営業マンの役割

 多くの営業マンが扱い商品を売ることばかりに専念した熱意と根性のセールスに邁進している。

 営業マンの方ならお分かりかと思うが、通常の営業活動をしながら、1日十数件の飛び込み営業はかなりキツイものがある。

 1回1時間の商談にたどり着くまでに2時間半の努力が隠されている。

 2時間半という時間は、8時間の労働時間のほぼ1/3にあたる。
 体力的にも時間的にもハードな仕事量であり、何より飛び込み営業で断られ続けるわけだから、精神的にもへこんでしまう。

 営業マンにとって一番の悩みの種はココである。

 「見込み客を探すことが最も難しく、時間がかかる」

 もし、この部分が解決できたら、仕事の能率が飛躍的に上がるのではないだろうか?

 

営業マンの役割

 集客から顧客の維持・管理までを営業マン個々に任せることは至難の業といえる。

 本来、集客は会社が行い、集客した見込み客に対してセールスを行うのが営業マンの役割である。

 しかし、営業活動のすべてをマンパワー(営業マン個人)に任せている企業が大多数を占めている。
 結果しか求めない営業管理をしていると、社員のモチベーションは下がり、組織は、戦略、事業の仕組みづくりを重視せず、社員に犠牲を強いるばかりの場当たりな営業となってしまうそして、精神論がまかり通り、人材は育たず、労多くして益の少ない無意味な飛び込みと人海戦術を奨励する営業スタイルが横行してしまう。
 つくれば売れた時代では顔見せ、足で稼ぐといった活動をすれば、正しい営業行為がなくてもモノが売れた。お客様の商品知識は少なく、選択肢も限られていたため、営業マンは「売り込み」、「熱意」という一方通行的な仕事になっても、なんとかなったのである。どうせ注文するなら、よく通ってくれた営業マンに注文してくれ、営業マンも用がなくても顧客を訪問することが営業の基本となり、習慣化してきた。

 しかし、環境は激変し、モノは溢れ、選択肢も多様化している。
 いくら顧客に会っても、一方通行のセールスを続けていたのでは、お客様が必要だと思っているモノでも売れなくなってしまう。

 なぜなら、購入の選択肢は多数あるからである。

 つくれば売れた時代の営業の多くは本当の営業力ではなかった。

 顧客はセールススキルの優れた営業マンを求めているわけではない。

 その営業マンが提供してくれるサービスを求めているのである。
   

あなたの商品はまだ未完成
 あなたの手元にある商品・サービスはまだ売る段階ではありません。

 これを完成品にするためには、 

 ・商品、サービスが誕生するまでのストーリーが必要

 ・機能や特徴の自慢より「お客様にとって」の価値、相手が求めているものを先に知る

 ・扱う商品・サービスの本当の価値は人間関係である

 営業の役割は何かといえば、開発された商品を お客様の願望を埋められる商品・サービスに仕立てあげることです。営業は、その商品が持つ本当の価値、お客様が求める価値を実現させるための活動です。お客様との接点である営業担当者は、価値を実現させることであり、またそれができるのは営業担当者しかいないのです。お客様との接点を持つことのできる営業担当者は、価値の具現者であり、ここが通販との大きな違いです。

 アプローチからクロージングまでのプロセスでもいろいろな工夫が必要です。

 大切なのは「これを話したら、お客様はどう反応するか」「それに対してどう対処すれば、お客様の求める価値を実現できるか」、そのさまざまなパターンを想定し、対応法や応酬話法をモデル(標準化)化することです。

 しかも、このモデルは、お客様が持つ個々の課題に対し それに見合った答が出せるようでなければなりません。

 それがお客様を知る作業につながります。

 そのためにも、ロールプレイングといったトレーニングが欠かせません。

 お客様との接点づくりにおいても工夫が必要となります。

 商品の違いを生み出すのは営業の力です。

 そして、商品に価値を与えるのも営業の力です。

 今では、お客様の「買い方」が変化しています。

 そうであれば、「売り方」も当然変えていかなければなりません。

 商品の良さ、品揃えは大事だが、それだけでは商売にはならない。お客様の感性のステップアップに合わせて、店舗や売り方、情報発信の仕方を考え、変えていかなければ売れない。これは、今日、お客様との接点づくりにおいて、どの業界にも共通する課題です。
   

