「比較して考える」 類似点や差異を発見し法則を見出す

比較のための基本姿勢は、共通の目的と同一の指標

 品質査定(大きさ、色、形、味など)のために並べられたリンゴのなかにメロンがあったならば、メロンを除外することに意味があります。それは、同質のものではないからです。しかし、朝食用に食べるカロリー計算のために、リンゴ、メロン、オレンジを並べて比較することは可能でしょう。モノとして異質であっても、カロリーという尺度があるからです。

 このように、共通の目的をもって同一の指標があり、比較対象として正しい場合に、英語では「アップル・トゥー・アップル」という表現をします。

 ここで、比較の際に心掛けることを3つ挙げます。

 ・できるだけ同じものを比較すること

 ・異なるものを比較するときは、意味がありかつ比較できる指標を探すこと

 ・似たもの同士を比較する場合も、同じ要素と異なる要素を見分け、異なる部分の影響を勘案しつつ合理的な比較を心掛けること

 

比較のための枠組み(表など)を工夫する

 車選びを例として、対象車種を比較するときのことを考えてみます。車は多種多様な部品で組み立てられた複雑なものですが、ある程度定められた規格がある製品です。車雑誌やカタログを見れば、どのような仕様であるかが明記されているので、各製品を比較しやすいでしょう。

 「もれなくダブりなく」のMECEの概念を思い出して、比較項目を抜き出してみます。

大分類:小分類

寸法:外形、内寸、ホイールベースなど

特性:エンジン、サスペンション、ブレーキなど

性能:加速性、ハンドリング、回転半径、燃費など

快適性:ノイズ、振動、かたさなど 

安全性:自動ブレーキ、エアバックなど

スタイル:外形のデザイン、内装インテリア、色など

利便性:音響装置、カーナビなどの付属品、収納など

価格:標準車、グレード別など

 車の知識がない人でも、このように客観的なカタログ値や主観的なスタイルなどで比較をすれば、重要視したい項目、したくない項目が把握でき、自分でも気がつかない好みが浮かび上がることがあります。

 購入したい車のイメージが、より明確に浮かび上がってくるのではないでしょうか。その重要視したい部分にフォーカスした車種をいくつかピックアップすることで、最終的な決定をすることができます。

 このように、車を購入するという目的に応じて、全体や部分をアップル・トゥー・アップルに比較できるよう工夫をしましょう。

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