「水平思考」を身につける

   未来への羅針盤 ワールド・ティーチャー・メッセージ No.207

 基本的に「空の袋立たず」と言いますが、内容がないものは外に出せないということです。「外に出てこない」ということは、中身がないことが多いのです。逆に「外に出てくる」ということは、中身があるということです。中にあるから、外に出てくるということなのです。ですから、中身をつくるための個人の努力が必要な部分はあると思います。

 大きな仕事を成し遂げられるかどうかは、才能の問題もあるかもしれないし、いろいろな条件もあるかもしれません。しかし才能がないように思えても、自分で努力を続けていけば、新しい才能ができてくることもあるのです。

 才能があるかないか、というような判定は難しいのですが、基本的には「興味・関心が持てるかどうか」にかかっているのです。興味・関心を持てると、そこから才能ができ上がってくるのです。興味・関心を持つと、関係する事柄を調べたり勉強したりと、努力するようになるので、才能が出てくるのです。

 あなたの言う「水平思考の能力を高める」というのは、興味・関心の幅を広げていくということになります。

 興味・関心を広げる方法の一つは何かということですが、テレビの番組でもいいし、新聞でも本でもいいし、私の説法でもいいのですが、何かを読んだり聞いたりして、すごく関心のあるものが見つかったら、それに関連するものを勉強していくことです。つまり、「蔓っ手繰り」で勉強するということです。

 すると、次の本を読めば、そのまた次に読むべきものが出てくる、というように、関連するものが順番に出てきます。こうしているうちに、その方面の専門知識が増えてきます。これが水平思考的な考え方の一つであって、蔓を手繰っていくような感じで勉強していくのです。

 一度に全部やろうとしてもできませんので、まず、自分が関心を持っているところを掘っていくことです。すると、それに関連するものがたくさん出てきます。これが大事なところで、何に興味・関心を持つかが、結局、あなたの可能性を示しているのです。興味・関心を持ったものを忘れないようにしてください。

 

「アイデア人間」になるには ひらめきをメモしておくこと

 それから、一日のうちで、自分がひらめいたこと、アイデアが出てきたようなことを書き留めて残しておくことが大事ではないかと思います。どんなことを思いついたか書き留めて残して、それをずっと見てみることです。

 たとえば、一週間の間に自分が思いついたことをいろいろと見ていると、自分がどういう人間であるかが分かってきます。「自分はこんなことに関心を持っている人間なんだ」ということが分かり、「こういう人間であれば、やはり、こういうことをすべきだ」ということが見えてきます。

 言葉を換えて言えば、水平思考を広げたいと思えば、「アイデア人間」になるということなのです。

 アイデア人間になるためにはどうしたらいいか。それは、一日のうちに克明なひらめきがあったら、メモをつくって残しておくことです。アイデアはすぐに消え去ってしまいますので、ひらめいたことをメモしていき、それを溜めていくと、アイデアの塊がたくさんできてきます。それが、あなたの次の発想になってくるので、そのアイデアを大事にしてください。

 「アイデアは、どういうときに出てくるか」ということですが、やはり、何かを一生懸命やっている状態の合間に、フッと出てくるようなものであって、何もしない人間には、アイデアは出てこないのです。実は、アイデアだけ求めてジーッとしていても、アイデアは出てきません。そうではなくて、何かを一生懸命やっている途中で、「パッ、パッ、パッ」と湧いてくるものなのです。そのあたりを、よく覚えておくといいでしょう。

 興味・関心、それからアイデア。このあたりについて思いを巡らせておけば、水平思考の力を高めることができると思います。

参考

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