大胆さと繊細さ

「稼げる男には賢い人が多いと思いますが、あまりに賢すぎるのは問題です。
 賢すぎると、ミスを一つもしないようにしようとし始めます。要するに、「百点男」を目指すと、ミスを必ず避けるようになるのです。そして、ミスすることを事前に必ず避ける傾向が出始めると、今度は発展が止まるところがあるのです。
 もちろん、リスクテイキングなところが強く出すぎてもいけません。
やはり、ここ一番のときには、ある程度、リスクを取るだけの「踏ん張り」と「勇気」は要るでしょうし、「大胆さ」も要ると思います。その意味では、少しバカなところがないといけません。賢すぎたら駄目で、少しバカなところが要るのです。
(『稼げる男の見分け方』より)

「「真のプロであるならば、戦え」「プロの企業家であるならば、勇ましく戦いたまえ」「プロの経済人であるならば、どのような困難のなかにあっても、智慧を駆使し、汗を流して、奮闘せよ」と私は言いたいのです。
 軟弱な経営をしている会社や、放漫経営をしている会社が潰れていくのです。社長であるならば、当然、会社を救うべきですが、社長ではなく、たとえ新入社員であろうとも、プロなら、潔く戦いなさい。困難と戦い、それに打ち勝ちなさい。
 不況など、いつでもやってくるものです。小さな不況は、三年に一回、あるいは十年に一回は来ます。大きな不況も、何十年かに一回は来ます。これは、ある意味で予定されていることであり、常日ごろから、どのような苦難・困難が来ようとも乗り切っていけるような努力をすることこそが、プロフェッショナルへの道なのです。

 経営者は、矛盾する性格を持っていなければ駄目です。大胆にやるべきときには大胆にやらなければいけないし、不動心を持ち、「動かざること山のごとし」で、じっと耐える力も要ります。しかし、「機を見るに敏」で、即時対応していく変化の速さも要るのです。
 そうした矛盾した性格を統合することが、「徳」の始まりです。したがって、経営者、経営指導者としては、やはり、大胆にして細心でなければいけません。「大局を見る目」を持ちながら、「ささやかな情報や変化を見逃さない目」「細部の詰めを怠らない目」も持たなければいけないのです。」
(『経営戦略の転換点』)

「多くの人に喜んでもらう仕事をすることが、結局は、事業に成功し、金銭的にも豊かになる道なのです。どのような仕事であれ、事業的にも金銭的にも成功する道は、多くの人に喜んでもらえるような仕事をすることにあるわけです。
 もう一つ、「事業に成功するか失敗するかの分かれ目は、『物事の大小が見えるかどうか』にある」ということも分かりました。つまり、「幹と枝葉の違いが見える」ということが、経営者になれる人となれない人の違いです。
 さらに、「チャンスに強い」という点も重要です。「機を見るに敏」であり、「ここぞ」というときには勝負をかけるが、そうでないときには、リスクを避け、護りをしっかりと固めることができる。しかし、チャンスと見たら、勝負をかけていく。だいたい、こういう人が経営者や事業家になっていくタイプです。要するに、「大胆さ」と「細心さ」の両方を持っていなければ成功しないのです。」
(『ストロング・マインド』)
「手堅さがない組織は、いずれ滅びます。しかし、手堅いだけの仕事であれば、発展はしません。やはり、手堅い部分と大胆な部分の両方を考えなくてはいけないのです。大胆に勝負をかけていくときも、一発で全部が雲散霧消してしまうような勝負は、すべきではありません。勝負をかけていくときには、効果は大きく狙わなくてはいけませんが、それによって屋台骨が全部倒れるおそれのあることは避け、生き残れる部分をしっかりと確保しておかなくてはならないのです。
 当会のなかには手堅さと大胆さの両方が流れています。したがって、幸福の科学的経営というものを身につけた人は、おそらく、手堅く、かつ大胆なやり方ができるだろうと思います。これが、堅実にやりながら発展していくための方法です。」
(『社長学入門』)

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