分かりやすく、選びやすく、迷わせない工夫をする

 お客様との接点における商品のアピールや情報発信で大切なのはそこです。

 その組み立てを何通りも考え、試してみることが大切なのです。

 その商品・サービスが、お客様の生活・事業の中の何と結びついてくるのかの実感が湧かなくてはなりません。

 お客様の趣味や仕事、年齢、家族構成などに合わせて、多くの具体的な事例、シナリオを用意できているかどうか。

 これは、経験だけの問題ではなく、ターゲットであるお客様のことをどこまで考えることができるかという重要な問題なのです。
 あなたの売りものは、扱う商品・サービスそのものではなく、お客様の満足を獲得するための手段であることを忘れないでください。

 販売にはさまざまな手法や考え方がありますが、最も原理的で、最も重要なことは、「自分(会社)を売ること」であり、このことが信頼関係の構築につながるのです。そうでなければ、いつもの売り込み営業に走ってしまいます。

 

しゃべらない営業

 までの営業では、明るく元気で押しの強いことが優秀な営業マンの代名詞となっていた。

 しかし、「営業をとりまく環境の変化」「お客様の買い方」「お客様のニーズや真理」「インターネットの普及」などといった変化、このような変化に対して、今もって変わらないのが営業スタイルである。

 今の消費者は営業マン以上に商品知識が豊富と言ってよい。

 明るく元気で押しの強さを装った営業は通用しない。
 いつの時代にあっても、優秀な営業マンに共通することは、人の話を『よく聴く』ということです。

 人は自分の話を真剣に聞いてもらいたいと思っていますが、話を一生懸命聞いてくれる人は非常に少ない。

 人は自慢話が好きだが、それをあなたがやってはいけない。

 相手に自慢話をさせることが あなたの高感度をあげる秘訣なのです。

 

「聞く」から「聴く」

 『聞き方のポイント』は4つあります。

 まずは、『80対20の法則』の活用です。有名なパレートの法則です。『自分が話すのは2割、話を聞くのは8割』、これを意識してください。8割は聞くことに徹することが大切です。

 2つ目は、『人の話を奪い取らない』ことです。決して人の話を奪い取らないようにすることです。

 3つ目は、『即座に否定しない』ことです。

 即座に否定せず、逆に肯定しましょう。合わせて、『反論に反論しない』ことも大切です。

 「いや、それはそうじゃないと思います」と言われた時に、さらに「そうじゃないよ」と言い返さないことです。「なるほど、多くの人はそんな風に感じると聞いています」など、やはり、最初は必ず肯定してあげることが大切です。

 4つ目は、『質問する』ことです。

 良い質問は、会話を促進してくれます。また、お客様の心を開き、答えを引き出しやすくなります。

 この4つのポイントを心掛けて、話を聴いてみてください。きっとその効果に驚かれると思います。

聞く際に効果的な4つの動作

 1.『よく頷き、相槌をうつ』

 2.『視線を合わせる』

 3.『メモを取る』

 4.『配慮や気配りをする』

 「あなたの話を真剣に聞いていますよ」「あなたの話は価値がありますよ」ということが、メモを取ることによって伝わります。

 どんなにこちらの話を一生懸命聞いていても、メモを取ってなかったら「あぁ、その程度なのかな」と思います。

 経営者や優秀な営業マンは、こういう細かいところを見ています。

 「話をするのはスキル。話を聞くのは器」と言われます。

 人は自分の興味のない話、関係のない話を聞くことに苦痛を感じます。
技術を学んでも、本当にその人のことを思う気持ちや器量がないと、話は聞けません。

 器を拡張するとは、どれだけ相手中心の考え方が持てるかということです。

 「どうしたら相手が喜んでくれるのかな」「どうしたら相手のお役に立てるのかな」と思い、相手に接することができるか。

 決して「自分がうまく話そう」「よく思われたい」などと思わないことです。

 自分の考え方はそのまま相手に伝わってしまいます。

 人の第一印象は初めて会った時の3~5秒で決まり、またその情報のほとんどを「視覚
   情報」から得ていると言う概念があります(「メラビアンの法則」)     

 人に好かれることは あなたにとって非常に重要なことである。

 人はシンプルです。同じ商品であっても、好きな人の売る商品は好きで、嫌いな人の売る商品は嫌いなのです。
 お客様に好かれるかどうかがあなたにとっての生命線といって良いでしょう。

