仕事の75%は標準(定型)化できる
生産性の向上と効率化
日本の労働生産性は低いと言われているが、その理由に効率化が挙げられる。
・価格に転嫁されない部分にコストをかけすぎる
・日本だけにしか通用しない商品サービスのガラパゴス化
・形骸化された会議、アリバイのための書類
・人の評価があやふやなので能力も育たない
など、生産性の悪化に拍車をかけている。
生産性の低さには、業務の標準(マニュアル)化が挙げられ、長時間労働も業務が標準化されていないことに起因する。
人口減少に拍車がかかる今、中小企業だからこそ限られた現有資産を効率・効果的に活用することが求められています。
経営に関するツール
あなたは日々の仕事をただ漫然と行っていないだろうか。
日常業務の中で、「その業務は本当に必要だろうか」「もっとシンプルにならないだろうか」「この部分はもっと無駄を省けるのではないだろうか」「他の誰かに代わってもできないだろうか」「他の部門の人間が見てもわかるだろうか」など、工夫や改善策を考えながら仕事をする必要がある。
そのためには、よくいわれている見える化や標準化といった言葉です。日々の業務を勘と経験に頼ることなく行うことができれば こんな楽なことはありません。
それより、会社にとって重要なことは、収益に直結した付加価値業務の時間を作ることです。
経営に関するツールをゼロから作ることは至難の業であり、その必要はありません。真似ることから始めてみましょう。
仕事の75%は標準(定型)化できる
定型化できる75%の中身を見てみましょう。
チェックシートは、現状を把握や今後何をすべきか必要なのかを目に見える形にするツールです。
人は頭だけで処理出来る容量は少なく、客観的に具現化することでミスやトラブルを防ぐことが出来るのです。
残りの25%は付加価値業務となります。
この75%を標準化することで、業務の生産性は飛躍的に向上できるのです。
これから日本においても外国人労働者の受入れ拡大が始まります。そのためにも自社の業務を標準化することは緊急課題です。
米国と比較した労働生産性においても業務の効率化が挙げられます。
米国の多くの企業では、業務のかなりの部分をマニュアルに頼っているのが現状です。会議通知の時点においても、アジェンダ(協議事項)を書くようなフォーマットになっているそうです。会議を開始すると、まずは会議の目的とアジェンダの確認、決定事項、決裁者をみんなで読み上げて確認です。これを見てもお分かりのように、各業務のルールが明確に決まっていないということです。結果として、生産効率の悪化を招いているのです。
なぜチェックシート・リストが欠かせないか
チェックシートというと、製造業における品質管理を保持向上するためのツール「QC7つ道具」を思い出す人もいると思います。
その中のツールのひとつで、業務品質を担保するため(仕事の抜け漏れがないようにするため)のものがチェックシートです。
今まで、チェックシートは主に製造業で使われてきましたが、今では非製造業においても重要なツールとして使われてきてはいます。
しかし、いまだ多くの中小企業が勘・経験に頼ったやり方が多数を占めているのが実態です。
例えば、
・会社の顔となる電話対応の基本ができているか
・一日に売上処理を何回し、具体的にどんな作業をしたかを記録しているか
・営業マンによる取引先の経営状況のチェックは行われているか
・5S活動はしているが、評価はしているか
・クレーム対応は原因の調査と再発防止などの対応策を講じているか
・パワハラ防止が掛け声だけで対策を講じているか
・業務スケジュールに則って仕事を進めているか
・営業マンが収益に直結した行動かどうかの管理ができているか
・企画立案が我流や思いつきで行われ手順に沿って実施されているか
・取引先訪問時には相手先社内の環境をチェックしているか
・新入・中途社員の採用における仕組み(手順)はあるか
・自社商品の分析(強み・弱み)は定期に見直しされているか
・部門ごとの業務の見直し(ムダ・ムラ・ムリの排除)はされているか
・会社を守る社内規程・規定の整備は万全か
等々、シンプルで、作業・業務の抜け漏れを防ぐことができ、いつ、だれが行ったか、ダブルチェックはあったのかなども記録でき、業務の効率化には欠かせません。
どんなに業務に習熟しているとしても、品質低下や納品遅れ・漏れを防止するために、必ずリストにチェックを入れながら作業を進めます。
エラーやムダを防止し、効率的な経営を目指すためにも、ここに挙げたツールを自社用に加工し活用することをお勧めします。
チェックリストの効果
・仕事のモレがなくなる
・人に仕事を任せられる
・不必要な思考がなくなる
・何ができないかが明確になる
・やったかやっていないかが明らか
・ハイパフォーマーと同じ行動をとることができる