ルートセールスによる新規顧客開拓

ターゲットの選定

 中小企業で多いのが、新規開拓の流れを営業マン個人に任せているケースです。

 成果を上げるには、基本に立ち返ったセールス活動の見直しが必要です。

 まず大切なのは、ターゲットの選定です。

 どこを狙うのかをセールスマンに任せることはかなり危険です。何故なら、どうしても自分の訪問しやすそうなところを選びがちになるからです。これでは、成果が上がったとしても、メリットのない顧客が増えてしまいます。

 どのようにターゲットの選定をするのかというと、
①地域を決める
②地域内でリストを作る(名簿・電話・目で見る他)
③リストを評価する
④ターゲット一覧を作成する

という手順になります。

 ③の「リストを評価する」が大変重要なポイントとなります。

 これには、

 ・ターゲットの売上高(取引開始後に我が社の商品サービスの利用度が高い)
 ・ステータス
 ・紹介がもらえる

等が考えられるでしょう。

 「自社に対する認知度」という基準を取ります。

 これは、自社のことをよく知っている可能性を指します。

 例えば、強力な推薦者がいる時などは最も高い評価となります。

 優先順位は

 ①最重要

 ②重要1

 ③重要2

 ④見送り

となります。

 このように、リストの評価を行い、優先順位に従って、「ターゲット一覧表」を個人別に作成します。これで訪問する順番が決まりました。

 

仮説を立てて問題解決を提案

 

 しかし、闇雲に訪問すればよいというものではありません。

 まずは準備が必要です。準備とは、これから訪問するターゲットのことを「十分に知る」ことです。

 手元にある情報やデータベースなどを活用し、顧客カードを作ってみると、不足していることが沢山あることに気付くでしょう。

 不足部分を調べ、仮説を立てます。

 この仮説を立てることが重要で、ターゲットの企業が属する業界特有の問題は何か、ターゲット固有の悩みは何か、などを考えます。

 例えば、メーカーなら、○の品質の不安定さに悩んでいるのか、人材確保なのか、レストランなら客単価の低迷なのか、客数の減少なのか、というようなことです。

 これらの問題解決に結びつく提案をすることが商談を成功に導きます。

 そして、いよいよ訪問開始です。

 第一の目的は仮説の検証です。もちろん準備段階で、ターゲットの問題点が特定できているならば、即座に提案をすればよいでしょう。

 間違っていれば修正、あるいは仮説の再構築をする必要があります。

 問題点がみつかれば、次は、じっくり考えて提案・テスト・見積もり・交渉・受注・納品・アフターフォローという順になります。

 もちろん、訪問過程でターゲットにならないことがわかる場合もあるでしょう。

 さらに、ターゲットの一つひとつが今どのような状況になっているのか、瞬時に把握できるようにしておくことが新規開拓の成功率を高めます。   

 この管理フォーマット一枚で、マネージャーは部下の行動が把握でき、商談成立に向けてのアドバイスを的確に行うことができます。

 また、どの段階でボツになることが多いのかを知ることで、セールスマンの中期的な教育課題を発見することもできます。

 成熟化した今日の市場で、営業実績を上げていくために効率のよい新規顧客開拓活動を実施してみましょう。

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