エグゼクティブになるための心得
人生の羅針盤 第137回
自分の失敗でなくても頭を下げられる人は器が大きい
私も上司の立場になり、人を使うようになると分かりましたが、弁解する人というのは、やはり嫌なものです。
「おまえは駄目だ」と叱ると、「いや、これは私ではありません。あいつがやったんです」と弁解するような人をエリートと認識するのは難しいものです。
もちろん、それが、実際に部下のやったチョンボだったり、たまたま、ほかの人が指示したために失敗したようなこともあるかもしれません。
ただ、たとえ、それが自分の失敗ではなく、ほかの人の失敗であったとしても、それでも、注意されたら、「すみませんでした。申し訳ありませんでした」と素直に聴く人のほうが、やはり、人間としてはできているように見えます。
その問題については、あとで真実が分かることもあれば、分からないままのこともあるでしょう。いずれにしても、自分の失敗ではないにもかかわらず、怒られても耐えられる人は、器が大きいと言えるでしょうし、上司たるべきものは、そうあるべきかもしれません。
「部長や課長は知らない」という問題など、いくらでもあります。実際には課員の失敗であることも多いでしょうが、それでも、部下の代わりに自分が怒られ、「いえ、これは私の失敗です」と頭を下げ、受け入れることのできる上司は偉いと思います。
部下のミスについて、「あいつのせいだ」と、そのまま部下のせいにするような上司だと、人はついてこないかもしれません。
たとえ、その問題が自分のミスや責任ではなかったとしても、上司としてもっと努力していれば、事前に問題を感知できたかもしれないし、問題が起きないように手を打てたかもしれないのです。