21世紀の経済のトレンド

 20世紀のような戦争と革命の時代には、インフレ基調になるが、米ソによる第三次世界大戦が、事実上、経済戦争のかたちで終わったことで、21世紀に大きな戦争の余地はそれほど残っていない。

 もし戦争があるとすれば中国に絡んだ世界大戦があるかどうかだが、日米関係が安定し、米国経済が極端に崩壊しないかぎり、基本的にそれはないと考えてよい。

 局地戦争が起きたときに、特需景気のような部分的インフレが起きることはあっても、21世紀の大きなトレンドは、日本も世界も デフレ基調である。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『未来創造のマネジメント』で以下のように説かれました。

「まず、基本的に考えておかねばならないことは、二十一世紀の大きなトレンドについてです。大きな流れとしては、やはり「デフレ基調」だと思います。日本だけではなく、世界的に見て、デフレ基調が大きなトレンドだと思うのです。
 一方、二十世紀は「インフレ基調」でしたが、その理由は、大半が戦争と革命の時代であったからです。「戦争の時代」というのは、とにかく、物資を大量に消費します。いろいろなニーズが出てくるため、物をたくさんつくらなければいけません。消耗品も必要ですし、それ以外のインフラ系においても、いろいろなものが必要になってくるのです。
 したがって、戦争中心の世界においては、経済の流れは、どうしてもインフレ基調になります。革命などが起きた場合にも、そうなります。
 二十世紀には、大きな戦争が二つ終わり、その後、米ソの冷戦が終結しました。これは、事実上、「第三次世界大戦が経済戦争のかたちで終わった」ということを意味します。
 米ソは、実際の戦争をすることなく軍備拡張競争を行ったわけですが、当時のレーガン大統領が赤字覚悟で米国の軍事拡張を行い、宇宙からも攻撃するという「スターウォーズ計画」までやり始めたところ、ソ連経済のほうがパンクしてしまい、戦わずして冷戦が終わりました。しかし、これは事実上の戦争であったのです
 その意味で、二十一世紀には、大きな戦争の余地はそれほど残っていないと思います。もし、あるとすれば、中国関連でしょう。中国に絡んだ世界大戦があるかどうかが、「インフレ基調になるか、デフレ基調になるか」の判断の分かれ目です。
 もし、中国を絡めた世界大戦のようなものが起きた場合には、それがインフレ要因になるので、基調として、物価などが上昇する流れになります。
 しかし、日米関係が安定している間は、そして米国経済が極端に崩壊しないかぎり、基本的にそれはないと考えてよいと思います。
 なぜなら、日米の経済規模を足すと、だいたい世界の三分の一を占めているからです(2009年度)。日米両国の協調体制が続くかぎり、この二大大国を相手に戦える国は、21世紀においては存在しないと思われます。戦っても負ける可能性が高いでしょう。
 中国やインドは、人口が共に十億を超える巨大国ですが、経済力としては、まだ弱いので、どう考えても日米の二大大国と一年以上戦えるはずがありません。
 したがって、日米協調が続くかぎり、大戦争は起きず、局地戦レベルのものしか起きないと考えてよいのです。
 台湾や朝鮮半島など、幾つか、戦争の可能性のある地域はありますが、局地戦レベルのものしか起きないと思われるので、インフレ要因は小さいと見てよいでしょう。
 ただ、そうした局地戦争が起きたときに、一時的に、多少、物の需要が起きるようなことはあると思います。例えば、1950年代に朝鮮戦争が勃発した際、日本経済が特需景気によって回復したこともありましたが、そのように、三年か四年ぐらい、特需景気のようなもので部分的なインフレが起きることはあっても、二十一世紀の流れとして、インフレは考えにくいと言えます。」
(104~108ページ)

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