競合の出現に対する備え

 本業に関わるリスクとしては、競合の出現があります。同業他社の脅威というかたちで現れることもあれば、異業種からの参入と言うケースもあります。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『智慧の経営』で以下のように説かれました。

「繁盛していたのに、向かいに大きなスーパーができて店が潰れることもあります。スーパー進出の反対運動を一生懸命にやったとしても、できるものはできるし、こちらが潰れるときには潰れるのです。

 ただ、全国的に見ると、酒屋や米屋など「パパママ・ストア」といわれる個人商店は、ここ数十年 次々と消えています。

 ところが、それで国民全体が不幸になったかと言えば、必ずしもそうではありません。

 スーパーがたくさん進出したために、パパママ・ストアはなくなっていきましたが、そういうところがどうなったかと言うと、ほとんどはコンビニのチェーン店などに切り替わって生き延びています。それを潔しとしないで、「うちは、今の商売をずっと護るのだ」と言ったところは、やはり潰れています。

 プライドの問題もあるかもしれませんが、コンビニ・チェーンなどの傘下に入って生き延びたところもあれば、商売を諦めて転業したところもあり、道はいろいろなのです。

 世の中には、自分の思うようにならないことはたくさんあります。それは仕方がありません。自分としては良いと思っても、周りの状況が許さないこともあります。

 客観的に見て、どうしても必要なものであれば、生き延びていくはずですが、「生き延びられない」ということは厳しい競争にさらされているということなのです。もっとよいサービスを提供したり、もっとよい商品を出したりするところが必ず出てくるわけです。

 それは、生き延びられないところにとっては悲しいことではありますが、他の多くの人々にとっては、有利なこと、便利なことでもあるのです。

 そういう競争に打ち勝てなければ、敗れていくことになります。敗れる者は悲しいけれども、「それによって、社会全体としては進歩しているのだ」と思って諦めることです。どこかの傘下に組み入れられるなり、別の職業に就くなりして、自分の居場所を探さなければいけません。古いままで、いつまでも、今の商売を護ろうとしても、護り切れるものではないのです。

 時代は変わっていきます。時代の流れだけは どうしょうもないところがあるので、そのなかで生き方を決めていかなければなりません。時代の流れを恨んでも仕方がないのです。

 倒産は辛いことです。ただ、それが自分の不見識によるものであるならば、自分に責任があるのは当然です。また、自分が頑固であるために潰れることもあります。」(P-185~188)

 

リスクの分散

 日頃から「リスクの分散」を図っておくことが大事になります。

 例えば、下請け会社などは、親会社にあたるところから安定的に仕事を回してもらえるため、一見経営が安定しているように見えます。しかし、もっと安く仕上げる業者が現れたら、下請けの切り替えが行われるかもしれません。そうなれば、瞬時に経営危機が訪れます。したがって、普段から取引先が1社だけにならないように開拓しておく必要があります。例えば、「売上は一社当たり 三分の一ぐらいで抑えておき、それ以上は取引しない」などのリスク分散をしなければいけないわけです。

 一社だけのお得意様、一つだけの商品で成り立っている会社というのは、実はリスクが高いわけです。

 大川隆法総裁は、「屏風のたとえ」で次のように説明しています。

「屏風は、まっすぐになっていたらバタッと倒れますが、折れ曲がって立っていると倒れません。つまり、屏風であれば、まっすぐになって横に百パーセント伸び切った状態であることは、いちばん経営効率がよい状態を表しているわけです。しかし、この状態の屏風はすぐに倒れてしまいます。

 一方、アコーディオンのように曲がって立っていると、屏風が持っている全ての良さを見せ切れない状態ではあるわけです。全体像が見えないという意味では不十分であるし、不満なところもあるでしょう。お客さんにしても、屏風の全体像を見たいし、主人からしても見せたいところではあります。ただ、いっぱい いっぱい、百パーセント見せてしまった場合は、倒れてしまって役に立たないわけです。

 したがって、非効率に見えるかもしれないけれども、倒れないための「ひだ」の部分というか、そうした「余白」の部分をつくっておくことは、成長していくときに大事な「アイデア」ではあるのです。

 そういう意味では、幾つかの分野に、少しずつでも「新規の開拓」をかけていかなければなりません。

 例えば、銀行でも、一社だけから融資を受けていると危険なことがあるので、何社かから融資を受けるかたちにすることもあります。あるいは、一人のお客だけで持っているような場合であれば、危険なこともあるでしょう。

 そのように、もし部下を持つ身分になり、事業というものを回さなければいけない立場に立ったら、「リスクの分散」や そうした「用心」というものが、智慧として必要になってくるわけです。」(『経営が成功するコツ』P-70~73)

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