 では、好感度の高い人はどんな人なのでしょうか。

 優秀な営業マンに共通していることは、人の話をよく『聴く』ということです。

 人は自分の話を真剣に聞いてもらいたいと思っている。

 カーネギーも「人の話を聞くことにより、人生の80%は成功だ」という。

 しかし、営業の現場を見てみると、人の話を遮ったり否定したりする人が少なくない。

 相手の話を遮って、「自分の意見・言いたいこと」を言おうとしていないだろうか。

 これとは逆に、話を一生懸命聞いてくれる人は非常に少ない。

 好感度を高めるとは、いかに相手を気分良くさせるかなのです。そのためには、相手の得意分野を導いたり、自慢話をよく聞いてあげる。そうすると相手は気分が良くなる。
 その結果、相手は自分の話を聞いてくれている人を好きになる。

 最初は訓練かもしれません。しかし、それが本当に自然に出来るようになったとき、習慣になったときに、明らかにあなたの成果が変わるでしょう。

 結果を出しているセールスパーソンは間違いなくこの点に長けています。

 次に『質問する』こと。

 質問は、お客様に話の内容を理解していただき、話の中に引き込むために行う。

 「それについてもう少し聞かせてください!」「あ、これはこういうことなんですね」・・・、「この件について、御社ではどのように感じられますか?」

 良い質問は会話を促進し、お客様の心を開き、答えを引き出しやすくなる。
   

「聴く」の技術 

 コミュニケーションとは、自分の意思を相手に良く伝えるために、とにかく自分の情報をできるだけ話すことだと思っている人がいます。

 事前に何をどのように話すかを考えて準備したとおりに、十分にしゃべり足りたと思うと、これでクロージングも上手くいくと錯覚します。

 しかし、聴くこともコミュニケーションなのです。

 お客様の話を聴くという行為は、苦痛で、非常に難しいことかもしれません。

 もちろん、上手な話し方や質問の仕方は、セールスパーソンの武器であり、大切なことですが、それはお客様のウォンツ(願望)を明確にするための技術です。
 しかし、お客様の願望を知り、購買行動に結びつけるためには、お客様の話を良く聴き、お客様が何を言わんとしているかを受け止めて、その中の情報をチェックして、問題の所在や、その解決策をしっかり吟味したうえで提案することが大事です。

 営業マンが自身を理解してほしいと思っている以上に、お客様も自分を理解して欲しいと思っています。

 お客様の話にじっくり耳を傾け、願望の達成や問題解決のてがかりをつかみましょう。
良く聴くとはどういうことでしょうか。

 聴くということは難しい技術とも言えます。話すことは、自分で何を考え、何を感じているかがわかっているので、それのコントロールはできますが、聴くことを自在にコントロールすることができないからです。

 相手の言葉のニュアンスを、相手はこう考えて、こう感じて使い、話しているのだろうな、と推測しながら聴かなければならないからです。

 聴き上手な人は、自己本位ではなく、相手の立場に立って、相手の視線でものを眺め、理解しながら聴きます。

 「きく」という漢字には、「聞く」「聴く」「訊く」がありますが、傾聴するということが大事です。

(1)相手が何を考え、何を感じているか、その言っていることがどんなニーズを表現しているか、を理解することができる。

(2)話し合いの中で、得たい情報を選択することができる。

(3)傾聴しているという感じを、相手に与えることができる。

 この聴く能力によって、セールスの基本である、「お客様が心から欲しいと思っているものを提供する」ことができるのです。

 

好感度

 人は感情の生き物である。どんなにすばらしいセールステクニックを持ち、商品知識が豊富であっても、嫌われては元も子もない。

 そのためには、
 ・競争相手以上にお客様から好感をもたれる

 ・競争相手以上にお客様から気に入られる

 ・競争相手以上にお客様から忘れられないようにする

 お客様は、安い価格よりも信頼できる営業マンから購入するものです。

 自分の得であっても お客の得がなければ断る。

それが信頼を獲得するための真実の瞬間です。

 「顧客戦略」とは、お客に感心されて、支持されて契約してもらい、さらに喜ばれてリピートをもらい、お客の紹介ももらうという仕組みである。

 そういう体制を社内に作り上げること。

 新規顧客を固定客化するまでの仕組みが「顧客維持の仕組み」となる。

 

