外食や小売りなどの接客業も「無人化」の時代 人間にしかできない仕事とは

さまざまなサービスが自動化・機械化される流れの中で、人手不足に直面する外食や小売りなどのサービス業、接客業でも、ロボットや機械が業務を肩代わりする動きが広がっている。

 

企業も客もWin-Winの無人化ロボット

 回転ずしチェーン「はま寿司 浦和店」(さいたま市)では、ソフトバンクグループの人型ロボット「ペッパー」が客をお出迎え。タッチパネルに人数や希望する席の種類を入力するとペッパーが案内してくれる。

 また、JR東日本のコンビニ「NEWDAYS」は数年前から素早く精算できるセルフレジを導入。商品をレジの前の所定の場所に置き、機械にバーコードを読み取らせると、商品名と金額が液晶画面に表示され、ICカード「スイカ」などで決済できる。混雑時にスムーズに会計をすることで、客の取り逃しを防ぐことができる。大手コンビニチェーンのローソンでは、さらに袋詰めのサービスも付け加えた無人レジ機「レジロボ」を徐々に導入している。

 

「目に見えない価値」の提供が人間の強み

 単純な作業であれば、機械の方がミスも少なく、人材養成にかかる時間も費用も節約できる。コンビニやファストフード店などでボトルネックになっているのは人材確保とコストであり、無人化の流れはもはや不可避かもしれない。

 しかし、コンビニ最大手のセブン-イレブンは、「フレンドリー・サービス」を大事にしており、「接客はお客さんとつながる重要な業務」として、現時点で無人レジ機の導入予定はないという。イギリスなどの欧米諸国に比べて、日本は機械化や無人化に後れを取っているが、その理由は、おもてなしや心のこもったサービスを大事にするマインドが強いからではないだろうか。

 私たちの社会を便利かつ安全にしてくれるロボットやAIなどの技術の進歩は望ましいことだ。ロボット産業は、今後、基幹産業に育っていく高成長分野でもある。単純な仕事をロボットにしてもらえれば、人間はもっと高付加価値の仕事に専念することができる。企業の経営者は今後、さまざまな仕事について、人工知能(AI)を搭載した機械に移行するかどうかの決断を迫られるようになるだろう。

 そうした流れの中で、AIや機械に取って代わられることのない、付加価値の高い仕事が求められるようになることは必至です。

 人間にあってロボットにないものは、たとえば「人を幸福にしたい」という他者への愛の思いや、自分の頭で考えて、新しいものを生み出す「創造性」などだ。こうした目に見えない価値が重要になる仕事は、いくら技術が進歩してもなくなることはない。人間にしかできない仕事とは何か、どうしたらその能力を高められるかを追求していくことが今後ますます必要になるだろう。

参考

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