マーケティングとは何かをつかむ

 経営不振の原因の一つとして、変化する顧客のニーズを満たせていないこと

 今、業界のけん引役であるはずの企業が苦しい経営を迫られている。消費増税の影響や円高など、経営不振の原因は様々で業界や企業ごとに違うかもしれないが、その一つに、変化する顧客のニーズを十分に満たせていないことがあるのではないだろうか。

 幸福の科学大川隆法総裁は、近著『実戦マーケティング論入門』で、マーケティングの秘訣についてこう述べている。

「お客さんがショーウインドーを見て店に入り、買い物をするかどうかということには、『ショーウインドーのマネキンに着せる服が、時期や、その日のお客様の感度、あるいはニーズに合っているかどうか』、つまり、『店員が、合っているものを出せているかどうか』ということが極めて大きいのではないでしょうか」

 モノが売れない時期だからこそ、顧客が求める商品を開発できるかどうかが、会社の生き残りに関わる重大な問題となる。

 顧客のニーズは多様で、住んでいる地域、性別、年齢などによって変化する。画一的な「サービス」「販売」などの”役所仕事”を行い続けていても、それらを満たし続けることは困難だ。「マーケティング」を通して「顧客の立場」で「顧客が何を求めているのか」をキャッチできる企業が今後大きな成功を収めていくだろう。

参考

「デパートの服売り場にしても、やはり、ノルマはあるはずです。月の売上目標は幾ら、一日当たりの目標は幾らということと、従業員が三人いれば、それぞれの人に対するノルマはあるわけです。
 もし、お客さんから「これを売ってください」と言われているにもかかわらず、今日の目標をすでに達成しているからということで、従業員が「また明日来てください」と言ったら、お客さんはどんな気持ちになるでしょうか。
 当会においても、教えとしては、経営学等の話のなかで、「顧客第一主義」「相手の立場を考えよ」「与える愛」「利他」といったことが説かれています。しかし、それをどれだけ教えていても、現実の仕事になれば、そうなってはいないことがいくらでもあるということを知らなければいけません。要するに、すべてが自分中心になっているのです。組織においても、自我が中心になっていることはいくらでもあります。これらがすべてのレベルを落としているわけです。
(『凡事徹底と成功への道』より)

 

お客様の視点

 対話をするといっても、ただ単にお互いの趣味や世間話をするのでは、あまり価値があるとはいえない。

 お互いをよく知ることは無意味ではないが、対話の内容はやはり「いかにして自分たちの仕事の質を高めるか」ということに徹していただきたい。
 その際のポイントは、視点をお客様において議論を進めることです。自分たちの仕事の価値の提供先、受け手の側から考えることです。

 教育であれば「生徒にとってどうか」「生徒にとってベストか」という視点で考える
 ことです。
 医療であれば「患者にとってどうなのか」、行政であれば「住民にとってどうなのか」、企業であれば「お客様に喜んでいただけるのか」という判断軸で考えることです。

 お互いに顔をつきあわせて、「どうしたらもっとお客様に価値を届けることができるのか」について自由に討議することです。
 以上のことが実現できたら、組織力は驚くほど向上するでしょう。

 しかし、現実には、このようなことに時間を割く企業などほとんど存在しないといってもよいでしょう。

 日々、目の前の問題の処理や対処に追われ、お互いをわかり合うために時間を使っていないのが実状です。
 なかなか対話に時間を割けないのはわかりますが、それは対話がいかにすばらしい効果をもたらすかを知らないからだといえるのです。

 真にコミュニケーションの重要性を認識していないからです。

 

顧客のメリット

 事業を進めて行く中で、自社と競合他社しかいなければ、自社の状況と競合他社の状況を把握しておくだけでよいかもしれません。 

 しかし、そこに顧客がいなければ事業自体が成り立ちません。「顧客の立場」での視点も事業計画書に盛り込む必要があります。どのような「顧客のメリット」があるかを書いていくことになります。

 

マーケティングの4C 

 顧客の目線でマーケティングを考える方法として、「マーケティングの4C」があります。

4つの異なる視点で見ていくと、「顧客のメリット」が明確になるというものです。

 ・Customer Value(顧客にとっての価値)

 ・Cost to the Customer(顧客にとってのコスト)

 ・Convenience(顧客にとっての利便性)

 ・Communication(顧客とのコミュニケーション)

 

Customer Value(顧客にとっての価値) 

 生産者だけの視点で考えると、顧客の立場を忘れた製品・商品となってしまい、売上が上がらなくなってしまいます。そこで、「顧客にとっての価値」を考えることから始めます。

 「顧客にとっての価値」とは、その製品・サービスが「顧客のどのようなニーズを満たしているか」という観点で見ることができます。

 その製品・サービスを使うことによって、「顧客のどのような不安・不満を解消するのか?」また、「顧客がどのような楽しみや満足を得られるのか?」を徹底的に考えていくことになります。製品・サービスの性能がいくら良くても、顧客にとっての価値に合致していなければいけないということです。

 

Cost to the Customer(顧客にとってのコスト) 

 「顧客にとってのコスト」とは、顧客がその製品・サービスを手に入れるために、どのくらいのコスト・負担を支払うのかという視点です。

 生産者視点で見ると、「これだけの原価がかかっているのでこの価格」と考えるかもしれませんが、その価格を顧客が許容できなければ売上につながらないのです。

 

Convenience(顧客にとっての利便性) 

 次は、「顧客にとっての利便性」があるかという視点です。その製品・サービスを入手する時の利便性が良いかどうかという点です。

 「わざわざ遠くまで買い物に行くのではなく、家の近くに24時間開いているお店があれば助かる」という利便性を追求した結果、コンビニエンスストアが誕生しました。

 このように、提供側の視点でなく、購入側の視点(利便性)を考えることが必要になります。

 

Communication(顧客とのコミュニケーション) 

 「生産すれば売れる」という時代は、顧客とのコミュニケーションがなくてもよい時代でした。しかし、徐々に「双方向のコミュニケーション」を図らないと売れない時代になりました。そして、インターネットの発達によりその傾向が加速しています。今では、顧客とのコミュニケーションなしではモノは売れない時代です。したがって、どのように「顧客とのコミュニケーション」を図っていくかという視点が必要になります。

 

 以上のように、4つの視点から「自社の製品・商品には顧客にとってのメリットがある」ということを記載していくことになります。 

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