組織均衡論

 組織均衡論は、C.I.バーナードによって提唱された組織論の一つで、組織が存続していくためには、「誘引」と「貢献」の2つの要素のバランスが重要であると唱えています。組織は、株主、経営者、従業員などの参加者が不可欠であり、それら参加者から労働や資本など、組織目標の達成に不可欠となる「貢献」を得続ける必要があります。一方、参加者を集うためには、配当や賃金など活動の動機となる「誘引」を行わなければなりません。「貢献」が上回ると参加者の離脱が生じ、組織の存続が危ぶまれることから、組織は常に「誘引」が上回るバランスを保たなければならないとしています。

 

組織均衡の中心的命題

 組織均衡には5つの中心的命題が定義されています。

命題1
 組織は、組織の参加者と呼ばれる多くの人々の相互に関連した社会的行動の体系である。
命題2
 参加者それぞれ、および参加者の集団それぞれは、組織から誘因を受け、その見返りとして組織に対して貢献を行う。
命題3
 それぞれの参加者は、組織から彼(彼女)に提供される誘因が、彼が組織から行うことを要求している貢献と等しいか、あるいはより大である場合にだけ、組織への参加を続ける。
命題4
 参加者のさまざまな集団によって供与される貢献が、組織が参加者に提供する誘因を作り出す源泉である。
命題5
 貢献が十分にあって、その貢献を引き出すのに足りるほどの量の誘因を供与している場合においてのみ、組織は支払い能力があり、生存し続ける。

経営と真理 へ

「仏法真理」へ戻る