを真剣に考えなければいけません。

顧客に意識を向ける「顧客志向」というのは当然のこと。今の時代は、常に顧客のことを考え、お客様は何を思っているのかという「顧客思考」でなければいけないのです。

 

私もWIN あなたもWIN

「WIN―WIN」とは、自社も「WIN」(=幸福になる、繁栄する)、お客様も「WIN」という関係。これは、社内や家族などの身近な人間関係にも当てはまります。

自分が得をしてお客様が損する「WIN―LOSE」でも、自分が損をしてお客様が得をする「LOSE―WIN」でも、自分とお客様が互いに足を引っ張り合う「LOSE―LOSE」でもいけません。あくまでも「WIN―WIN」です。

この関係になるには、素直な心、感謝の心を持ち、常にお客様の「WIN」を優先させることが大事です。決して「GIVE&TAKE」の関係ではありません。

そして、この「WIN―WIN」を実現するために必要なのが、①ターゲット②必要性・NEEDS③ほしさ・WANTS④品質⑤価格⑥タイミング⑦広告・販促→強み・つかみのための質問トーク・キャッチ説明、の7つのポイントです。

 

 

「限界」は誰が決めるのか?

「うまくいかない」とため息をついている人も多いと思います。そんなときは、まず自分の心を見つめてください。人間の行動の根本にあるのは心。心を変えれば、行動が変わっていきます。でも、その心がなかなか変えられない。なぜ変えられないのか?

ここで一つのたとえ話をしましょう。あなたが、マラソンで一生懸命に どこまでも どこまでも 体力の限界まで走り続けたとします。そして、ある地点で、「もうだめだ。限界だ」と倒れこむ。そこで、10m先に私が現れて「これを触ったらあげますよ」と、100万円の札束をポンと道路に置いたら、どうします? 取りに行きますよね。その後も10m先ごとに札束を置いていったら、どうします? はってでも取りに行くでしょう。

では、初めに倒れこんだ「限界」って何だったんでしょうか? 限界とは「あきらめたところ」なんです。それも「自分が勝手に決めている」。要するに、意識や考えを変えれば、限界は突破できるということです。

どんな場面においても、あきらめずに知恵を絞り、汗を流せば、打開策は見つかるはず。業績を劇的に変化させる「魔法のサービス」があるとしたら、その「魔法」というのは、他人にかけるものでも、他人からかけられるものでもなく、自分自身にかけるものなのです。

 

 

「WIN―WIN7ポイント」

① ターゲット

自社の商品・サービスが対象とすべき顧客は? 競合は?

② 必要性・NEEDS

自社の商品・サービスは、どれほど必要性があるのか?

必要性を高めるために何をすればよいのか?

③ ほしさ・WANTS

自社の商品・サービスは、どの程度ほしいものなのか?

ほしさ、付加価値を高めるために何をすればよいか?

④ 品質

自社の商品・サービスの質は、「十分」「必要性」「ほしさ」を満足させるものか?

必要性、ほしさを満たすために何をすればよいか?

⑤ 価格

自社の商品・サービスの価格は、適正か? 価格戦略やメニュー、バリエーションは? 安易な安売りはしていないか? 安心感を与えているか?

⑥ タイミング

自社の商品・サービスは、適切な時期・タイミングで提供しているか? どんな時期・タイミングで提供すべきか?

⑦ 広告・販促⇒強み・つかみのための質問トーク・キャッチ説明

自社の商品・サービスの広告・販促は、わかりやすく、的を射ているか? どのような広告・販促をすべきか?