ステップ1 初めての人に好かれて「お客」になってもらう

ステップ2 「お客」に気に入られて「リピーター」になってもらう

ステップ3 「リピーター」が他の人にも紹介してくれるような「ファン」になってもらう

 

そのためには、

 ・お客様と直接接するところを総点検してみる

 ・お客様に不便や二度手間をかけているところを改善する
  
 お客様の立場で不便に思うことを書き出し、自社ではどうか、どこをどう改善するか。

○名刺について

・電話・FAX番号は大きな文字で
 名刺は相手に渡し、見てもらうものであることを認識しましょう。

・住所だけでは場所がわからない
 地図または「地下鉄〇〇駅・〇〇出口より左側に徒歩3分」などを加える。

・名刺のウラも使う
 名刺はミニカタログ
 事業内容や商品名、個人の自己紹介を入れる

・顔写真を入れる
 商売は顔を売ること

・封筒もミニカタログにしよう
 封筒もお客と接する度合いが高いツール。
 封筒の電話番号なども名刺と同じく大きくする。
 2~3行のメッセージ欄を作り、そこに手書きの一言を入れる

○礼状(ハガキ)

・礼状を出している会社は平均すると3%です。
 残りの97%は契約してもらっても知らん顔をしている。
・せっかく「顧客」になってくれた人に、さらに高感度を増すためには、自分の都合や面倒臭さをぐっとおさえ、親切で報いを求めない行動が必要となる。

・感じたことをありのままにパッと伝える「感謝」。 
 感謝とは「感じたことを、言葉で射る」と書き、ありがたいと思ったら、口や言葉や文章で相手に伝える行動が必要です。
 社内の報連相も重要ですが、まずはお客様から。

○情報紙・ニュースレター

・お客様の役に立ちそうな情報を送る。

・普段、読んでいる新聞や雑誌で、お客の役に立ちそうな記事があれば切り抜き、コピーして「ご覧だとは思いますが、念のために」と一言書いてFAXまたは郵送する。

 こういったことを考える日を月に一度は持つことをお勧めする。
   

顧客との接点を強化

 あなたにとって、中身の濃いお客様・顧客との面談時間の拡大こそが販売に繋がることだけは確かです。

 ただ、顧客との接点拡大は重要だが、直接面談しなくても、お客様と継続して接触する場面をつくることが重要です。 

 直接面談しなくても、

 ・サンキューコール

 ・サンキューレター(はがきの活用)

 ・ニュースレター 

 ・FAX、メールによる定期の情報配信

 電話の有効に活用では、ほとんど直接本人と会っているのと全く同様の効果をもたらし、かなり効率的なコミュニケーションをとることが可能です。

 そして、単に思いついた時に電話するのではなく、時間や内容、相手を決めて計画をたてて、これを双方向のコミュニケーションに活用する。

 また、ファックスの場合は一方通行になりがちだが、なるべく返信の可能性のある形を整えることで効果が増します。

 ベストのコミュニケーション方法は、「双方向」「一対一」「同時」のコミュニケーションとなる。

   ・往復ハガキを入れる

   ・FAXの場合、返信用FAXの準備

   ・E-mailの活用

 

営業の改善・改革チェックポイント

 

・同業他社と同じやり方をしていないか(差別化商品・サービス)

・対象(マーケット)を絞っているか

・商品・サービスを得意なもの1~2つに絞っているか

・行動計画(月報・週報・日報)は作っているか(常に5W1Hで作成)

・名刺、会社案内、パンフ等は独自性があるか

・信頼性、親近感(見た目)を強調しているか

・基本動作(12項目)(挨拶、身だしなみ、電話の応対)は実践されているか

・お客様への感謝の気持ちを行動に表しているか(サンキューレター・コール、定期の情報提供 等)

