デフレ時代の財務戦略
デフレ時は現金を持っているほうが強い
デフレ時代の経営のあり方は具体的にどうあるべきでしょうか。お金についての考え方は、デフレとインフレとでは逆になるので、整理しておく必要があります。
幸福の科学大川隆法総裁は、『未来創造のマネジメント』で以下のように説かれました。
「インフレになると、物の値段が上がっていくため、お金を持っていても、すぐに値打ちが下がっていきます。そのように お金の値打ちが低くなっていくのがインフレです。
その意味では、借金をしても、それがだんだん軽くなっていくので、「20年ローンで借金をしてでも家を建てたほうが得だ」ということになります。
「将来家を買おうと思って、お金を貯めても、貯めているうちに物価が上がり、土地代も建物費用も値上がりして買えなくなってしまう。だから、借金をしてでも、今 ポンッと買ったほうがよい。20年払いにしておけば、そのうち給料も上がってきて、借金が軽くなり楽に返すことが出来る」ということです。そういう流れが、昭和30年代から50年代あたりまで続いてきたわけです。
そのように、物が値上がりし、お金の値打ちが下がっていくのがインフレです。
デフレは、その逆で、お金の値打ちが高くなり、物の値打ちが低くなっていきます。そのため、デフレの時代は、現金を握っているほうが勝つのです。
物を持っていても、値打ちがどんどん下がっていくので、できるだけ現金を握っていたほうがよいわけです。土地を持つ場合も、事業などで必要な土地ならよいのですが、利益を生まないような土地をたくさん持っていたら、値段がどんどん目減りしていき、損をするだけになります。」(P-109~111)
デフレでは原則借金をしない
デフレ時代の基本的な考え方は、「借金をしない」ことです。既に借金がある場合は、「借金を返す」ことが基本戦略になります。
「もし、今 会社の借入金の金利が4パーセントぐらいであったとすると、いちばんよい資金の運用方法は「借金を返すこと」です。預金を置いていても利息が零コンマ数パーセントしか付かず、その一方で、借金の金利は4パーセントあるわけですから、借金を返すだけで年に3.数パーセントの運用をするのとおなじことになるのです。
したがって、デフレ時代においては、お金が余ったときに借金を返していくのが いちばんよいのです。実際、それ以上の運用方法がなかなかないというのが現状です。」(『未来創造のマネジメント』P-113)