医学が見落とす「病気をつくる人間の心の力」

 医学の進歩で病気が治るようになった一方で、見落とされるようになってきたのが、「人間の本質とは何か」である。

 人間は、単なる細胞の集合体ではない。この宇宙を創造した神によって創られ、その本質において神仏と同じエネルギーを宿す存在である。

 そうした霊的存在が地上の肉体に宿り、死後、あの世に還る。肉体を霊的に見ると、体と同じ形の「霊体」が入っているが、これは魂の外側の部分にあたる。そして、中核には「心」があり、その心に「創造性」が与えられている。

 しかし、この心の自由が破壊性として働き、不調和な方向に傾いた場合、霊体に異変が起き、肉体に病気となって現れる。「心の力が肉体を間違った方向につくり変えた」結果、病気になってしまうのです。逆に、反省を通して自らの心を正し、常に天上界と同通するような心境を保てば、免疫力が高まり、病気は自然と治っていく。

 幸福の科学では、神仏への純粋な信仰の下、本人の心が変わって奇跡的な回復を遂げた事例が数多く報告されています。

 では、医学に意味はないのかというと、そういうわけではない。大切なのは、「医学と宗教の協調」です。歴史を振り返っても、僧侶など宗教家が医術を教えていた例は多く、信仰を理解する医師であれば、「心の力」を使ってより多くの病気が治せるようになる。

 宇宙の理法を謙虚に学び、この世の法則も適宜活用しながら「霊肉の調和」を目指す。これが医学のあるべき姿です。コロナという危機は、日本人が「医学は万能の学問ではない」ということを悟るチャンスでもある。

参考

なぜコロナに罹り、なぜコロナが治るのか

 ウィルス感染の仕組みは、霊的に見れば「憑依の原理」とほとんど同じです。罹りやすい人の心の特徴として「恐怖心」があげられる。恐怖は、地獄をつくっている心の諸相の中でも主要な要素の一つであり、ウィルスは人間に憑依する時、心の恐怖を取っ掛かりにすることがある。

「信仰の実践」が免疫力を上げる

 基本的には、「後光が出ている状態」を維持できればウィルスに憑依されない。これは、宗教修行として経文読誦や「反省」「瞑想」「祈り」を日々実践する中で生まれてくる心境である。そして、最終的には、「神仏を信じる力」が免疫力になり、自らを護るのです。

あなたの心が病を治す

 病気やウィルスを寄せ付けない前提として、健康を維持する習慣が大切です。規則正しい生活、食事の節制、十分な睡眠、適度な運動など、まずは自助努力で体の免疫力を上げましょう。

 その上で、善念で心を満たして後光が出てくるような状態を目指します。反省や感謝が大事だと「頭で理解する」のではなく、「素直に実践する」ことです。

 どのような心だと病気やウィルスを寄せ付けないのでしょうか。予防という意味でも非常に大切なのが、「恐怖心を抱かない」ということです。「隣の人が風邪をひいていた」と言って本人が「うつるかもしれない」と強く恐れている場合、本当は免疫力で打ち克てる状態であって罹ってしまいます。そして、「他人も自分も責めない」ということも大事です。

 

ヒポクラテスが示した神と共にある医学

 医学の源流に遡れば、神仏への信仰心が出発点となって成立してきたことが分かる。

 科学に基づく医学の基礎を作ったことで「医学の祖」と呼ばれ、「医聖」とも称されるのは、古代ギリシャのヒポクラテスである。その胸像は全国の医師会や医学部に設置され、彼の定めた「ヒポクラテスの誓い」は、医学部の卒業時あるいは医療機関に所属する際、時に暗唱を求められることすらある。

 その「ヒポクラテスの誓い」の冒頭は、医神(アスクレピオス)への誓約と「神々に見られても恥ずかしくない医療行為に全力を尽くす」ことを誓うところから始まる。

 

医学の基礎には神への理解が必須

 ルネッサンス期にフランスで最も影響力のあった医学者フェルネルによれば、ヒポクラテスの著書『肉について』には、現代で翻訳されているものと異なり、以下のヒポクラテスの見解が明確に述べられていた。

 「地上に生まれてくる人間は天上界に起源を持ち、人間の霊魂は天上界から来る」

 これが現代では別の表現(訳)に置き換えられてしまっている。

 医学の中興の祖と呼ばれたローマ時代のガレノスによれば、「医学の基礎には哲学(神への理解)が必須である」というヒポクラテス以来の考えは、西洋医学の中心軸だったという。

 その後、継者たちがさらに医学を発展させ、17世紀には「霊肉の不調和によって疾病が生まれるので、傑出した医薬の力によってそれを純化しなければならない」という考え方が生まれた(参考:ジョセフ・デュシエーヌ著『ヘルメス医学の真実のために』)。

 医学が神と袂を分かったのは、わずかこの200年ほどである。人類の長い歴史の中では、医学はずっと神と共に在った。人類も、そして医療関係者も もっと謙虚であらねばならない。

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