・あなたの本当の売りは人間関係であることを理解しているか

・競争相手は同業者ではなく、お客さんであると理解しているか

・あなたは自身が「何業」と理解しているか

・セールストークは、あなたが言いたいことではなく、お客様が聞きたい、知りたいことをメインに組み立てられているか

・行動の前の段取り八部を心がけているか

 どの時代であっても、顧客を獲得するには人との接触を頻繁に行うことは重要です。

 成熟化市場でシェアアップを図るには、今まで以上に「顧客に近づく」ことが必要となっている。

 ただし、顧客との接触が重要だからといって、意味のない御用聞き訪問を推進しているわけではない。

 顧客との接触は直接面談だけではないことを理解し、質を重視したものでなくてはならないのです。

 施策として、

 (1)データベースを活用した営業で顧客に近づく

 (2)マーケティングを活用した営業で顧客に近づく

 (3)顧客主導型の発想で顧客に近づく

 

お客様の『ノー』の捉え方

 優秀な営業マンは、お客様が「お金がない」という言葉を聞いたとき、『お客様は、お金がないのではない。それだけの価値を認めていない』と捉えよう。

 しかし、そうでない営業マンは、お金がないということを事実と受け止めてしまうから『ノー』が成立してしまうわけです。

 お客様の『ノー』の捉え方の違いが、売り上げに大きな差となって表れる。
価値と価値の交換ですから、優秀な営業マンは、お客様が支払う価値に対して、十分な それ

以上のメリットを提供するという確信があるからこそ、慌てずニコっと笑って対応ができるの

です。

 見込み客を見つけ、アプローチをし、面会の約束を取り付け、プレゼンテーションを行い、反論の処理をしても、お客様が最終的に『ノー』と言ってしまったら あなたの苦労は水の泡となってしまう。

 

クロージングに入るタイミング

 ・お客様が熱心に質問してきたとき

 ・話の途中でたびたびお客様が質問してきたとき

 ・見本を手にとって熱心に見始めたとき

 ・体を乗り出して熱心に話を聞きだしたとき

 ・お客様が黙り込んで、ため息をついたとき

 ・価格や支払い条件について触れたとき

 ・納期のことをたずねたとき

 ・購入後のアフターサービスについて触れたとき

 ・真剣に値切り始めたとき

 ・周囲の人に相談し始めたとき

クロージングで失敗しないポイント

 ・あわてない

 ・余分なことをいわない

 ・緊張しない

 ・神経質にならない

 ・悲壮な態度をとらない

 ・議論しない

 ・否定語を使わない

 ・主導権はあなた(営業マン)が握っている

 ・条件について弱腰にならない

 ・お客様から注意をそらさない

 クロージング段階でお客様に『イエス』と言ってもらえるために、優秀な営業マンはあるポイントをおさえたトークをする。

 

(1)最終的なクロージングに入る前に確認しておくこと

 ・顧客との信頼関係が出来上がっているか?

 ・自社、あなたの信用は得られているか?

 ・顧客は十分な必要性を感じているか?

 これらの項目で十分な相互理解が得られていない場合、あなたのプレゼンテーションが どれほど立派だったとしても、お客様は「ノー」という答えを出すでしょう。

(2)あなたが売っているものは何ですか?

 まず、あなたが売っているのはあなたの扱う商品・サービスいということを理解しよう。

 自分が何を売っているか、明確に理解することから始める。

 たとえば、あなたの提案する商品・サービスがいかに優れているかという説明をしても、売ることは困難となる。

 売るためには、その商品・サービスをお客様が利用すると、どんなメリットが生まれ、どのような状態になるかをイメージさせる必要があるのです。

 あなたの扱う商品・サービスは、あくまでも手段であって、お客様が最終的に得られる利益をどれだけ分かりやすく伝え、売ることができるかが重要です。

 当たり前のように聞こえるかもしれないが、商品の特徴が優れていることと、売れることがイコールであるとは限らない。

 いちばん売れるのは、お客様が利用すると どんなメリットが生まれるかを、お客様に最もアピールした商品やサービスなのです。

 営業を成功させるためには、市場の教育が常に必要となる。

 あなたの商品の「売り」となるお客様のニーズ・メリットはどこで、なぜよそで買うよりあなたから買った方がいいのかを教育することである。

 お客様が求めるのは、自分たちのニーズに応えてくれるものであって、あなたのニーズに応えるものではない。
 あなたは自社の扱う商品の真の価値を即座に列挙できるだろうか?

