経営における祈り

祈りの力

 祈りに応えがあると感じている経営者は少なくない。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『経営診断』考案(2)講義」2000.6.22』で以下のように説かれました。

「「経営における祈り」とはいったい何であるか。まずは願いの段階です。「あなたは、経営者として、どのような願いを持っているのですか」ということです。

 願いの点検をしてみてください。どんな願いを持っているのか。その願いは、やがて現実になって姿を現すものです。小さな会社ではあっても、経営者というのは、神様とおなじようなものです。その小さな世界においては神様と一緒で、自分が思ったことを実現できるのです。成功も、失敗も、思いのままになるのです。小さな世界ではありますが、その範囲では思いのままであり、全知全能です。

 ですから、願いの種類、願いの内容というのは、とても大事なことです。いかなることを願うか。それが、一年後、二年後、三年後、十年後、現実になるのです。」

 この願いを現実に行う方法が「祈り」である。

 祈りがなぜ現実を動かす力になり得るのか。その仕組みは次の通りです。

「現在の心が未来にも投影されるのが霊界です。強く念波を出して願いを出す人がいると、そのように未来が変化していきます。霊界において、まず変化が起きてきて、それが現実にこの世において起きてくるのです。

 なぜかと言うと、この世で人の手を通じて起こせないような事業というのはないからです。大勢の人が動いて起こせない事業はないので、人が動けばそうなります。人が動くにはどうするか。人の心が まず動くから人が動くのです。未来は、人の心が動くと動いてくるわけです。

 では、どうしたら人の心は動くか。それは霊界の投影です。霊界のほうが動いてくると、この世の人の心も動いてくるのです。なぜならば、霊界には、その人の守護霊もいれば、その人の指導零、支援霊と言われるような人たちもいる。また、その人に縁故のある方もいらっしゃる。そういうことで、力が働いてき始めるのです。

 ですから、霊界が動き始める。そして、この世の人の心に働きかけてくる。この世の人の心が変わってくると、その人たちが動いていって、商売であろうと、事業であろうと、国であろうと、国家の政治のレベルであろうと、何であろうと動いてくるのです。」

「祈りの力は、日頃の信仰生活、敬虔な生活をすればするほど、パワーが増してきます。」

 会社の規模に合った適切な指導零が指導をしてくれるようになります。さらに、会社の規模が変わってくると、指導霊もだんだん変わり、規模相応の指導霊が出てくるようになります。

 祈りの効果は、神仏の気まぐれや偶然で起きるわけではなく、一定の法則のもとに現れてくる。そのため、祈る側も「真剣に求めていること」「心に曇りがないこと」などの条件をクリアする必要がある。正しい霊的知識や日頃の精進の姿勢も必要となる。経営で成功する上で、祈りの影響は大きい。宗教と経営を一致させていく努力が大切です。

 祈りは単なる願望実現や希望実現とは少し意味合いが異なります。謙虚であることと反省をすること、判断を神仏に委ねることを祈る際の基本的な姿勢として求めています。願掛けをして効くかどうかを見定めるといったものでは決してありません。

 幸福の科学では、経営者向けの祈願も多数用意されています。経文には、多くの場合、揺るがない信仰心と自身が果たすべき努力を誓う文言が盛り込まれています。

 例えば、「経営のための祈り」は、「無限の発展・繁栄が許されますように」と願うものですが、その前提として、「願いの純粋さ」や「努力の持続」を誓う内容を含んでいます。

 「私利私欲を満たすための願いは聞き届けられることはない」というのが基本的な考え方なので、「祈りの内容」をチェックする必要があります。

 

祈りに応えがある場合の条件

 当然ながら、祈りの効果は100%望んだかたちで現れるとは限りません。天上界からアドバイスを受けるには、どのような条件があるのでしょうか。

 ここでは、「真剣に求めていること」と「心に曇りがないこと」の2つが条件として挙げられております。

「祈った者には応えが来ますが、祈らない者には応えは来ません。不公平だと思うかもしれませんが、これは事実です。私のように霊的な能力を持つ者にはそれがすぐに分かります。祈れば、天使が現れて、助けようとしますが、祈らなければ天使は来ません。彼らも忙しいのです。「助けが必要であるかは自分で判断してください」と思っていて、祈りがない場合にまでお節介はしません。

