確率戦と局地戦

大きな組織は全体のバランスを見て確率戦で戦う

 大局的に何が重要で何が重要でないかを見極めながら、経営資源の使い方を考え、戦局を有利に展開させるのがリーダーの役割です。

 大きな組織を率いる際、意思決定には2つの種類があります。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『未来創造のマネジメント』で以下のように説かれました。

「一つは「確率戦」です。既に何十年と続いている大会社など、いろいろな部門が並び、一斉に押してくるような大きな組織の場合、「長」というのは、全体を見ながら確率戦で戦わなければいけないところがあります。

 「この部門は少し赤字が出ているが、ここは黒字である。ここは収支がトントンである」というように、いろいろな部門をトータルで見た上で、「確率的に どのくらいの勝ちが出るか」を考えながら戦いを進めていかなければいけないのです。トップとして、そういう ものの見方をしなければいけないこともあります。

 小さな企業のように、「ここは赤字だから潰す」などというように、細々としたことをやっていたら経営は出来なくなります。大きな組織では、いろいろなものを広げながら進めていたら経営は出来なくなります。大きな組織では、いろいろなものを広げながら進めていくので、「トータルのバランスを取りながら戦う」という能力が必要なのです。」(P-235~236)

 

新規事業は何重もの手を用意して局地戦を

「もう一つの戦い方は、新しくベンチャー等で始めて、大きくなるところに よくやる手ですが、「何か一つの道で突破口を開き、成功していかなければならない」ということです。

 そのときには、あちこちと総花的に広げてやるわけではありません。それは とてもではないけれども出来ないのです。新しい仕事を始める場合は、何か一種類でしようが、それに絞り込んで突破口を開かなければなりません。

 そして、突破口を開く際、トップは、二重、三重、四重、五重、六重、七重、八重、九重と、何重もの手を考える必要があります。「どうしても ここを突破する必要がある。当社の勝ち筋はここしかない」と見たときというのは、限定された範囲での局地戦でしょうが、その戦いを勝ち抜くために何重もの手を考えなければならないのです。

 かつては、「いろいろな事業部門を何十も何百も持ち、一斉に全身させて、正々堂々の陣で勝ち進める」という時代でしたが、現代の世相からいくと、そういう時代ではなくなりつつあると思います。

 むしろ、広がったウィングを狭め、採算の悪いところからは撤収し、これからの生き筋に集中していかなければいけない時代になったのではないかと感じています。

 そうであるならば、リーダーとしては、「どこで勝負をかけるか」ということの選び方が非常に大事になります。

 「勝負をかけるべきところで力を尽くす、智慧を尽くす」という考え方をとらないと、個人としても会社としても、どこかで能力を超えてしまい、駄目になります。このへんの読み方をよく考えないといけないのです。」(『未来創造のマネジメント』P-236~242)

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