 

思いを伝える

 お客様は正直です。営業マンが日頃から「こんなに感謝しています」と口だけでは本当に感謝しているとは思わないものです。

 高価なモノを贈る必要はない。

 安価なモノでも贈り方による。

 何度も送るほうが、手間をかけた分だけ伝わるものなのです。

 また、バースディカード、礼状(ハガキ)といったことも含まれる。
 要は、「目に見える形」で心の思いを表現する必要がある。   

 お客様の多くは、「購入するなら、もっと感じのいい営業マンから買いたい」という気持ちを多くの人は持っている。

 また、営業マンの人柄や誠意に打たれて購入したとか、担当者の人間性に惚れて購入することにしたとか、お客様の購買行動は理屈ではない。
 お客様は理屈で商品を購入するのではなく、感情(見た目)で購入するのです。そして、購入後にお客様の役に立つこと。どれだけお客様の身になって扱っている商品やサービスを提供し、それを通じて役に立てるかということ。それが結果として顧客満足につながるのです。

 

本当の営業力とは何でしょう

 

1 あなたの提供する商品の特徴より大切なのは、提供する商品がお客様にとってどのように役立つ(利益)のか。
2 社会環境の変化の中で、扱う商品・サービスの差別化(どのように加工し、今の時代にあったモノにしていくか)。

3 組織力(情報の共有、チーム営業、教育・訓練、マニュアル)

 営業では、役割分担により すべての部門が営業に関わる体制作りが欠かせない。営業は営業部門の仕事と思うのは間違いです。

情報・知識は企業の財産(共有化)

 営業をマンパワーに頼ることは、企業の財産である顧客情報や知識を担当者個人のみが持つことで、企業の大事な財産をドブに捨てるようなものである。

 企業に情報や知識の収集と活用であるナレッジマネジメントが定着しないのは「何の目的のために、どのように活かすか」を明確にしないからである。

 「組織として何をどのように改善したいのか、そのために今何の情報が必要なのか」を先に考える。

教育訓練 

 営業力を強化するには教育が欠かせない。

 企業が行う教育は、あくまでも業務の遂行に 
 必要な知識習得のための「トレーニング」です。

 ロールプレイングなどがその一例となる。

モチベーション

 企業では営業マンのモチベーションを上げるために さまざまな教育が試みられていますが、成果のほどは定かではない。

 凡人にとって高いモチベーションを一定に保ち続けることは不可能に近い。

営業の環境整備(営業力強化)

 モチベーションアップを図ることも重要だが、モチベーションの低い状態であっても、売れる環境を整備することも企業にとってより重要である。そのためにも、組織全体のレベルアップにつながる営業管理の仕組み構築が欠かせない。

営業プロセスを標準化

 そのためには、凡人営業マンであっても、優秀な営業マンと同等な仕組をつくること。

 その仕組とは営業活動の標準化です。

 優秀な営業マンの営業プロセスを客観的に分析し、マニュアル化する。すなわち、営業の台本(スクリプト)を作ることです。そうでないと、売れない理由を、「営業努力が足りないから」「景気が悪いから」「競合他社より価格が高いから」といった言い訳が横行してしまうからです。
 また、精神論的営業からは、セールスにおいて「なぜ契約にいたらなかったのか」の原因を解明することができない。

 一人の営業マンに営業活動のすべて(集客~顧客管理)を任せっきりにすることが如何にムダであるかが理解できる。

 これらの問題を解決するには、「営業マンにすべてを任せず」他部門も含めて営業プロセスを分業(分担)することです。
 一人の営業マンが今までのように全部を担うのではなく、一部だけを担当することで、人の異動や辞めたりしたときの影響も少なくて済み、後任の人はすぐに自分の役割を理解できる。

 人が足りなくなったら部分教育を行えばよいので、人材の育成のスピードも早くなる。
   

営業の武器

 中小企業にとって、マスコミを活用したプレスリリース、インターネット、電話、FAXなど複数のチャネルを活用することで、顧客とのビジネス関係を効率的に行い、顧客との接点を拡大でき、営業効率と顧客満足の向上が可能となる。

 営業活動のすべてを営業マン個人、営業部門だけに任せるのではなく、他部門も含め営業活動全体を分割、専門化することが組織営業を効率・効果的にする。 
 営業を戦に例えるなら、営業ツールは武器である。時代とともに武器も変わってきます。今の時代に合った武器を使うことで戦いを有利に運ぶことができます。一昔前のセールスのやり方を今でも続けていく限り、成果は得られません。

