智慧を重視した経営

 智慧を重視した経営とは、以下の8つの要素が経営思想に織り込まれている。

 8つの項目を経営思想に織り込んでいくことで、「心の力」や「念いの力」を活用しつつも、「勝つべくして勝つ」体制をつくっていくのが幸福の科学的な智慧を重視した経営思想です。

 

1 集中戦略

 何であれ、戦いにおいて勝利するためには、集中の法則というものがあって、戦力の集中が非常に大事です。

 これは、総花的、八方美人的な経営は失敗しやすいため、戦力の集中を図って戦うという考え方です。

 特に、中小企業には大切な考え方です。また、大企業でも、不況期や経営不振に陥った時期には必要な考え方となります。

 

2 撤退戦略

 既存の仕事をやめることや不採算部門を切り捨てる判断をすることです。

 通常、集中戦略と併せて行います。不況期に赤字部門を切り捨て、黒字部門や将来の成長分野に経営資源を集中させるケースが一般的です。撤退戦が出来ないと、会社が倒産に追い込まれたり、経営者が自殺に追い込まれたりします。これは宗教としても防ぎたい事態です。

 「8割でも生き延びることは出来ないか」という考え方も大事です。全員が生き延びることを考えて、かえって潰れてしまうこともあるのです。

 智慧を尽くして撤退のための戦略も立てないと、ただただ負け戦に入っていき、自殺という結果になることも多いのです。

 

3 クレーム処理

 客というのは厳しいもので、クレームを言ってくれないものであり、悪い情報はトップのところまで上がりにくいものですが、「クレームは宝の山」と考えて、耳に痛いことを受け止める度量を磨かなくてはなりません。

 なぜなら、それが次の経営資源になります。顧客のニーズを掘り起こすことにより、「どのようにして世の中に認めていただくか」という努力の方向になるからです。

 組織が大企業病に陥ると、クレーム情報が上がらなくなるので要注意です。場合によっては、大きな不祥事につながり、トップの責任問題になります。

 光明思想との関連で言えば、「よきことのみ起きる」という思想を持っていると、悪い情報を忌避して裸の王様になりかねないので要注意です。

 

4 危機管理

 まず、不可抗力と思える事態への対処です。例えば、鳥インフルエンザ狂牛病の流行です。震災などの自然災害の問題もあります。また、競合企業の出現など、自社でコントロール不能な事態は常に起こり得ます。

 さらに、「悪」についても知ることが大事です。世の中には人を騙そうとしたり、罠にはめようとしている人も存在します。

 光明思想的な楽観主義やお人好しの姿勢を持っていると、危機管理も出来なくなってしまいます。

 

5 6 実証精神・合理精神

 絶体絶命のピンチに陥っても、奇跡的に乗り切ることが出来たり、天上界からのインスピレーションで起死回生のアイデアを思いついたりすることはあります。しかし、そういうことは日常的に起きるわけではなく、いつも的確だとは限りません。創業者の場合は、鋭い勘を強みとする人も多いのですが、それだけに頼っていると、経営判断の打率は安定しません。そこで大切になるのが「実証精神」と「合理精神」です。

 例えば、経営判断をするには、情報や知識は貪欲に集めていく必要があります。裏付けが要るわけです。

 経営判断においては、知識がないと なかなか分からない部分があり、知っていれば失敗しないで済むのに、知らなければ素人判断をすることがあるのです。

 ただ、知っていればよいというわけではなく、「成果に結びつく」知識でなければなりません。また、諌言してくれる側近や厳しい意見を言ってくれる外部コンサルタントなどを通して、判断やアイデアを検証する姿勢が必要になります。

 主観だけでなく、客観的な目で物事を見ることも大切になります。これも光明思想の落とし穴です。

 また、ライバルの成功についての研究と失敗した同業者の徹底研究は怠ってはなりません。

 会社が大きくなるのも失敗するのも、合理的な理由が存在するものです。常にそれを探求する姿勢が経営で成功する確率を高めていくことになります。

 

7 顧客のニーズ把握

 創業したばかりの個人企業も大企業も、顧客のニーズ把握が出来なくなると、事業は立ち行かなくなります。そのために、経営者は、常に「メシの種」を探し、需要の発見に努め、需要の創造をしていかなくてはなりません。

 また、「お客様のために」ではなく、「お客様の立場」で発想することも大事です。

 

8 マーケット・セグメンテーション

 顧客のニーズに応えたとしても、大きすぎる市場で戦えば、あっという間に大手の競合企業に攻められます。小さすぎる市場で戦えば、十分な顧客や売上が確保できません。その観点から、「弱者の兵法」「強者の兵法」を押さえ、市場を開拓していくことが求められます。

 市場のシェアを奪おうとしたら、ある程度の標準化、画一化をして、大量につくらないと なかなか難しいのですが、大きなシェアを持っている会社を破る方法は、その標準化から漏れているところを攻撃することなのです。標準のモデルでは満足しない層を狙って攻撃するわけです。これを「セグメンテーション」といいます。マーケットを区分して、その区分してところを攻めていく必要があります。そうすることによって、新しいニーズを発見・創造し、市場をつくり出すことが出来るのです。

経営と真理 へ

「仏法真理」へ戻る