「反省」「瞑想」「祈り」の実践

波長同通の法則

 画期的な商品やアイデアは、どのようにしてひらめくのでしょうか。その仕組みは十分に解明されているわけではありません。

 しかし、ある人は次々と斬新なアイデアを繰り出すことが出来る一方で、別のある人は、月並みなアイデアしか思いつきません。こうした現象は誰でも経験的に確認することが出来る。

 経営成功学における一つの特徴は、一見偶発的に見えるインスピレーションが、一定の法則のもとに降り注ぐという説明をしている点にあります。

 インスピレーションとは、一般的に「霊感」と訳されますが、経営成功学では「天上界の智慧」を指します。具体的には、天上界にいる高級霊から具体的なアドバイスやヒントを霊的に受け取ることです。

 天上界には、松下幸之助や本田宗一郎など、生前活躍した経営者がいて、地上の経営者の求めに応じて、インスピレーションというかたちで支援していると言われます。

 ただし、こうしたインスピレーションは誰でも受けることが出来るわけではなく、一定の条件が必要になるとされます。前提として、「波長同通の法則」を理解しておく必要があります。

 高級霊と通じる心境を持つことが出来れば、高級霊からのインスピレーションを受け取ることができるが、地獄的な心境しか持てなければ、悪霊の影響を受けてしまうことになります。したがって、天上界からインスピレーションを受けるためには、高級霊と通じる心境を持たなければなりません。

 経営者が、適切なインスピレーションを得るためには、日頃の信仰生活で心の修業に励むことが必要になります。具体的には、「反省」「瞑想」「祈り」の実践です。

 経営者として大きな仕事を成し遂げようと思うのであれば、安易な道を選ぶべきではありません。ときに重要な経営判断を外部の経営コンサルタントに委ねてしまう経営者がいますが、名を成した経営者でコンサルタントの言う通りにいった人はいません。もちろん、技術的なことや専門的なことでアドバイスを受けることはあるでしょう。しかし、「経営理念をどうするか」「わが社の事業は何であるべきか」「顧客とは何か」といった大事なことを他人に委ねるべきではありません。

 アドバイスをもらうとすれば、それは神仏からであるべきです。本当の意味で地上の人間を適切にコンサルティング出来るのは神仏しかいません。そういう意味で、反省・瞑想・祈りが大切になってくるわけです。

 そして、反省・瞑想・祈りを通して、真理を発見した人が、偉大な経営者になっていくわけです。

 

「反省」「瞑想」「祈り」の順序

 反省とは、自らを省みるということであり、「八正道」を実践することで、心の曇りを取って中道に入ることです。中道とは、「左右の両極端を去り、大調和を生み出す、無限の発展の道に入ること」です。経営者は、反省の実践をして、無限の発展を目指すことになります。

 業務との関連、仕事との関連を深く考えながら反省を行ずることこそ、経営者にとっての 八正道 の修行であり、仏法真理の修行である。

 次に瞑想です。

 瞑想とは、外界からの刺激をできるだけ遮断して、自己の内なるものを見つめるという時間を取ること、すなわち、霊的交流するための方法です。

 そして祈りです。

 祈るとは、神仏の前に威儀を正して、お願い事をするということです。経営者であれば、事業繁栄や経営成功などの具体的な希望を神仏に対して願うことになります。

 『反省→瞑想→祈り』という順序が大事と言われます。これは、心の浄化を済ませた上で祈りに入っていくのが適切だというアドバイスなのです。

 これは、反省をしないで瞑想や祈りに入っていくと、高級霊ではなく、悪霊の影響を受ける可能性があることを意味しています。反省しないで瞑想に入るということは、心を正さないまま霊的になっていくことになるためです。まず反省から入っていくことが適切というわけです。

 

「反省」「瞑想」「祈り」の実践

 「反省」「瞑想」「祈り」は、自宅でも行うことが出来ますが、より効果的にするためには、宗教的な磁場の整った専用の施設などに赴くことです。幸福の科学では、精舎という研修施設で、「反省」や「瞑想」、「祈り」に関する研修を行っています。

