受験秀才

 受験勉強ができて、学歴が高く、周りの人から期待されているのに仕事ができないという人は、実際に何割かはいる。

 そういう人たちには、第一に、気配りができないこと、第二に、勘が鈍いこと、第三に、イマジネーション(想像力)がないこと、のいずれかの特徴を必ず持っている。

 第一の気配りができない、という中には、イデオロギー性が非常に強い人が入っていることもある。

 幸福の科学大川隆法総裁は、『不況に打ち克つ仕事法』で以下のように説かれました。

「ところで、世の中では、受験秀才は出世しやすいように思われていますが、受験秀才であっても、出世しない人もいます。そういう人を見ていると、だいたいの共通項として、一つには「気配りができない」ということがあります。勉強ができても、気配りができない人はやはりいるのです。
 次は、「勘が鈍い」ということです。こういうタイプもいます。勉強ができて、参考書の内容を覚えたり、問題集を解いたりすることはできても、勘の鈍い人はいるのです。
 さらには、「イマジネーション(想像力)がない」ということが挙げられます。およそ、この三つに尽きると言えます。
 このような、「受験勉強ができて学歴が高く、周りの人から期待されているのに、仕事ができない」という人は、率的に見ると、五割は超えませんが、三割ぐらい、あるいは、もう少しいるかもしれません。「この世的に学力がある」と評価された人のうち、六、七割ぐらいの人はそれなりの仕事をしますが、一定の率で、どうしても“空振り”をする人がいるわけです。
 「自分は、これほど高学歴なのに、どうして人の評価が低いのかな」「昔は、あんなに勉強ができたのに、どうして成功しないのかな」と思うのであれば、まず、自分は気配りができているか、点検する必要があります。そういう人のなかには、イデオロギー性の非常に強い人がいます。
 例えば、マルクス・レーニン主義を信奉している政党の人たちが、そうです。戦後、資本主義が発展し、繁栄した国の一つである日本というところで、その思想を当てはめたならば、結論がすべて反対になることがあります。
 このタイプの人のなかにも、よく勉強した人はいます。共産主義や左翼系の哲学を勉強したような人です。ただ、「そうした勉強がよくできる」ということと、「現実世界に、その考え方が合っているか」ということとは、別の問題なのです。
 次に、書類仕事に関しては、非常に判断が速いし、仕事も速いのですが、「この人は何だかもの足りないな」と思える人がいたならば、その人は、だいたいイマジネーションがありません。
 書類はつくれても、例えば、「この仕事を実際にやってみたら、どうなるか」「この書類に基づいて、大勢の人が動き、お金を使った結果、どうなるか」ということが想像できないのです。受験勉強においては、瞬間的判断を要求されることが多いので、受験的に頭がよい人は、そういう能力は持っています。しかし、「判断したあと、どうなっていくのか」ということについては、あまり教育されていないので、そこで躓(つまづ)きが起きやすいわけです。
 もし、「自分は頭がよい」と思っているのに、不遇をかこっている人がいたならば、「自分は、人に対する気配りができないのではないか」「勘が鈍いのではないか」「イマジネーションがないのではないか」ということを振り返っていただきたいのです。この三つを点検したら、必ずどれかに当たります。」
(185~191ページ)

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