中小企業は高付加価値の商品開発を

会社が潰れるということの意味

 幸福の科学大川隆法総裁は、『経営入門』で以下のように説かれました。

「物の値段が下がっていくトレンドに打ち勝つためには、以前よりも高付加価値のものを生み出す以外に方法はありません。高品質、高性能のものを、従来の製品と同じぐらいの値段で出さなければ勝てないのです。これが今の企業にとっての戦いです。」(『経営入門』P-339)

 ダイエーは、新店舗を出すときは、地価の上昇を見込んで土地を購入し、その土地を担保にして銀行から多額の借金をし、その借金で新しい店舗を出すというビジネスモデルであった。

 しかし、このモデルは破綻すると予測していたのです。

「ダイエーは、商品の値段を下げ、「物価二分の一革命」を掲げていました。

 しかし、私は、土地の値上がりを見込んで借金をするやり方と、「物価二分の一革命」とは通常両立しないので、いずれ破綻するのではないかと見ていました。

 「土地の値上がりによる担保価値の上昇」ということを梃子にして出店し、もう一方で「物価二分の一革命」を掲げて商品の値段を下げ、業容を拡大していくためには、そのどちらかしかありません。

 したがって、このやり方は理論的に破綻するのです。実際にその通りになりました。

 また、ある面では、ダイエーは、もう少し小回りの利く安売りの専門店などに負けたところもあるかもしれません。

 物の値段が下がっていく時に、高付加価値の商品を生み出すことなしに、座して眺めているだけの企業は潰れていくのです。「そうした企業は、同業他社を競争で潰していくか、人口が増えるか、そのどちらかでなければ、基本的には倒産する」と言うことを、理論として知っていなければなりません。」(『経営入門』P-340~341)

 冷戦の終結によって、戦後のインフレトレンドが転換したことが読めなかったために、借金先行型の経営スタイルを転換できなかったわけです。

 なお、「同業者を食う」方法は天国的な考え方ではなく、幸福を生み出す考え方とは言えません。

 

中小企業は高付加価値の商品開発を

 厳しい経営環境にあって、経営者の大多数を占める企業は、どのようにして生き残りをかけていけばよいのでしょうか。

「中小企業が生きていくために考えなければならないことは、「基本的に、安売り競争をしたら大企業に負ける」ということです。「価格を安くしてほしい」というニーズは当然ありますが、安売り競争をしていくと、中小企業は大企業に必ず負けるのです。

 あるいは、大手の下請けになっている場合、そこに買収されることがあります。中小企業が「オンリーさん」と言われるような完全な下請けになり、「もっと値段を下げよ」と言われて、赤字になって苦しくなり、最後は吸収合併されてしまうのです。

 大手企業は、こういう手法で下請けの会社を買収して組み込もうと狙っています。「値下げの嵐」のなかでは、中小企業は必ず潰れていくことが予想されます。

 したがって、「人口が増えない社会において、中小企業が発展・繁栄しつつ生き延びる道は何か」ということを考えると、基本的には、高付加価値の商品、あるいはサービスを開発する以外に道はないのです。」(『経営入門』P-345~347)

 こうした大企業のM&A戦略は、中小企業から見れば無慈悲で強引に見える。当然、違法性があれば否定されるべきだが、多くの場合、大企業も多数の雇用を抱える責任から生き残りに必死になっていることが、その背景にある。「大企業のせいで潰される」という考え方は、一面において事実であっても、被害者意識が大きくなり過ぎると、生き残りのための健全なアイデアが発想できなくなるので注意を要します。

 世の企業の大部分は年商1億円の壁を越えられずにいます。この1億円の壁を突破するカギは、実は「人を育てる」ということなのでする

 一つは高付加価値商品を発明するということです。一見人を育てることとは関係ないように思われますが、人を育てられない原因は、そもそも人を雇う余裕がないからです。なぜ人を雇えないかというと、競争相手が多く、薄利多売をしていることが多いからでしょう。利益がなければ、人に投資する余裕は当然なくなります。

 利益を出すには、値上げをすればよいのですが、競争相手が多い市場では、何か特徴や創意工夫がなければ、値段を上げても顧客はついてきません。

 したがって、差別化に基づいた高付加価値商品を編み出さなくてはならないのです。まったく新しい商品を発明するのは大変ですが、今の商品に付加価値をつけて出す工夫が必要です。

 また、アイデアは出し続けないといけません。真似されやすいものだと、すぐに他社にも追随されることにもなりますから、考え続けなくてはいけないのです。

 これが小さな会社から脱出していくための一つのポイントです。

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