内部管理は成果につながらない

 成果につながる時間の使い方をする上で注意を要するのは内部管理に時間を割き過ぎていないかということです。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『未来創造のマネジメント』で以下のように説かれました。

「経営と称して、よく事務管理だけをしている人がいるので、これにも気をつけなくてはいけません。

 「毎日、社長が席に座っているため、社員たちは仕方なく報告書ばかりを上げる」ということがあります。社長が読みたがるので、社員たちは報告書を書かなくてはならず、営業に行かないで報告書を書いているようなことも起きます。

 経営者は、「事務管理だけが仕事ではない」ということを知らなくてはいけないのです。事務管理も いちおうは要りますが、そればかりをしていたのでは価値の創造は出来ません。内部を管理するだけ、あるいは書類管理をするたけでは駄目なのです。

 大きな役所や大銀行などでは、階層が何段階もあるため、各段階で書類に判子を押すだけでも大変です。判子が20個も30個も40個も押してあることさえあります。全役員のところを順番に回っているようなのですが、これは そうとうなエネルギーロスでしょう。

 こういうことに気をつける必要があります。「これは、本来要らないものではないのか」ということも考えなくてはいけないのです。」(P-88~89)

 社長の仕事は「事業の経営」であって、会社の内部を管理することではない。

 事業とは お客様をつくりだす活動である。お客様の要求を満たし、お客様をつくりだすことによって、初めて成果が得られるのである。

 会社の内部には、何がどうなっていようと「費用」しかないのである。

 この分かり切ったことが本当の意味で分かっていない社長が多い。分かっているのなら、会社の中になど居るわけがない。社長が会社の中に居り、お客様に関心を持たないから、お客様の要求が変わっていくのも知らず、会社がお客様の要求とは違った方向に走ってしまい、その結果は業務不振に苦しむことになるのである。

メールや会議に無駄がある

 経営者における最も付加価値の高い仕事は「判断」です。何十件、何百件のメールを処理し、ひっきりなしに携帯電話をかけまくり、分刻みで複数の会議をこなしていると、一見「仕事の出来る経営者」に見えますし、達成感が得られる部分もあるのですが、実際には成果を生み出していないことが多いことも知っておく必要があります。(参考『未来創造のマネジメント』P-89~91)

 

成長を続けるには慢心を戒める

 内部管理への傾斜は一種の大企業病である。これは、ある意味で成功の落とし穴でもある。

「成功の連続ほど怖いものはないのです。なぜなら、成功のなかには次の失敗の種があるのですが、成功しているときには それに気づかずに、五年後、十年後に、「あのあたりに既に失敗の種があったのだ」と分かることがあります。」(『幸福の法』P-31~32)

 

お客様あっての商売

 成功しているように見えたときにこそ、締め直しをして、「お客様あっての商売」という原点を見失わないようにすることが大事です。

 商売とは、何かを売って対価を得ることであって、それが創業の出発点であったことを ゆめゆめ忘れないことである。

 ある程度以上に大きくなると、それを忘れて、会社の機構をいじっていれば経営をしている気持ちになってくる。それはとんでもない間違いである。

 大川隆法総裁は、『経営入門』で以下のように説かれました。

「会社を始めるに当たり、会社が成り立っていくために必要なものは何でしょうか。
 会社の創業において必要なものは「経営」ではありません。創業のときに必要なものは「商売」です。商売が成り立つことが大事なのです。
 商売とは、何かを売って対価を得ることです。「何かを売って対価を得る」ということで商売が成り立つわけで、買い手がなければ、そもそも商売は成り立ちません。これが原点です。
 買い手、顧客、需要というものがなければ、商売は成り立たないのです。これが創業の出発点であったことを、ゆめゆめ忘れないでいただきたいのです。商売があって始まった会社なのです。
 ところが、ある程度以上に大きくなると、それを忘れて、会社の機構をいじり始めるようになります。内部の組織をいじっていれば、経営をしている気持ちになってくるのですが、それはとんでもない間違いです。
 まず、「商売ありき」なのです。会社は商売があって始まったものであり、お客様が商品を買ってくれるから、自分たちが食べていけるのです。
 商品が売れて売り上げがあり、その売り上げから経費(費用)を差し引いたところに収益(利益)が出てこそ、商売は成り立ちます。
 売り上げより経費(費用)のほうが大きかったならば、当然、経費(費用)倒れで潰れてしまいます。
 仕入れ、あるいは、その製品をつくるためにかかった人件費や材料費、運搬費など、さまざまな経費(費用)を差し引いたあとに利益が出てこそ、商売が成り立つのであり、利益が出なければ商売は成り立たないのです。それが原点にあることを知ってください。
 まず、人々の需要を満たすもの、人々の欲する商品やサービスがあり、それが経済的価値を生んだからこそ、商売がスタートしたのです。これが原点なのです。」
(178~180ページ)

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