二番手商法の有効性

 リスクのある独創的で先駆的な製品の開発にこだわらないという考え方もあります。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『社長学入門』で以下のように説かれました。

「研究開発はかなり進んでいるけれども、すぐに商品を売り出すのではなく、ある程度マーケットが成熟し、大きくなってから売り出すというやり方もあります。マーケットが大きくならないと開発コストに見合う結果が出ないので、ある程度マーケットが成熟してから売るわけです。

 これは、「二番手商法」という言い方で批判されてはいるのですが、他の企業がある程度マーケットをつくってから、もっと良いもの、もっと使いやすいものを売りだすという方法があります。パナソニックに社名を変更する前の松下電器も、二番手商法とよく言われていました。やはり、よその会社がつくってくれたマーケットに売り込むのは楽なのです。

 自分が先にやると失敗することがありますが、ある程度売れるのがわかっているところに売り出すのであれば、それほど失敗はありませんし、より使いやすいもの、より喜ばれるものに改良し、標準化して売り込めば、大量に得ることも可能になってきます。

 この意味で、研究開発の部分とマーケティングの部分をドッキングさせることで、大規模かつ大量に売りさばくことができるのです。そうすると、利益もかなり大きくなると言えます。これが必要な考え方であって、少ししか売れないものは、それほど広がらないし、利益も出ないのです。」(P-114~115)

 二番手商法はなぜ有効とされるのか。先駆的な製品を開発したり、技術的に優れていたりする企業だからと言って、必ずしもマーケットのトップシェアを取れるとは限らない現実があるからです。

 実際に自動車を発明したのはベンツでありフォードだが、そのあとシェアを制したのはGM(ゼネラル・モーターズ)でありトヨタであった。パーソナルコンピューターを発明したのはゼロックスだが、実際にシェアを取ったのは、その後に参入したIBMやアップルである。

 したがって、業界初、世界初を目指すことも大事だが、企画競争に買ってデファクト・スタンダード(事実上の標準)の確立を目指す戦略もあります。Windows をパソコンのOSの世界標準にすることに成功したマイクロソフトが好例です。

 二番手企業にも十分勝算がある以上、先駆者は競争相手の出現にも気をくばらなくてはなりません。

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