商談を成功に導くロールプレイング
商談技術アップに欠かせないロールプレイング
お客さまとの接点である商談スキルの向上は、セールス活動の中でも重要な取り組み要素の1つです。
お客さまにいかに満足していただき、最終的に自社の業績につなげるか。
商談の基本を組み立てる
ロールプレイングは、新人からベテランまでさまざまな目的で取り組めるセールストレーニングです。
特に入社したばかりの新人セールスパーソンにとっては、自分の経験値不足を補うことができる手段となります。
また、相手役となる先輩や上司も、今まで当たり前であったことを新人セールスに指導することで、新たな気づきを発見できるでしょう。
ロールプレイングには、セールスマナーに始まり、ヒアリングや説明方法などのトーク内容、ツールの使い方から次回アポイントの取り方まで、さまざまな商談の基本が凝縮されているため、それらを学ぶ絶好の機会でもあります。
押さえておきたい5つのポイント
(1)事前準備
「段取り八分」の言葉通り、商談は「いかに事前準備をしたか」で勝負が決まると言って良いでしょう。
事前準備の出来、不出来が商談を左右します。
ロールプレイングの際に確認すべき準備事項は何か。次に挙げる3点をチェックしてみてください。
①自社の紹介
まず、自社がどのような会社で どのようにお客さまの役に立てるのか。これを実際にさせてみると、意外にできないセールスが多いのです。
特に、30秒や1分といった短時間で分かりやすく説明できなければ、本番では役に立ちません。また、カタログの記載内容を立て板に水のごとく説明しても、相手に印象は与えられない。
ポイントは、「自分の言いたいこと」ではなく、「相手が聞きたいこと」を伝える点にあります。その後の商談が相手にとって意味があり、メリットを感じさせなければならないのです。
②相手を知る
事前に相手の情報を入手すること。
法人・個人どちらも、アポイント時の聞き出しや、約束の時間前に到着して、商談に使えそうな話題を収集するのは、相手に関心を持っていることをアピールするためにも極めて有効です。
③仮説を立てる
これから会うお客さまは どのような問題を抱え、どのような取り組みを行っているか? 事前に聞き出せなくても、過去の経験からある程度は予測できます。
予測される問題の解決策を2、3通り準備しておくと、余裕を持って商談に臨め、商談スピード・生産性を上げることもできる。
(2)態度能力を磨く
セールスパーソンが身に付けるべき態度能力として、「表情」「身だしなみ」「基本動作・ジェスチャー」「言葉遣い」「熱意・迫力」の5つを重視しています。
特に、相手に与える第一印象を左右する「あいさつ」「おじぎ」「名刺交換」は、基本を押さえて何度も反復練習すれば、相手を感動させるレベルに達することが可能となります。
新人若手セールスパーソンに身に付けさせたい武器です。
(3)話法を身に付ける
あいさつからアプローチ段階の「聞き出し」話法、プレゼンテーション段階の「説明」話法から 断り文句に応対する「応酬話法」、クロージング段階で相手の本気度や解消すべきネックを顕在化させる「締結」話法など、一連のパターンの引き出しを持たなければならない。
マニュアルを完備している会社もありますが、どんどん使い、修正しながら、いかに早く身に付けて自分に合ったトークスタイルを確立させるかが、セールスパーソン自身の成長を決めるのです。
(4)ツールの活用方法を共有化する
あなたの会社にも、会社案内に始まり、商品説明用のカタログやサンプル・見本、または雑誌や新聞などで自社や商品・サービスを紹介した記事、購入・利用いただいたお客さまの声を載せた活用事例集など、さまざまな説明用のツールがあるでしょう。このツールを活用するタイミングや見せ方、独特の言い回しなどは先輩や上司の手本を見せる絶好の機会です。出し惜しみせずに成功事例を共有化しましょう。
(5)次回につなげる
ロールプレイングの締めくくりには、必ず今回の商談の目的が達成できたかどうかの検証が必要です。
成約に至らなくても、次に提案する宿題を持ち帰る。締めくくった後は、商談全体の良し悪しの評価を参加者全員で確認する習慣を身に付けることです。
「教えることは学ぶこと」である。