営業活動の目的は問題解決支援活動

 

 社会構造や経済情勢、また、テクノロジーやライフスタイルといった私たちを取り巻く環境の変化は、過去とは異なる考え方、価値観を生み出しています。

これらに伴い、あなたの扱う商品・専門サービスに関しても、お客様の意識や行動も大きく様変わりしているのです。

 お客様のニーズは多様化し、これまでとは違って、購入に際しても、どんな商品・専門サービスを、どこから購入すべきかを、過去の取引き実績に関わりなく、お客様が自分の判断で決しようとしてきています。
 あなたが提供しようとする商品やサービスも多様化し、お客様の選別の余地はますます拡大されてきました。 

 一方、商品・専門サービスを提供する販売チャネルの多様化は、ますます競争激化、買い手市場を作り出し、真の顧客満足を提供した企業だけがお客様から選別される時代をもたらしました。

 このような、いわゆる顧客主導マーケットにおけるあなたの目指す方向は、ただ一つ、顧客満足(CS)の実行、すなわち、お客様への満足の提供(顧客サービス)に集中することです。

 お客様とは、あなたにお金を払う人、すなわち、顧客とその見込み客です。

情報をもつものが力を持つ
 今や、最終消費者であろうと、企業であろうと、買い手に主導権が移行した。供給者であるメーカーは売り手であることをやめ、消費者のために買い手にならなければならなくなったということである。これはすでに起こっていることである。  (P.F.ドラッカー)

 

ソリューション(問題解決提案型)営業

 相手のニーズ・課題を想定し、提案していく営業スタイルをいいます。

 お客様が何を求めているのか、お客様のニーズ(問題、課題)を正しく把握してそれに対する解決策を与える提案型活動がソリューション活動であり、提案型営業なのです。

 そして、それこそが、あなたの行う活動(営業)に他なりません。 

 ここで求められているのは、セールスマンではなく、あなたの扱う商品・専門サービスをキーとした暮らし(家計、健康)や企業が抱える問題解決の支援のできる営業マンなのです。
 セールスマンは、あらかじめ鞄に詰めておいた自分の商品・専門サービスを売るために歩き回ります。

 セールスマンにとっては、まず商品ありきなのです。

 彼らは毎日商品に適合する人を探して回りますが、これは相当エネルギーを費やす作業です。

 これに対して、問題の解決支援を核とした営業マン(コンサルタント)の動きはどのようなものでしょうか?

 

 

 彼らは悩める人をさがしますから、見込み客はいくらでも存在します。なぜならば、誰でも、

そして、どの企業も、何かしら必ず解決すべき問題を抱えているからです。

 コンサルタントにとっての見込み客は、潜在、顕在を問わず、ニーズ(問題、悩み、不安、リスク)といったものを抱えているすべての人々や企業です。

 そして、コンサルタントは、お客様の抱えている問題・課題(ニーズ)の解決策について助言や提案をしていきます。

 「問題解決支援活動」はすべての業界に当てはまるのではないでしょうか。

 あなたが扱う商品・サービスが、お客様の生活や事業で抱える悩みや問題にどのように役立つのか。

 商品・サービス自体を前面に売るのではなく、あなたの扱う商品・サービスが手段としてどのように役立ち、導入後どのような変化・改善が可能になるのかです。

 お客様は商品・サービスそのものを求めているわけではありません。

 お客様が求めているのは、「願望を満たすため」「問題を解決するため」の手段として、あなたの商品・サービスを購入していることを知ることです。
 少子高齢化に伴う経済環境の悪化、マーケットの縮小などにより、経営環境は厳しさを増すばかりです。

 同業他社との差別化だからといって、商品・サービスの優位性(特徴)を強調することで、結果として価格競争に陥りかねません。

 

お客様にとっての利益

 このような環境下で、あなたが競合他社との差別化を図り勝ち残っていくには、お客様目線である『お客様にとっての利益(メリット)』を提案していくことに他なりません。

 「問題解決業」にとっての営業は、コンサルティング営業です。お客様の抱える悩み、問題解決のお手伝いをすると考えればよいでしょう。

 人々や企業のニーズとはどういったことでしょうか。対象が個人であれば介護、年金、医療、教育に関わる問題ですし、事業所であれば売上げ(利益)、資金繰り、人事労務に関わる問題です。このプロによる問題解決のための活動がコンサルタント活動、コンサルティング営業なのです。 
 大事なことは、はじめにマーケット・お客様ありき、そしてニーズ(問題、悩み)ありきということです。

 コンサルタントは、それらのお客様の問題・悩みを解決するため、自分の持っているすべての商品、ノウハウ、サービス等を駆使して、最小のコストで、最大かつ最適なプランをお客様に提供していきます。
 このようなコンサルティングセールスに必要な要件や能力とはどのようなものでしょうか?

 あなたが扱う商品・専門サービスに関する自社他社を含めた業務的知識や、周辺知識、マーケットやお客様に関する情報はもちろんですが、それ以外にも、お客様との接点においては、少なくとも以下のことが実行できなくてはなりません。

 1.お客様のニーズを的確に把握し分析する能力

 2.ニーズを満たす最小コストかつ最適な商品・専門サービスの選択とその企画力

 3.それをお客様にわかりやすく案内する能力

 4.契約の締結とその後のお客様の変化、問題に対応する能力

 5.万一の場合の迅速な対応、支援

などです。

 これらが欠けることで、顧客に不満が生まれ、苦情へと発展していくのです。

 私たちは、日頃からお客様に接するとき、常にこれらのことを念頭に置いて活動をしていかなければならないことは言うまでもありません。

 

営業活動

 これまでの営業活動は、セールスに重点を置き、お客様を単なる売込み先と捉えてきました。しかし、社会構造や経済情勢、ITの進化やライフスタイル等の変化により、お客様のニーズも多様化し、より高度なサービスの提供が求められています。

 扱うものを単に売るだけでなく、「扱うものを通じて得られる お客様の問題解決の効用を売る」ことができる企業(営業マン)が求められています。
 あなたの扱う商品・専門サービスの役割は、手段としてのツールであり、お客様の課題を解決することが目的となります。

 問題解決の提案活動そのものがコンサルティング活動の中心であり、お客様の満足度は、その適、不適によって大きく変わってきます。

 100人の既存顧客には100種類のニーズが存在します。

 100人の見込み客も100のニーズを持っています。

 そして、それぞれのお客様には、あなたが提供すべき最適な解決方法があるはずです。

 こう考えていけば、既存客からも新規の見込み先からも、マーケットの見方を変えることで、無限のマーケットが創造されてきます。
 お客様が求めているのは、自分の抱えている不安、問題、課題、リスク・・・の解決のための良き相談相手、プロとして自分のニーズを充足してくれるコンサルタントなのです。 

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