時代が求めるリーダーシップとは
人生の羅針盤 第121回
リーダーシップの根源は「先を見通す能力」
基本的に、他の人が見えないものを、いち早く見ることのできる人が、リーダーになれます。
人より早く先が見える人がリーダーです。
すなわち、リーダーシップの根源は「先を見通す能力」です。
他の人は地面に立っていて先が見えないのに、ある人は櫓の上に立っていて先が見えるなら、櫓の上の人はリーダーシップを発揮できるのです。
したがって、あなたがリーダーシップを持とうとするのであれば、やはり、少しでも未来が見えなければなりません。
近未来が見えるかどうかがリーダーシップの根源なのです。
「科学と宗教の融合」が未来社会のモチーフ
近未来を見るには、どうしたらよいのでしょうか。
この「人生の羅針盤」で、現代的な問題に対する意見を発信しているように、私が説法や著書などで説く内容は、いち早く時代を先取りしたものであり、それを学んだ人が他の人たちを導けるようなものになっています。
また、私が製作総指揮を行い、昨年秋に公開され大ヒットした映画『永遠の法』を観ると、近未来が見えます。そのなかで描かれているのは未来社会です。あの映画は、「二十一世紀以降の世の中を動かしていくものは何であるか」ということを予言した映画でもあるのです。
二十世紀は「戦争の世紀」でもありました。また、十九世紀の後半以降は「唯物論の世紀」でもありました。唯物論によって科学は発展しましたが、その代わり破壊や殺戮が増えたため、二十世紀は、全体的に見て、戦争の世紀だったと言えるでしょう。
それでは、二十一世紀以降は、どうなるのでしょうか。
科学がより進化することは間違いないでしょうが、それだけではありません。戦争の世紀が続くわけにはいかないので、揺り返しとして宗教が復活してきます。ただ、復活する、その宗教は、昔返りの宗教であるはずはないのです。それは科学と同居できる宗教です。
すなわち、「科学と宗教の融合」が、二十一世紀以降の未来社会の一つのモチーフ(主題)なのです。
映画『永遠の法』は、未来の予言でもあり、「未来は、こういう社会になります。これからの社会を引っ張っていくパラダイム、考え方は、科学と宗教の融合です。信仰というものが、ユートピアを実現するための力を、もっと持つ世界がやってきます」という強いメッセージを発しています。
このように、映画『永遠の法』は、「来るべき社会が何であるか」ということを教えているので、その内容を他の人より先に理解した人は、これからどのような社会が来るのかが分からない人に対して、よい導き手になれるのです。
心を澄ませば未来のビジョンが見えてくる
「リーダーシップの根源は何か」ということについて、世の一般的な経営論や仕事論では、いろいろな見解が述べられていますが、私としては、やはり、「リーダーシップの根源は先を見通す能力である」と考えます。
それは、マクロ的には、時代の先を見通す力であり、ミクロ的には、自分の職場や家庭で他の人たちに一歩先を教える力です。
そういう力を身につけるためには、常に自分の内面を振り返り、その静かな時間のあいだに、「未来を見通そう。先を見通そう」という思いを持って、将来のことを考えていくことが必要です。
そうしていれば、未来のビジョンが見えてきます。職場のことや家族のこと、未来社会のあり方などが、心を澄ませば見えてきます。
先が見えた者が次の時代のリーダーなのです。