蓄積効果

人生の目的は、今世において、どれだけ多く魂の糧を得て、人格の向上を果たし実在界に還るかであって、1年間で悟ることでもなく、1年間で地上を去ることでもない。

たしかに、何かを1年間でマスターせよと言われれば、達成の早い遅いは必ずあるが、もっと長い射程に考え方を切り替えてみるとよい。そうすると、努力を続けていくうちに、「累積効果」(「蓄積効果」)によって、次第しだいに効果が出るのが早くなってくる

 

幸福の科学大川隆法総裁は、『常勝思考』で以下のように説かれました。

「みなさんのなかに、仏法真理の学習に関しては頭が痛い人もいることであろうと思います。「時間がなくて本が読めない」「試験の出来が悪い」などと、けっこう悩んでいると思うのですが、短期的に切ってみれば、人間には確かに能力の差があると思います。たとえば、何かを「一年間でマスターせよ」と言われれば、達成の早い遅いは、必ずあると思うのです。
 ただ、目的は、一年間で悟ることでもなく、一年間で地上を去ることでもありません。今世において、どれだけ多く魂の糧を得て、人格の向上を果たして実在界に還るかということが目的なのです。
 短期的に焦りを招いて失敗することは数多くありますが、長期的観点に切り替えていくと、いろいろな考え方があると思います。
 ものごとの達成度や能力を測るのに、決して一年間で切って測ることが正しいとは限りません。また、三年間、あるいは四年間で測ることも、正しいとは限らないのです。そうであれば、射程距離をもっと延ばしていけばいいのではないでしょうか。他人が一、二年勉強して飽きてしまうようなことを、投げ出さずに、もっともっと長い射程で考えていけばいいのではないでしょうか。そのように考え方を切り替えてみてください。
 そうすると、長距離ランナーに切り替えたはずであったのに、次第しだいに、結果としては逆になってきます。意外にも、意図したものとは逆に、短距離ランナーであったかのように、効果が出るのが結果的に早くなってくるのです。不思議なものです。
 この不思議さを現わしているのは、おそらく累積効果というものだと思います。蓄積効果と呼んでもけっこうです。本来は凡庸な方であって、「自分はなんとのろまなのか。なんと遅いのか」と思っても、努力して続けていくうちに、累積の効果、蓄積の効果というものが出てきます。それは不思議なものです。一定以上の修行、いわばためをつくっていくと、いままであれほど遅いと思っていた自分が、だんだん速く結果を出せるようになってくるのです。まことに不思議なことですが、そうした効果があります。
 麹菌とお米とを混ぜて寝かしておけば、やがてお酒になるのと同様に、おそらくは、瓶に入れてためるように、自分のなかに蓄積しておいたものが、ある時期になると発酵してくるのでしょう。思わぬところで発酵が始まって、それが力になってくるということがあるのです。そのような発酵の効果が出てくるまでには、一定の年数がどうしても要るように思います。
 他の食べ物などでも同じでしょう。何年間、寝かしたかということが、その価値になるものがあります。ワインなどのお酒でも、“○○年もの”などと年数で価値を表します。あるいは鰹節などでもそうです。鰹を食べるのであれば、生のほうがおいしいのかもしれませんが、鰹節にするのであれば、獲ってすぐのものではだめです。鰹を乾燥させて寝かして、カビが生えるのを待つのです。カビを生やしたもののほうが風味がいいからです。そうして熟成させていきます。
 そのように、一定の期間、寝かしていたものが、まったく別のものに変わる瞬間というものがあるように思います。」
(216~219ページ)

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