 したがって、あの世の天使たちに対して祈れば必ず応えが来ますが、祈らなければ応えは来ません。普段はやってこないような霊人に対しても、その名を呼び、祈ればやってきます。これは現実にあることなのです。

 つまり、ひらめきのなかには、天上界からくるものも当然あるわけです。

 十年前や二十年前にこの世を去った優秀な経営者のなかには、この世の人に「自分の依鉢を譲りたい」「自分は死んだけれども、この世で事業をしている人に自分のノウハウを譲りたい」と思っている人が数多くいます。そういう霊人は、経営についてずっと考えを練り、ひらめきを求めているこの世の人に、霊感のかたちでアドバイスを下ろしてくれるのです。

 霊界の特徴は、この世よりも少し早く先が分かることです。霊界では、時間的に先のことが分かることが多いのです。「求め続けて、自分で発見する」というのも一つではありますが、「求め続けるなかに、霊界からのアドバイスを受ける」ということも当然ありえます。

 霊界からのアドバイスを受ける方法は、まず、その人が真剣に求めていることです。

 それから、心に曇りがないことです、無私の心で無心に求めていること、つまり、「世のため人のために、やらなければいけない仕事なのだ」と思い、無心に求めていれば、応えが来ますが、我欲を出して、「もう少し贅沢をしたい」「個人的に いい恰好をしたい」などという思いがある場合には、天上界からのアドバイスは来ません。そういう場合には、逆に悪魔のほうからのアドバイスが来るかもしれません。

 そういう意味で、企業経営にも宗教的な修行が合体してくるのです。

 この世的には、常に出来る限りの努力を忘れないことが大事ですが、幸福の科学の精舎における研修などの際に、天上界の応援を無心に求めれば、それなりのアドバイスが下りるはずです。

 そのような機会を自分でつくっていくことです。

 幸福の科学は、宗教でありますが、地獄へ行っている人は別として、天上界に還っている、あらゆる経営者のアドバイスを受けられるだけの器を持っています。したがって、必要とあれば、いろいろな霊人が必ずアドバイスをしてくれるはずです。

 あの世にいる経営者でも、菩薩クラスの魂であれば、人助けをしたくてしかたがないのです。地上で倒産しそうな企業があったり、「発展したい」と思っている経営者がいたりすると、「アドバイスをしたい」と思っているのです。そのアドバイスを受けるためには、受け皿が必要なので、幸福の科学では経営者向けの研修などの機会を数多く提供しているわけです。」(『智慧の経営』P-325~329) 

 アイデアを出す秘訣として、考えつくまで考え抜くことです。これが一番大事なことですが、多くの人が出来ないでいるように思います。「考え続けるのはしんどいので、なんとなく諦めてしまう」「ドタバタしていて落ち着いて考える時間を取れない」 そのような人が多いように思います。アイデアを出すことへの精神力が不足しているようです。覚悟が足りないのか、情熱が足りないのか、理由は人それぞれでしょうが、これたけははっきりしています。淡白な人に「確率の神様」は微笑んでくれないのです。

 「アイデアは絶対に見つかる。既に存在するのに、自分が見つけられていないだけだ」 そう思って、とにかく諦めないで必死に考えます。来る日も来る日も、寝ても覚めても考えます。そうやって考え続けていると、不思議な状態になっていくのです。

 そんなときにアイデアは降りてきます。自分でコントロール出来る意識を取り去った状態のときに、アイデアは自分の頭の中から生まれるというよりも、どこか遠い上のほうから降りてくるという感覚です。

