シナジー効果

 シナジーとは、2つ以上のものが相互に作用し合い、1つの効果や機能を高めることをいいます。別名「相乗効果」とも呼ばれています。

 

「シナジー効果」とは

 「シナジー効果」とは、販売や設備、技術などの機能を多角的に活用することで利益が相乗的に生み出されるという効果をいいます。複数企業の連携や共同運営により単独よりも大きな結果を出すこともシナジー効果のひとつです。

 複数の企業が連携したり共同で運営を行ったりすることで、単独で行動するよりも大きな結果を出すことが期待できます。

 また、企業活動において、分業化など職能分担をすることによって個々の活動を合わせるよりも生産性が向上します。シナジー効果を上手く活用すれば2倍、3倍の利益を企業にもたらす可能性もあるのです。

 算数の計算で「1+1=2」になるのは当然であり、シナジー効果とはいえません。シナジー効果は「1+1」という計算式の答えが3にも4にもなる状態を指しているのです。しかし、連携した企業同士でお互いの社風が合わなかったり、新事業に着手しても畑違いでうまく経営することができなかったりすることもあります。効果を最大限発揮するためにしっかり計画を立て、慎重に進めていくことが大切です。

 

ビジネスで期待される「シナジー効果」

 シナジー効果を上手く活用することで、ビジネスにどんな効果をもたらすことが期待されるのでしょうか。企業の経営は複雑で、期待されるシナジー効果もそれぞれ異なります。

1 コスト削減

 事業提携やM&Aにおいて期待されるシナジー効果にコスト削減が挙げられます。仕入や販売、物流、製造、間接費、研究開発などに関わる業務の集約化や重複する設備の削減で効率化をはかり利益が最大になるようにするのです。

 具体的には、これまで重複していた店舗の統廃合を行うことでの販売コストを削減したり、経理などの管理部門を一つに集約し間接部門費を削減したりすることなどをいいます。

 また、業務提携などで仕入れ先を共通化することで、商品をより安く大量に手に入れることができます。大量に仕入れることで価格も安くなり、仕入れ先との値段交渉も少量を購入する場合よりも有利に進めることができるようになります。

 

2 流通チャネルの拡大

 流通チャネルとは企業から顧客に商品が届くまでの経路のことです。シナジー効果によって流通チャネルにどのような効果が期待できるのでしょうか。

 例えば、東日本でビジネスを展開するA社と西日本でビジネスを展開するB社がお互いの商品を相互に販売する営業提携をしたとします。A社はこれまで販売出来ていなかった西日本の顧客を獲得することができるようになり、反対にB社は東日本の顧客を獲得することできます。

 このように、地理的条件や顧客ターゲットが異なる企業間で業務提携することにより、新しい市場や顧客を増やすことが可能になります。

 

3 時間の節約

 1つの企業だけで人材を集めたり、ノウハウを確立したりすることは大変な労力を要すると共にとても時間がかかる作業です。事業提携やM&Aによって、相互に人材やノウハウ、ブランドなどの経営リソースを得ることが出来れば、効率よく2倍、3倍以上の利益を生み出すことが可能になります。そうすることで、時間の節約となり、大きなシナジー効果を生み出すことが出来ます。

 

シナジー効果を生み出す方法

 企業がシナジー効果を生み出すためには何らかの方法で他社、もしくは企業内の他事業部と協働、統合する必要があります。そのためには以下の方法が一般的です。

(1)業務提携

 業務提携とは、異なる商品、サービス、技術をもつ企業同士が提携し、お互いの足りない部分を補い合い、それぞれの経営課題を解決する方向にもっていくことをいいます。

 業務提携することで お互いのノウハウを共有することが目的です。特に経営ノウハウの共有は生産性の向上や市場の開拓などに高いシナジー効果を発揮することができるでしょう。

(2)M&A

 M&Aは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略です。企業を買収、合併して新たな価値の創造を目指すことをいいます。

 合併することにより仕入れ先を共通化することが可能です。それが仕入れのコスト削減へとつながります。また、生産性向上による新たな価値の創造、事業譲渡における繰越欠損金の特例などが挙げられます。

 M&Aには、そのほかに、売り上げアップやリスク分散、財務力の向上など多くのメリットがあります。

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