平凡な自分が人生に勝つために

   人生の羅針盤 第136回

 自分自身のことを平凡な能力と見ているとしても、自分のしている仕事について勉強をしていけば、自分の武器になり、充分に勝つこともできるようになります。

 また、株をしている人であれば、環境さえよくなれば株価が上がって利益が出るので、よい方向へと変化することを望みたいところでしょう。ただ、実際には環境が変化するまで待っていられないので、自分の腕を上げるほうに取り組むべきです。株についての知識や技術を磨くほうで自分の勉強をしていれば、そのうちに環境もよくなって、利益を増やすチャンスが出てくることもあるでしょう。

 これも、「能力が変化すれば環境が変わる」ということです。

 

できない言い訳を考えるのでなく できる方法を考える

 このように、「環境」も大きなものではありますが、言ってもしかたがないことを言うのは、ただの愚痴や弁解にしかなりません。「なぜできないのか」というようなことを並べても しかたがないのです。

 世の中を見ていると、いわゆる受験秀才ほど弁解がうまいようです。

 彼らの多くは「減点主義」であるため、「ミスをしないように」と一生懸命訓練して大企業に入りますが、とにかく言い訳がうまいのです。上手に、整然と、できない理由、自分に責任がない理由を説明します。「なぜできないか」ということを理路整然と説明するのです。

 これには唖然とさせられます。自分の頭のよさを、何の価値も生み出さない方向で使っているわけです。要するに、自分が仕事をしないことに対する言い訳をすることで、「自分の職を守る」という意味での価値を生み出しているのです。

 しかし、「それでは、どうすればできるようになるのか」という問いに対して、受験秀才は答えられません。

 「どうすればできるようになるか」と考えることは、それほど受験秀才ではない人のほうが得意なのです。あまり自己イメージが高くなく、蛮勇をふるえるため、とにかくやってのけると成果があがることがあります。

 結局、一流の秀才ではない人のほうが、勇気があるために、よい仕事をして出世することも数多くあるのです。あまり細かすぎると、かえって勇気がなくなることがあります。

 したがって、自分が弁解や言い訳のほうに、あまりに多くのエネルギーを使っていると思ったら、どうか踏み止まってください。そちらのほうに優秀な頭脳を使うのはエネルギーの無駄です。

 言い訳を百個考える代わりに、「何かできる方法はないか」ということを、一つでも二つでも三つでも考えることが大事です。そうすることによって、生産性が高く、創造力のある仕事ができるようになるでしょう。

参考

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