市場環境変化を分析

1 市場の変化の分析

 マクロ並びにミクロの環境の変化を受けて、市場がどのように変化しているかを分析します。
 市場環境の分析に関しては、可能な限り第三者機関の情報を活用して客観性を維持します。
 現在は、インターネットの普及により多くの統計関係資料や市場予測に関する論文などを簡単に入手することができるので、これらを有効活用するとよいでしょう。
 注意点は、一つの資料だけで判断しないようにすることと、成長率などの定量的要因での将来予想に関して その予想の根拠となる前提条件を把握することです。

 

2 市場規模の変化

 市場規模の変化は出荷統計や生産統計などを基に分析します。
 業界団体・シンクタンク・金融機関のリポートなども有効です。
 市場によっては、正確な数値が把握できない場合もありますが、詳細な数値にこだわるよりも、市場全体がどのような変化をみせているかを把握するほうが重要です。

 

3 市場の成長性

 市場の成長性に関しては、市場全体の売上高の変化でとらえます。ただし、市場によっては、売上高よりも出荷台数などで判断したほうがトレンドを把握しやすいケースもあります。
 特に商品の価格の見直しが頻繁に行われるような市場では、単純に売上高だけでは実態を把握し切れないケースがあります。そのため、可能な限り金額ベースと出荷台数ベースの両面で検討することがポイントです。
 また、サービス業や小売業では、出荷台数に代わるものとして出店件数や従業員数などを活用するとよいでしょう。

 

4 市場の収益性

 市場の収益性に関しては、業界全体での経常利益率の変化だけでなく、業界の主要企業の営業利益率や経常利益率の平均値の変化についても把握しておくことが重要です。成長期にある業界においては新規参入業者が増加し、収益性の低い中小規模による企業層が大規模に形成され、業界全体での収益性を実情以上に低下させるケースがあるためです。
 業界全体での収益性の変化に関しては、業界団体・シンクタンク・金融機関のリポートなどから過去の推移と将来の予想を検討していきます。
 日本経済新聞社の「日経経営指標」、中堅・中小企業に関しては、TKC全国会が発表している「TKC経営指標」、中小企業庁編、中小企業診断協会発行の「中小企業の財務指標」なども使いやすい資料として挙げられます。

 

5 販売価格の動向

 技術的なイノベーションや製品モデルチェンジが少ない業界では、特定仕様の製品を標準品として規定し、その価格変化を追います。
 一方、技術的なイノベーションやモデルチェンジが頻繁に起こる業界においては、売れ筋商品の価格帯を標準価格の推移として把握していきます。
 販売価格の動向を把握することが難しいサービス業においては、業界団体などが発表する顧客1人当たりの売上高の推移などから判断してみるのも一つの方法です。

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