社長は会社のすべてについて責任を負う
幸福の科学大川隆法総裁は、『社長学入門』で以下のように説かれました。
「企業の規模によっては、責任ある立場がもう少し分かれることもありますが、小さな会社、中小企業であれば、社長一人の責任でしよう。
これは辛いことではありますが、別の意味においては、生甲斐のあることでもあるのです。「自分の裁量で事業を展開できる」ということは素晴らしいことです。「誰かから指示を受けてやるのではなく、自分で考えてやれる」というのはすごいことなのです。」(P-285)
この社長一人の責任という前提があってこそ、部下に対する指示が有効になっていくのです。
「社長が、「すべては私一人の責任だ」と思っているからこそ、部下に対して、「かくあるべし」という要望ができるわけです。
下が責任を取らずに、下に対してだけ、「おまえたちがやれ」と言うのであれば、社員は、みな、社長が見ているところだけでは一生懸命にやり、それ以外のところでは手を抜くようになります。それは当然でしょう。
上一人の責任ということになると、社長には、自分が直接にはやっていないことに対しても、責任があると思っていればこそ、部下に対して要望をするわけです。
社長は、役員を集めたり、部長を集めたりして、「このようにしてほしいのだ」と要望を出さなければいけません。これをしないと、責任だけが自分にきます。「自分だったら こうする」と思うことがあれば、「こうしてほしいのだ」という要望を出さなければいけないのです。」(P-288~289)
社長が責任を取らずに要望だけを出した場合、部下はその指示を真剣に聞くことはないのです。
「少なくとも、責任逃れをしようとする人が上にいると、下にもそういう傾向が出てくることを知らなければいけないのです。
上が常に「責任を取ろう」と思っている場合や、下から見て、「上の人は必ず責任を取るだろうな」と思える場合には、上がいようが いまいが、下はさぼれなくなります。「自分がこの工事で手抜きをしたら、その結果、社長のクビが飛ぶだろうな」と思ったら、社長が見回りに来るわけではなくても、やはり手は抜けなくなるものです。そういう緊張感というか、お互いに影響し合う関係、「打てば響く」ような 関係が非常に大事なのです。
したがって、元をただせば、やはりトップの問題です。社長が「自分一人の責任である」と考え、電力の供給をしなければいけないのです。社長は、「発案、計画、目標は、自分が出すものであり、その結果に対しては、自分が直接に見ていないものについても責任は来るのだ」と考えることです。「気がつかなかった」ということでは済まないのです。」(295~296)
自分が直接見ていないことでも責任を取らなくてはいけない経営トップにとって、大事になるのは人事である。社長には人事に関する責任もある。
「社長学においては、「人事」というものが非常に重要です。自分が直接にはできない仕事を行って、会社を運営していかなければならないので、少なくとも「どういう人をそのポストに就けるか」という人事が非常の大事になります。
ある人をその立場に就けた以上、その人の下で失敗が生じたり、うまくいかなかったりした場合には、任命した人にも責任はあります。任命された人だけの責任ではなく、任命権者のほうにも責任はあるのです。少なくとも、うまくいっていないことがわかったのに、その段階でその人をそのまま放置しておいたのならば、それは任命した人のほうに責任があります。
その意味では、実に辛いことであり、社長が高い報酬をもらったり、世間から尊敬されたりすることには、それだけの理由があるわけです。
物理的に労働時間を何倍にも増やすわけにはいきませんが、責任の重さ、あるいは仕事の重要さのところが違ってくるのです。「社長としてどの程度の責任を背負えるか」ということが、会社の規模になっていきます。「どの程度まで規模が拡大するか」ということは、そこに関係しているのです。」(P-296~297)
一倉定氏は、社長の責任と社員の責任について、次のように指摘している。
「社長の責任は、結果に対する責任、つまり、利益責任は社長一人が負うものである。
社員の責任は、あくまでも会社の方針、指令などの実施責任であって、追及されるのは不実施の責任である。」
「「経営者の負担と責任は、とにかく重いものであり、それを、そう簡単に肩代わりしてくれる人はいない」ということです。
世の中には、人材豊富な会社もあるでしょうが、そういう恵まれた会社は別として、たいていの会社は、「トップ一人が倒れたら、会社はたちまち危なくなる」というところがほとんどだと思います。
経営者は、そのような状況のなかで、重い責任を負い続けていかなければならないのです。そのような数々のプレッシャーやストレスのために、経営者には、精神的にも健康的にも、悩みが深くなることがあります。