 幸福の科学教学は、「反省」「瞑想」「祈り」の流れを、「縁起の理法」や「波長同通の法則」など一定の心の法則をもとに、合理的な説明をしている点に特徴があります。

 経営者向けの「公案」も幸福の科学の経営思想の大きな特徴です。

公案とは、禅宗の修行で使われるテキストの例題のようなものです。研修の参加者は、与えられたお題(公案の条文)について、一定時間を取って深く考えていくのです。日常業務から離れて、静かな環境のなかで深い思考を重ねることで、普段気づくことのない貴重な気づきを得るのが狙いです。例えば、経営で直面する課題について、公案に従って思慧を重ねていると、インスピレーションというかたちで解決のヒントがつかめるのです。

幸福の科学の経営系の公案は、ドラッカーや松下幸之助、二宮尊徳、本田宗一郎、豊田佐吉といった著名な成功者たちの霊指導のもとにつくられているといいます。

幸福の科学では、全国・全世界の精舎で公案研修を開催しています。

 幸福の科学が重視する智慧とは、従来の経営理論で蓄積され、評価されてきた知識・見識にとどまりません。天上界からくる智慧も含んでいるのです。だからこそ、智慧の獲得のために、精舎の研修などを通じて、「反省」「瞑想」「祈り」の実践を重視するわけです。

 

公案研修を受ける

 「反省」「瞑想」「祈り」を日々の習慣にすることと合わせて、定期的に時間を取って、精舎などの研修施設で経営者向けの公案研修を受けることも大切です。

 公案とは、テキストの例題のような短い言葉で、悟りや気づきを得るために参究するものです。実際の経営で直面する悩みには簡単には答えが出ないものがあります。例えば、「人を雇う余裕はないけれど、忙しさが増して仕事が回らなくなった」「ライバルが値引きをしていくなかで、どうやって値引きをせずにお客様を確保するか」といったものです。こうした重い課題は、時間をかけて根本からじっくり考える必要があります。日常業務から離れて、一定の時間を取り、静かな研修施設のなかで沈思黙考するのです。

 研修で示された公案について じっくり考えたり、経営上の課題について深く考えたりすると、ふとした瞬間にインスピレーションというかたちで解決のヒントが与えられたりします。また、研修を受けた仲間や講師のさりげない言葉からヒントをもらえることもあります。

 支部や精舎などの宗教施設に参拝するたけでも、多忙な日常で発生した雑念をふり払い、心の垢を洗い落とす効果があります。正しい経営判断をするためにも、信仰生活を整えることが大事です。

 

目標があると神仏の導きを得やすい

 経営者として反省・瞑想・祈りをする上で大切なのは、目標があることです。よく、「神様や仏様のお導きを得たいから、反省や瞑想、祈りをする」という人がいます。しかし、目標をもっていない人には神仏のお導きは必要ありません。平穏無事に生きるだけであれば、特別なお導きやインスピレーションは要らないはずです。「こういう世の中を創りたい」「だから我が社をこのようにしたい」という願いがあり、そのための努力をしているから導きがあるのです。平和な暮らしが出来ればよいと思っているだけの人が、神仏の導きによって特別の努力もせずに世界一の企業を創れたりはしません。

 禅でいう「啐啄同時」です。単に仏や神に全てをお任せするという姿勢では駄目ですが、この世の人間が努力をしていると、あの世からの救いの手が差し伸べられるのです。

 アンドリュー・カーネギーの依頼を受けて、成功哲学の研究をしたナポレオン・ヒルは、実現したい願望を神に書いて、朝晩大きな声で読めということを言っています。

 なぜ、目標を毎日読むのでしょうか。夢をあきらめてそうになっていないかどうか、自分の心を確認し、挫折しそうになるのを踏みとどまって、明日からまた頑張ろうと決意し直すためです。この確認を毎日繰り返すことで、自分の理想を潜在意識に落とし込み、夢が実現する可能性を高めていくのです。これは、一種の反省・瞑想・祈りであるとも言えます。

 この世で生きるということは、非常に不自由です。寝なければ倒れます。食べなくても倒れます。人から悪く言われれば頭にきます。よほど強い心を持っていないと、すぐに心が波立って、環境や他の人に左右される人生になっていきます。肉体よりも心を重視する「霊主肉従」であるべきなのに、心より肉体を重視する「肉主霊従」になってしまうわけです。

 そこで、定期的に立ち止まって、自分の心のなかを見つめ、神仏の願うような方向で自分は歩んでいるのかどうかを点検する必要があるのです。目標を神に書いて毎日読むというのは、そういう意味があるのです。形式的にやっているだけでは効果はありません。

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