乗数効果

 幸福の科学大川隆法総裁は、『未来への国家戦略』で以下のように説かれました。

「乗数効果は、近代経済学を勉強した人であれば、誰もが知っていることです。
 例えば、一兆円なら一兆円という国家予算があるとします。乗数効果とは、「この一兆円を何に使うかによって、経済効果は違ってくる」という考え方なのです。
 一兆円を単に国民にばら撒くだけであれば、これには一兆円分の経済効果しかありません。しかし、この一兆円は、使い方によっては、一兆円以上の効果を生みます。この一兆円が、もっと大きなものを生み出していけるような方面で使われていくと、一・二兆円、一・五兆円、二兆円、三兆円というかたちで回転していき、大きくなっていくこともあるわけです。
 このように、「投資したお金が、どれだけの経済的波及効果を生むか」ということを示す数字のことを、乗数効果というのです。
 菅氏は、これを答えられなかったので、「知らない」ということです。「一兆円は一兆円だ」と思っていたのです。
 そのため、今、「福祉目的税として集めたお金を、社会福祉に使っても、経済成長できる」というようなことを、平気で、ぬけぬけと言っているわけです。
 しかし、これは、「支出をして、それで終わり」です。出しっぱなしなのです。
 例えば、教育に支出することは、普通は投資のように見えます。しかし、実際には、教育手当を支給しても、それは単に家計の収入になるだけであり、「ああ、お金が増えた。苦しかったが、これで助かった」と思って、使わずにそのまま持っていたら、乗数効果は、ただの「一」で、まったく変わらないのです。
 入ったお金を必ず何かに使うということであれば、経済的な波及効果を生みます。例えば、教育手当をバウチャー(利用券)などのかたちでもらい、必ず塾や予備校で使うとか、英会話学校などで使うとか、そのような方式にした場合には、支給したお金が別のところで使われ、そこの収入にもなっていくのです。
 そして、そこが、そのお金をまた使っていけば、さらに波及効果が起きてくるので、「1」以上の効果が出てきます。それが「1.5」となるか、「2」となるかは、それぞれですが、これが乗数効果なのです。
 乗数効果というものは、近代経済学の基礎であり、ケインズ経済学を理解するためには、絶対に要る概念なのですが、菅氏は、これを理解しておらず、頭のなかに入っていなかったのです。その言葉を聞いても、まったく意味不明で、分からなかったわけです。
 幸福実現党は、「成長産業のほうに投資しなくてはいけない」と主張していますが、これは乗数効果のところを言っているのです。
 お金が回転すれば、実際に収入が増えてきます。経済的には、そうなのです。会社を経営している人であれば、これを知っているはずです。
 菅首相は、この点を理解していないので、「お金を集め、それを福祉目的で使う」と言っていますが、基本的に経済が分かっていないため、私は、「日本経済が駄目になる」と申し上げているのです。」
(120~125ページ)

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