そのため、経営者は、次第しだいに口が重くなってきて、基本的に、「一人で問題を抱えて、重圧に耐える」というスタイルが多くなってくるのです。そういう意味で、重い責任を負っている経営者は、基本的には孤独なものだと思わなければなりません。その孤独さは、何と言っても、責任の重さから来るのです。」(『経営戦略の転換点』より)
「トップは、「トップ一人の責任である」と自覚すると同時に、「自分に万一のことがあったときに、どうやって、この事業を成功裡に継続していくか」ということを考えなければなりません。
そのカリスマ性によって企業が発展しているときに、トップがカリスマでなくても成功していける体制、そういうシステムをつくることが大事です。縁起でもないことでしょうが、「自分が死んでもよい体制」を、努力してつくらなければなりません。
ある程度かたちが決まっていて、何度も繰り返し起きてくることに関しては、下に下ろしていく、すなわち、「権限」や「責任」、「仕事の判断権」を下ろしていくのです。そして、新規のことや重要なことについては、まずは自分もタッチするけれども、それも、だんだんに下に下ろしていって、部下、幹部を育てていかなくてはなりません。
「人材を育てることも、トップにとって重要な仕事なのだ」ということを知っておいてください。」(『経営と人望力』より)
すべての責任は社長一人にあると自覚せよ
「デフレでモノが売れない」「円高で輸出企業は苦しい」
新聞やテレビが日々伝えるニュースの多くは暗い。
経営が苦しい中小企業の社長は、そうしたニュースに接するたびに、「そうだ。会社が苦しいのはオレのせいではなく、景気が悪いからだ」と妙に”癒される”かもしれない。
だが、そう考えたところで、経営が改善するわけではない。
まず、社長が理解すべきは、「会社が存続するには、お客様に必要とされ続けなければいけない」ということ。裏を返せば、「お客様に必要とされない会社はつぶれる」。
どんなに不況といっても、潰れない会社のほうが多いし、業績を伸ばす会社もある。厳しい見方をすれば、景気が悪くなって倒産した企業は、それまで外部要因に下駄を履かせてもらっていたとも言えるだろう。
これに加えて、社長に欠かせない大事な心構えがもう一つある。幸福の科学大川隆法総裁は、経営書『経営入門』でこう指摘する。
「『小さな会社では、社運の九十九パーセントがトップ一人で決まる』と言っても過言ではないのです。したがって、トップというものは、従業員の働きが不十分であることを責めるよりも、まず、自分自身の能力と責任について思いを向けなくてはなりません」
パナソニックの創業者・松下幸之助氏は、数人の小さな電気器具屋を世界的なメーカーに成長させたが、松下氏と同じ条件から出発して世界企業をつくれる経営者がどれだけいるか。
つまり、会社の発展も倒産も、景気などの外部要因で決まるのでなく、すべて社長次第ということである。
経営に必要な数字に強くなれ
中小企業の社長の多くが、経営に必要な数字を知らない。
たとえば、「利益」一つとっても、いくつか種類がある。「売上」から「仕入れ」を引いたものが「粗利(売上総利益)」で、そこから経費を引いたものが「営業利益」。さらに、そこから営業外損益をプラスマイナスしたものが「経常利益」で、そこから特別損益をプラスマイナスしたものが「税引き前利益」。そして、そこから税金を引いたものが「純利益」となる。
こうした数字すら知らずに、会社を経営している社長が少なくない。これでは、なぜ業績が振るわないのかという原因を正確に分析することは難しいだろう。
さらに、業界全体の売上規模や平均値、今後の見通し、その中で自社がどのレベルに位置しているのか、などについて、ほとんどの社長が把握しないまま、日々、感覚的な経営を行っている。
こうした社長に対し、砂田氏はコンサルタントの現場で、数字やデータについて尋ねていき、「純利益の出し方も知らんで、よう社長やってますね」「業界分析しないなんて、やる気あんの?」と、あえて厳しく詰め寄るという。
数値信仰に陥って、数字さえ上がれば手段は問わないようになっては本末転倒だが、経営にまつわる数字は会社の状態を表す。健康診断のように、身長や体重、視力や聴力、血液検査などの個別の数値とトータルを見ながら、どの部分が弱っているか、どこを強みにして次はどんな手を打つかなどを考えなければいけない。
事業計画のない経営はありえない
ほとんどの中小企業には、事業計画がない。
事業計画書には、事業目的をはじめ、事業内容や売上・利益の目標、資金繰りなどの財務計画などを記すが、そうした「ビジネスにおける羅針盤」とも言えるものを持たずに、大海にこぎ出そうとしている企業がほとんどです。
