ブランドの基本戦略

 フィリップ・コトラーによる分類です。製品を市場に投入する場合、その製品のカテゴリーを、(1)既存商品と同質/異質、(2)新たなブランドを採用するか/しないか の2軸で、ブランド戦略を4パターンに類型化しました。

1 ライン拡張

 既存の市場に、既存製品の色や形、サイズ、原材料、風味などを変えた製品を投入することをいいます。従来の戦略の延長および強化策であり、すでに知名度のあるブランド名を使うので、もっともリスクの少ない戦略といえます。

例:マクドナルド・・・

 同じ製品カテゴリーで、定期的に新メニューを販売しています。

 

2 ブランド拡張

 既存市場に新製品を投入する方式です。すでに知名度のあるブランド名を使い、新規または改良品を売り出します。価値が下がってきた従来ブランドを廃止し、新規性をアピールすることもできます。

 一方、自社製品間でカニバリゼーション(共食い)を起こす可能性もあります。また、消費者意識におけるブランド固有のポジショニングが失われる可能性もあります。

例:ホンダ・・・

 自動車・オートバイ・船舶エンジン、スノーモービル等、様々な製品にホンダというブランド名を使用しています。

 

3 マルチブランド

 新たなブランド名で、既存の製品と同じカテゴリーの製品を投入します。店舗において、より多くの商品陳列スペースを確保することができます。また、姉妹ブランドや国別ブランドの構築がしやすく、ブランドスイッチする顧客を留める効果があります。

 一方、カニバリゼーション(自社製品間の共食いのリスク)を起こす可能性があります。

例:ファーストリテイリング・・・

「ユニクロ」と「GU」2つのブランドを展開しており、それぞれのターゲットが異なります)

 

4 新ブランド

 新規市場に対して新商品を投入します。既存ブランド名がふさわしくないような新しい製品カテゴリーに新規参入する場合、新しいブランド名をつけるという手段です。
 他のブランド戦略よりもコストが増したり、経営資源が分散化しやすく、もっともハイリスク・ハイリターンといえます。

例:マンダム・・・

 GATSBY LUCIDO Bifesta Simplityなど、男女別、製品別に異なるブランド名を採用しています。

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