リレーションシップ・マーケティング

 関係性マーケティング(リレーションシップ・マーケティング)とは、顧客との良好な関係性を維持、向上させ、一度お客様になってもらえた顧客を生涯にわたってサポートする仕組みです。そのためには、すべての顧客に対応することは不可能であり、それならば、ある特定の顧客の深いニーズに応えていくことが、顧客主導による顧客シェア優先のマーケティング戦略となります。そのために有効なのが「リレーションシップ・マーケティング」です。

 1980年代にアメリカのマーケティング学者レナード・ベリーによって提唱され、1990年代に発展しています。

 新しい顧客の獲得や一回の売上よりも、一人の顧客と継続的・長期的な関係を築くことで、関係が継続している間に得られる利益の合計=顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)の最大化を目指すのが特徴です。

 

関係性マーケティング発展の背景

 この関係性マーケティングは なぜ発展してきたのでしょうか。その背景として以下のようなものがあげられます。

(1)市場の成熟化

 市場の成熟化による競争激化により、新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持に比べ5倍かかるとも言われています。そのため、既存顧客の維持を重視していくことの方が効率的であると考えられました。

(2)優良顧客に対する差別化の認識向上

 「パレートの法則」(20%の顧客で80%の売上高を構成している)などから、一部の優良顧客が企業の利益の大部分に貢献していることが明確に認識されるようになり、企業にとって優良顧客との関係維持が大きな課題となりました。

(3)製品ライフサイクルの短縮化

 製品ライフサイクルの短縮化により、これまで以上に商品やブランドスイッチがおこりやすくなっています。そのため、自社ユーザーのロイヤルティーを高めるための施策が求められました。

(4)サービスの拡大

 商品に付随するメンテナンスサービスやサービスそのものが商品の場合は、顧客との友好な関係がそのサービスの品質に大きな影響を与えるようになりました。

 ビジネスは長期戦であり、長い年月に渡り、戦う状態を維持しなければならなりません。そのためにも、顧客との良好な関係性を維持することで、急速な状況の悪化を防ぐことができるのです。

 リレーションシップである『顧客との接点の強化』は、営業力の強化、CS、クレームの予防対策として大きな効果を発揮します。

 

3つのマーケティング手法 

1 データベースマーケティン

 小売業などにみられる購買情報を元に、顧客一人ひとりをデータベース化(ポスシステム)し、そのデータを分析したうえで、ある仮説を立て、その仮説に基づいて販売促進を実施したり、顧客維持のプログラムを実行する方法。

2 ワンツゥーワン(One to One)マーケティン

 ホームページ、メルマガ、ポイントカードなどのサービスを活用して、それらをカスタマイズすることで、多くの顧客をそれぞれ個として捉え、一人ひとりの満足度を高めていく方法。

3 サービス・マーケティング

 ある期間サービスを実施し、ファンとなった顧客に対して、さらに深い関係性を築くため、

 

リレーションづくりのツール

 顧客とのリレーションづくりとして、3つのマーケティング手法の中で、以下のようなツールが活用されています。

1 テレマーケティングによるサポート

 商品購入後のアフターフォローやメンテナンスフォローなどに電話を活用することで、顧客とのダイレクトな結び付きを強くし、安心感と同時に信頼感も醸成されやすい。
 
2 DM、FAXDMによる告知、サポート

 一度購入した顧客に定期的に新製品案内やフォロー活動をDMを通じて実施する方法。

3 ネット活用による告知、サポート

 多くのネットショップなどやリアル店舗で実施している方法で、顧客になっていただいた方にメールを定期的に配信したり、タイムリーな情報を提供することで、顧客満足度を意識的に高めていく方法。

4 ワン・トウ・ワン マーケティングによる関係づくり

 ネットなどを活用し、顧客に合ったサービスをカスタマイズして提供することで、少しずつ信頼関係をつくっていく方法。

5 営業などからの直接的なサポート

 B to B(Business to business)の企業などは、対象となる範囲が狭いため、直接営業活動の強化やサポート部隊をつくり、特別な企業、特別な顧客として、顧客満足度を高めていく方法をとる。

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