また、事業計画のない経営は、ゴールや走行コースを設定しないまま走り出すマラソンのようなもので、社員もどの方向に、どれだけ走ればいいのかが分からないまま走らされ続けるので、どんどん疲労とストレスがたまっていく。従業員に正しい努力をしてもらうためにも、事業計画は欠かせないのである。
社長は、『とにかく売上を上げろ』と社員をどなり散らすが、事業計画のない会社は、何のためにいくら稼ぐ必要があるのかという認識が共有できていないので、結局、社員が社長の顔色ばかりをうかがうようになる。
しかし、その社長自身がどこに向かって走り、今どの地点にいるのかということさえ分からないので、当然のように会社は迷走する。
絶えざる勉強と研究を
経営者は 日々 経営の勉強をしないといけません。
経営者が目先の利益ばかり追いかけたら、何に投資すべきか、どのコストを削るかという経営判断を誤る。
こうしたものは、経営書を読んだり、人に相談したり、経営者向けの講演に出かけて勉強すれば、いくらでも学べる。
また、同業他社の研究も欠かせない勉強の一つです。
中小企業の社長のほとんどが井の中の蛙で、視野が狭い」と指摘するが、業界の標準的な努力や、伸びている他社の研究もせずに、成功しようと思うほうが間違っている。
お人好しをやめ集金力を高めよ
お人好しの社長によくあるのが、売掛金の回収先で、「もう少し支払いを待ってほしい」と泣きつかれ、情にほだされて本当に待ってしまうことです。だが、このパターンは、結局、自分の会社の首を絞めてしまう。心を鬼にして、早いうちに取り立てなければならない。
集金ができなければ支払いができず、支払いが滞れば、結局、多くの人に迷惑をかけてしまうからです。
同様に、手形取引も原則やめるべきです。企業が倒産する原因の多くが、手形の不渡りと言われる。自分の会社が悪くなくても、取引先の受取手形が不渡りになれば連鎖倒産の危険が出てくる。
理想的なのは現金決済
手形取引をやめれば、「入るつもり」「払えるつもり」のお金がなくなり、現金決済にすれば、収入も支出も明確になって、資金が足りているか否かが一目瞭然になる。「手形取引をやめることはできない」というのは思い込みであり、努力をすればかなりの程度まで減らすことは可能。
大川隆法総裁は、経営書『未来創造のマネジメント』の中で次のように指摘する。
「『現金決済を中心にして、常にキャッシュフローを考える。そして、手元か銀行に資金を置くようにし、借金はなるべく早く返していく』というのがデフレ時代の基本戦略です。」
強みに特化して徹底した努力を
中小企業が、100倍の資本や1000倍の人員を誇る大企業に正面からぶつかって勝つことは、万が一にもない。中小が取るべき戦略は、自社の強みを生かすことです。安易な多角化を図るべきではない。
本業が不振になると、無理な新規事業に手を出してしまいがちだが、多くの場合、失敗に終わる。本業の収益部門を伸ばすことに経営資源を集中し、徹底的に努力することが大切です。
不振企業の多くは、単純な努力不足、工夫不足であることも多い。どうすれば我が社が生き残ることができるかを、寝ても覚めても考え、夜に日を継いで研究してこそ道は開ける。日中から「客が来なくてヒマだ」と愚痴をこぼしているようでは会社がつぶれても仕方ない。
また、環境が激変する中では、新規開拓や新規事業も大切になる。しかし、本業が不振になって不安が高じてくると、普段なら引っかからない詐欺まがいの儲け話につい乗ってしまうことがある。会社が傾くと怪しい話が集まってくるので要注意です。わらをもすがる心境になったときこそ、安易な儲け話に乗るのではなく、自らの強みを冷静に見極める必要がある。
強みに特化して、徹底した努力を積み重ねている真面目な社長は、安易にうまい話には乗らないし、悪い虫も寄ってこない。
必要に応じてリストラの断行を
何よりも必要なのがリストラです。デフレの時代には、モノの値段がどんどん下がっていくので、他社との競争が熾烈を極める。
大企業のメーカーでさえも、人件費の安い中国に工場を建てたと思ったら、今度は、もっと安いタイやベトナムに建てるなど、各社とも乾いたぞうきんをさらに絞るようなコスト削減で、他社よりも1円でも多く商品の単価を下げる努力を行っているのが現状である。
社会全体に「値段は下がるもの」という認識が広がっているので、中小も赤字ギリギリの価格で売れるように、仕入れを叩いて原価を下げたり、流通の中抜きを外して、直接、消費者に売り込むなどの創意工夫が欠かせない。
無駄なコストを削り、無駄な仕事を削り、それでもダメなら人員削減も必要になる。
