アメーバ経営
今、小さな組織が見直されている。
パナソニックは、本社部門の約7千人を大幅に減らした新本社体制を2012年10月1日に敷いた。「内向きの仕事」(津賀社長)が増えた反省から、機能を絞り込んだ「小さな本社」を実現し、意思決定のスピードを速める。お客さま向けの価値の提供を最優先とし、本社機能の無駄を徹底的に省くとした。
これは、昭和34年に稲盛和夫(現京セラ名誉会長)が実践した京セラ独自の経営管理手法「アメーバ経営」に共通するものがある。
大きな発展を遂げた京セラ(グループ)は、「心の経営」を貫く稲盛経営哲学に基づいたアメーバ経営の、企業内小集団による部門別採算制度の徹底により支えられてきました。
「複雑である会社組織を どのように切り分けていくのかという問題である。組織の分け方というのは、事業の実態をよく把握し、その実態に沿ったものでなければならない。そのために、三つの条件があると考えている。
第一の条件は、切り分けるアメーバが独立採算組織として成り立つために、「明確な収入が存在し、かつその収入を得るために要した費用を算出できること」である。
第二の条件は、「最小単位の組織であるアメーバが、ビジネスとして完結する単位となること」である。
第三の条件は、「会社全体の目的、方針を遂行できるように分割すること」である。
この三つの条件を満たしたときに、はじめてひとつのアメーバを独立させることができる。
「アメーバ組織をどのようにつくっていくのかということは、アメーバ経営の始まりであり、終わりである」といっても過言ではない。
アメーバの組織づくりは、アメーバ経営の要諦である。」
アメーバ経営の目的
アメーバ経営の目的は小さな会社化です。
第一の目的
市場に直結した部門別採算制度の確立。
会社経営の原理原則は、売上を最大にして、経費を最小にしていくことである。
この原則を全社にわたって実践していくため、組織を小さなユニット(6~7名)に分けて、市場の動きに即座に対応できるような部門別採算管理をおこなう。
第二の目的
経営者意識を持つ人材の育成。
組織を必要に応じて小さなユニットに分割し、中小企業の連合体として会社を再構成する。
そのユニットの経営を、アメーバリーダーに任せることによって、経営者意識を持った人材を育成していく。
第三の目的
全員参加経営の実現。
全従業員が、会社の発展のために力を合わせて経営に参加し、生きがいや達成感を持って働くことができる「全員参加経営」を実現する。
この小集団の適正人員が6~7名については、効果的な会議開催の適正人員と同じである。
アメーバ経営は「チームカンパニー制」とも言われ、少数、独立採算チーム性で生産性を向上させる。
チームのリーダーは、「社長」として、他チームの社長達と業績を競わせる。単に与えられた仕事をこなすという意識から、いろいろな業務ができ仕事のが面白さ、責任感、やりがいがも増す。
時代に即したやり方に変えていく勇気が必要です。
全員参加型経営の実現には、トップが社員にビジョンや問題点を問いかける仕組みを作り、社内の議論を盛り上げて、変革を実践することが肝要です。