 営業のための武器の一部を取り上げてみても、会社案内、名刺、アプローチブック、ニュースレター、セールストーク、ハガキ、電話、FAX、メール、有益情報紙、セミナー開催、あなたはここに掲載してある武器をどれだけ活用していますか?
 なにを武器に戦うのか、明確な方針を出して戦わなければ、戦いに勝つことはできません。

 あなたの商品は競合他店の商品に比べてどれだけの性能を持っているか、販売している商品の性能・価値を的確につかんでいなくては差別化はできません。

 お客さんが契約を決意するのは、それを購入すれば必要が満たされるか、あるいは満足を手にすることができるからです。
 必要性も利便性も満足も感動も得られないのであれば、顧客は購入を決意しません。

 商品に名演技をさせるためには、営業マンがその商品の性能・価値を把捉していなければならないのです。

 スピードアップが必須の時代において、代理店の業務量は大幅に増大されており、限られた時間の中で顧客の記憶に残るサービスを提供していかなければならない。

 また、上記以外にも心がけることは、

・あなたにできることは何か?

 今かかわっている仕事にこだわらず、自社に何ができるかを考えよう。

 サービス業にかかわるすべての人間は、発想の限界にとらわれている。

 発想の限界とは、通常、自社が携わっているビジネスの通例の範疇にとどまる。自社の業種のことだけを考えず、自社の技能について考えること。

・あなたの本当の売り物は何か?

顧客が、本当に買っているものは何かを探りだそう。

 商品そのものではなく、問題解決の手段としてあなたの商品を購入しているのです。

・あなたの競争相手は?

 見込み客にはたいてい三つの選択肢がある。

その営業マンを「利用する」「利用しない」、あるいは「今の営業マンのままで済ます」である。多くの場合、あなたの本当の競合相手は同業者ではない。あなたの見込み客自身なのである。

・フィーリングの良さこそサービスの決め手

 サービス業は人間関係である。

 そして、人間関係とはフィーリングである。良い人間関係の始まりはフィーリング。

・顧客への報告・連絡・相談を心がける

 お客様は自分を大切に扱ってくれているかどうかを感じ取るのに敏感である。

・常識があなたを縛る

 常識からは、改革は生まれない。想像力の飛躍こそが これらを生み出す。

 常識にとらわれていては、今以上の自分にはなれない。胸が躍るような結果が欲しければ、夢をかき立てるインスピレーションが必要である。

・長所が長所を連想させる

 なぜサービス業の人々は、自分たちのサービスをポジショニング(絞り込む)することを恐れるのか? それは、あることを強調すると他のことをアピールできなくなると考えるからだが、実際はそんなことはない。なぜなら人は連想をするからである。

 良いことを1つ言ってみよう。そうすれば他の良いことも連想されるようになる。

・自分のサービスに違い(独自性)が見出せないなら、目を皿にして探し出す

 最も記憶に残ることは、「ユニークで、五感に訴えかけるような、クリエイティブで目立つもの」である。  

・顧客は良いサービスをすぐ忘れる

 自分のあげた成果は必ず顧客に知らせよう。

 良質なサービスを受けたことを思い出させてくれるものはほとんどない。

 満足は、多くの場合 記憶だけの問題なのである。 

 通常のサービス業の会社は、提供したサービスが継続的に役立っていることを顧客に意識させていない。

 事故時の対応の良さ、スピード(支払い、依頼ごと)、丁寧さ(専門用語を使わない、分かりやすさ)、安心感(約束・時間の厳守)などにより、「存在感を示し続けること」である。

 相手の目に入らなければ存在しないも同然です。

・いちばん些細なことに注力しよう

 あなたが想像するよりも ずっと多く頻繁に顧客との接点を持つ。

 セールスは、この程度のことで差がつくものです。

 より知識が優れているからではない。より経験が豊富なわけでもない。

 ほんのちょっとした、短いながら思慮深い手紙・ハガキのように小さなことが大きな違いを生むのです。

・自社の営業マンは明確なセールスポイントを持っているか? 

 あなたの会社が、顧客にわかりやすいセールスポイントとそのメリットを確立していなければ、ほとんどの社員はその商品をうまく売り込めない。なぜなら、売り込むものがないという理由である。営業マンを鍛え直したかったら まずは商品を見直そう。

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