景気のよいときに、親戚や知人から頼まれた人を雇ったりして、業績には結びつかない余計な人件費を抱える会社も多い。だが、パナソニックのような大企業が、万単位の人員削減を発表したことからも分かるように、会社そのものの存続がかかっている緊急事態では、非情な決断も必要なのです。
リストラには反作用も大きい。恨まれもするし、罵詈雑言も浴びる。しかし、それを断行しなければ、社員全員が路頭に迷うことになりかねない。この腹が括れるかどうかが、会社の運命を決める。
中小企業には、びっくりするぐらいの割合で、経営計画や事業計画というものがありません。「ほぼない」と言ってもよい。しかし、こうしたものは夢を実現するための羅針盤です。羅針盤のない航海では、自分がどこに向かっているのかさえ分かりません。
従業員もどこを目指して走っていいか分からないので、何のために売上を上げなければいけないのか分からず、社長の顔色だけをうかがうような組織になります。経営者は、事業が伸び悩んでいるときこそ、経営計画や事業計画を作るべきなのです。
現在ただいま、どう戦うかが問題
1990年代のバブルの頃は、日本経済も右肩上がりで、社会全体が上向いていたので、あまり努力をしない経営者も経営を成り立たせることができたかもしれません。しかし、その後、「失われた30年」を迎えています。つまり、過去の成功体験で、現在、ビジネスをやったら絶対に会社が潰れます。それは間違いない。
ゴルフと同じで、格好つけて「昔は、オレも飛ばせた」と言っても、勝負しているのは現在です。飛距離が出せなくなった現実を冷静に受け止め、アプローチやパッティングなど別の強みを磨くなど、具体的に現在ただ今の戦い方を考えなければいけないのは当然です。
苦しいときに、中小企業でありがちなのが、「勘と度胸と場当たり主義」だけで乗り切ろうとする経営者。結局、それは、過去の成功体験の上に築かれたものなので、時代の先を見通した判断になることは少なく、業績を回復させるのは難しいでしょう。
経営が苦しいことを環境のせいにしてはいけませんが、環境は冷静に分析しなければいけません。自分の会社の産業規模や業種の将来性などをよく見極める必要があります。
とことんキャッシュにこだわる
経営者の多くが、日々の資金繰りに頭を悩ませていると思いますが、資金繰りが悪化するということは、今ある既存の商品やサービスが売れていないということです。こういうときに、いちかばちか の設備投資をする経営者もいますが、そんなものが上手くいくはずがない。会社を立て直すためには、まず支出を収入の範囲に収めるということから始めなければなりません。
利益が出ていてもキャッシュ(現金)がショートしたら、倒産することだってあります。デフレ下では、現金の価値が高まるので、余計なベンツや不動産など現預金以外の資産を現金化したり、なるべく手形取引をやめて現金取引にしたり、滞留した売掛金は取り立てにいくなど、とことん現金にこだわらないといけません。連鎖倒産なんて、だいたい手形が原因です。
「頑固な経営者」というのもカッコイイかもしれませんが、結果が出ていないのなら、今のやり方に間違いがあると知るべきです。大きな時代の流れの中で、いかにバランス感覚を持って対応できるか。そのためにも、これからの経営者は日本だけではなく世界の政治経済情勢にも関心を持ち、20年先、40年先から今のあり方を考えるという、空間的にも時間的にも広い視野を持つことが必要です。
倒産とは本当に厳しいものである。最悪の場合、中小企業の社長は自宅や事務所、預貯金などあらゆるものを取り上げられ、妻や子供を抱える社員には「明日から会社には来なくていい」と伝えなければならず、その社員たちは明日からの生活が保障されなくなる。
付き合いの長い取引相手から、鬼の形相で「借金を返せ!」と迫られることもあるし、これまでお金を貸してくれたり、さまざまな支援をしてくれた多くの人たちの信頼を一辺に裏切ることになり、良心の呵責に苛まれる。
もし、筋の悪い街金やサラ金などに手を出していたら、連日押し掛けてくる暴力団まがいの取り立てに脅されることもある。家族に害が及ばないように妻と離婚、一家離散して子供たちとも離れ離れというケースも珍しくない。また、人の良い経営者ほど道義的責任を強く感じ、自殺さえ考えてしまう。
映画やドラマの中の話ではない。会社を経営する社長は、一歩間違えれば、明日にでもそうした境遇に身を置くことになるかもしれない。
大川隆法総裁は、『経営入門』でこう述べる。
「家庭崩壊、一家離散、病気、自殺など、さまざまな悪いことが数多く起きてしまうでしょう。そのように、『因果の理法』で見るかぎり、やはり、『会社が潰れることは悪である』と見るべきです。」
中小企業の社長には、自身の心のあり方や数字を詰めた上で、会社の状態を正しく客観視し、自らを深く反省して、ぜひとも今ある会社を守り抜いてほしい。