既存客への定期訪問

販売促進活動は売り込みか?

 新規、新規と営業マンを煽ると、どうしても既存客へのアプローチはお留守になります。それは、営業マンが悪いのではなく、そういう方針を打ち出した社長自身が悪いのです。

 こんなことをやってるから、せっかく自社と接点のある既存客の半分も失ってしまうのです。

 自社にとって、既存客は何物にも換えがたい大事な財産であり、既存客との人間関係なしでは、本当の意味の販売(気づいていない新しいニーズの提案)はありません。それを確保するのが販売活動であり、訪問活動の目的なのです。

訪問の目的は既存客確保であり売り込みではない

 訪問というよりは「巡回」といったほうが正確かもしれません。つまり、既存客のパトロールです。

 警官のパトロールの目的は、泥棒を捕まえることではなく、犯罪の防止にあにあります。同様に既存客の巡回は、モノの売り込みではなく、既存客を他社に奪われないように確保することなのです。

 

売上ノルマではなく定期訪問をノルマづける

 その巡回は「定期訪問」。 毎月1回なら1回と決めて、その方針を着実に継続実行するのです。売上をノルマづけてはダメ。定期訪問をノルマづけるのです。

 売上、売上と焦らず、既存客訪問、既存客訪問と煩ってみて下さい。

 不定期訪問の方針はやめましょう。

 訪問をするにはするが、できる時、できる日を選んでやればいいという曖昧なのは、結局は「既存客を巡回しなくてもよい」という指示を出したに等しいのです。この考え方を誰よりもまず社長自身が持たなくてはなりません。

 社長が表敬訪問で率先垂範。そして、営業マンはもとより、幹部に対しても既存客訪問と巡回を厳しく指導しなければなりません。

 社長の表敬訪問は効果があります。これは効きます。それ自体が販売活動の差別化要因です。訪問を受けた側は、「社長がわざわざ来て下さった」と感激、強烈な印象を持つこと疑いなしです。これは裏を返せば、それだけ世間の社長はお客のところへ行っていないという証明でもあります。だからこそ、相手を感激させるのです。

 また、歩合制は廃止するべきです。歩合制を採用していると、既存客の定期訪問は笛吹けど踊らず、不可能になってしまいます。歩合制での 自分の収入だけに関心が集中して、新規、新規ということになって元の木阿弥です。

 

提案(有益情報)を土産に持つ

 定期訪問をするのに、手ブラでは芸がありません。「とにかく社命ですので、いわれた通り来ました」では会話になりません。新商品を紹介するのではなく、自分なりに考えて提案書にまとめて、それを検証してもらうのです。

 提案検証提案検証

 この繰り返しが定期訪問です。

 お客は、その提案を見て、ここが気にいった、ここは不満だ、こっちはこうしたい、あっちはこうするというように意見を言います。

 その意見や不満を持ち帰って修正し、再び訪問して再提案する。

 これを繰り返せば、そこに会話のキャッチボールが成立して、良好な人間関係が生まれる。

そうなると、定期訪問される側もする側も、提案を煮詰めていくことが楽しみになります。

 これはモノの売り込みではありません。

 お客と会社が一緒になって、一つのニーズを突き詰めていく協同作業です。

 この協同作業が自社の信頼を生むのです。

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