職場の嫌いな人と付き合うヒント とにかく相手の感情を肯定することが大切

 社会では、苦手な相手と それなりにやっていかざるを得ないものですが、まず、自分が「マル、マル」になろうと決意することが大切です。そうすれば、そんなあなたに相手は感化されます。 では、「マル、マル」になるにはどうしたらよいか。それは、「マル、マル」な人と付き合って、「マル、マル」という生き方以外ありえないという常識を身に着けるのが一番です。

 

笑顔や温かい言葉が必要

 人間関係がこじれるのは、相手が自分に従わないとか、相手から同じ考え方や価値観を持つよう強制されたときでしょう。そんなとき、叱ったり批判したりすると、相手は表面上変わったように見えるかもしれません。しかし、相手の心は変わるどころか反発するので、いよいよこじれてしまいます。

 人間関係を良くするには、他人を「マル」と考えること、つまり、意見の違いがあっても、相手の感情だけは肯定することが大切です。 この行為を心理学用語では「承認」といいます。

 承認の応用例としてはクレーム処理が挙げられます。お客様は「返品する」「金を返せ」といろいろなことを言います。受け入れられないクレームに対しても、相手の感じたに違いない感情だけは積極的に肯定し、相手が落ち着いたところを見計らって、「では、こういうやり方で対応させていただくのはいかがでしょう?」などと言えば、極端なクレーマーでもない限り「この人は誠意があって好意的だ」と怒りが収まるわけです。

 まず相手の感情を肯定すること。そうすれば、考えという理性の部分はけっこう調整が効くものです。 感情が無意識の働きで、理性が意識の働きですが、感情(無意識)が圧倒的に理性(意識)に優先します。良い人間関係を築くには、相手の感情を肯定し、いたわってあげればよい。

 その具体的な方法が「笑顔」や「温かい言葉」による承認です。 相手の感情をいたわる承認の言葉によって、相手は意気に感じ、動いてくれます。また、承認には必ず承認が返って来ます。承認が承認を呼んで、承認が文化として根付いている組織は、雰囲気が良くて業績も良いものです。

 

自己承認できて幸せになる「立志」も不可欠

 また、自分自身を「マル」と考えることを自己承認と言います。 人は自分を肯定し、いたわることで、はじめて幸福感を感じ、自分の能力を十二分に発揮できるようになります。

 自己承認できるためには、志を立てる「立志」も欠かせません。人間は、漫然と生きて自分をいたわるだけの人生では心からの喜びを得られない。志や使命を持っている自分こそ、心から承認し、愛せるわけです。

 人間は進化するために、志や使命を持つようプログラムされているのでしょう。

 

人間関係を良くするには一円もいらない

 長引くデフレ不況で、企業がリストラを進めている現在は、この割合はもっと増えているのではないか。

 悩みを抱える人のなかには、「一日も早く、嫌いなあの人が目の前からいなくなればよいのに・・・」と考える人もいるかもしれない。「嫌いな人」がいると、自分自身の心が波立ち、落ち着かない日々が続く。だからといって、そうした悩みが一切存在しないことが本当に望ましいかと言えば、そう言えない面もある。

 幸福の科学大川隆法総裁は、人生の基本的な二つの目的として、「自己発見の旅」「他者とのかかわり」を挙げ、次のように指摘する。

「他の人の存在がなく、自分一人だけでいても、自分自身を知ることは、なかなかできません。考え方や意見の違う人、好きな人や嫌いな人など、いろいろな人がたくさんいて初めて、自分自身というものが分かります。他人は自分の思うようにならないものですが、いろいろな人がいるということは、自分自身を教えてくれるという意味で、ほんとうにありがたいことなのです」(『幸福の法』)

 

必要なのは心の態度を変えること

 「他者とのかかわり」自体が人生の目的の一つであるならば、人間関係の悩みは各人が乗り越えるべき人生のハードルと言えるだろう。

 与えられた環境のなかから何かを学ぼうとする姿勢であり、また、嫌いな相手を変えるのではなく、すべて自分の態度を変えているという点です。

 大川隆法総裁は、人間関係についてこうも述べている。

「人間関係を良好にし、幸福な方向へ導くには、一円のお金も要らないし、汗水垂らして努力する必要もないのです。必要なのは、心の態度を変えること、そして、具体的な、ささやかな好意を示してあげることです。それが大事です」

 人間関係を良好にするのは さまざまな方法やアプローチがあるだろう。だが、最終的に行き着くところは、自分自身の「心の態度を変える」ことであり、すべての問題の解決のヒントがそこに集約されているのです。

 もし、あなたやあなたの身近に人間関係で悩んでいる人がいれば、ぜひ、「心の態度を変える」こと、または、その導入として参考に良好な人間関係を築くことにチャレンジしていただきたい。

 

人間関係に悩む人に贈る「一転語」

「粗探しをやめて、相手の長所を認め、相手をほめる気持ちを持つことです。それを口に出して言うことができないならば、心のなかで思うことです。そうすると、相手のほうも、ちょうど同じ時期に同じようなことを始めます。」(『希望の法』p.162)

「自分がきらいになる人や、自分と対極にある人のなかにこそ、学ぶことは多いのです。」(『人を愛し、人を生かし、人を許せ。』p.125)

「自分とよく似ている面があるからこそ、その人の嫌な部分が非常によく見えてくるのです。自分と似ていなければ、本当はその人の短所は分かりません。」(『勇気の法』p.171)

「みなさんを苦しめているもののなかに、人に対する裁き心や憎しみ、怒りなどの感情があったなら、どうか、それを乗り越えてください。「許す」ということは、あなたが幸福になるために必要な条件なのです。」(『ストロング・マインド』p.133)

「人を愛するほう、人に与えるほうに思いを切り替えたならば、その「観の転回」をすることによって、結局、人生において不幸が消えていくのです。むしろ、それは幸福の創造なのです。」(『幸福の法』p.154)

参考

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