 そんな考え続ける日々をつづけていると、寝ている最中にアイデアが降りてくることがある。

 粘りに粘って考えていると、そんな「コロンブスの卵」を生み出すことが出来ることがあるのです。ある問題について、地球上で最も必死に考えている人のところに、アイデアの神様は降りてくるのでしょう。

 要は、どれだけ必死に考え続けることが出来るのかです。

 まさに、「真剣さ」と「心に曇りがない」という二つの条件を満たしていると言えます。

 これは、松下幸之助が繰り返し訴えた「素直な心」に通じるものがあります。

「雨が降れば、ごく自然に傘をさす」という表現を好みましたが、素直な心の効用を次のように説きました。

 「素直な心になれば、物事の実相が見える。それに基づいて、何をなすべきか、何をなさざるべきか ということも分かってくる。なすべき を行い、なすべかざる を行わない真実の勇気もそこから湧いてくる。

 さらには、寛容の心、慈悲の心というものも生まれて、人も物も一切を生かすような経営ができてくる。また、どんな情勢の変化に対しても、柔軟に融通無碍に順応同化し、日に新たな経営も生み出しやすい。

 一言で言えば、素直な心はその人を正しく、強く、聡明にするのである。正しさ、強さ、聡明さの極致は、いわば紙であるともいえよう。だから、人間は神ではないけれども、素直な心が高まってくれば、それだけ神に近づくことが出来るとも考えられる。したがって、何をやっても成功するということになる。経営においても然りである。」

 この松下幸之助の思想は、経営成功学における守護・指導霊の助力を得る条件と矛盾しない内容となっています。

 真剣で心が透明であれば、必要な智慧を授かるわけです。大きな成果を上げた経営者は、体験的にこのことを知悉していたと言えます。

 

自助努力との関係

「天は、自助努力の精神、セルフ・ヘルプの精神を持っている人をこそ、手助けしたいのです。そのような人は、指導者になるべき人であり、多くの人々に幸福を分配し、多くの人々に成功を与えていける人なのです。だからこそ、天はそのような人に手を差し伸べるのだということを忘れないでいただきたいと思います。

 そして、自助努力や創意工夫をしているなかにも、実は他力は臨んでいるのです。努力をすればするほどインスピレーションが湧いてくるようになりますが、インスピレーションには他力的な要素がかなりあるのです。

 新しく企業を起こす人、新しいアイデアを出す人、正しい判断をして会社や役所等をよい方向に導いていく人など、この世で成功する人には、適切なときに よいインスピレーションが下りてきます。そのひらめきは、自分の頭脳で考えたように見えて、本当はそうではないのです。その人に必要なときに、その人に分かるかたちで、霊的なアドバイスが下りているのです。

 ただ、インスピレーションを受けるためには、地上の人間の側に、それを受け止められるだけの力が必要です。例えば、高等数学を専門とする指導霊から霊示が下りても、地上の人が高等数学を勉強していなければ、そのインスピレーションを受け取ることは不可能です。しかし、「数学者になりたい」と思って勉強している人が、考えに考えを重ねていると、あるとき、そのような高級霊からインスピレーションが臨んでくることはありえます。

 したがって、インスピレーションを受け取れるたけの器をつくる努力が必要です。そうした努力を継続していくなかに、よいインスピレーションが下りてくるようになるのです。

 これは経営者の場合でも同じです。「何かよい案はないか。何が最高のやり方なのか」と、毎日、夜も眠れないほどに考え続け、勉強していると、その人の悟りが高まった適切なときに啓示が臨んでくるのです。

 そのインスピレーションを逃さずにつかみ、天上界の高級霊に感謝し、さらにまた、努力、精進を重ねていくことです。この繰り返しが成功を生んでいきます。

 その意味で、私が考える繁栄というものには、「地上の人間の自助努力と天上界の偉大なる他力との一致協力によって、仏国土建設をしていきたい」という願いが込められているのです。」(智慧の経営P-330~332) 

 もちろん、こうしたインスピレーションは、簡単に降りてくるわけではありません。ただの思い付きや魔の囁きであったりしたら、かえって経営を誤ることになります。

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