ベンチマーキング

BCGのジョージ・ストークは、顧客の依頼により日本のヤンマーの工場の製造ラインを見ました。

ベンチマーキングは、基本的にケイパビリティ(企業能力)の向上策であり、方向性やメリハリを伴った「戦略」ではありませんでした。しかし、1988年、日本企業からの学びが基になってケイパビリティ重視の本物の戦略論が生まれました。それが「タイムベース競争戦略」です。それを生み出したのがBCGのジョージ・ストークとフィリップ・エバンスでした。

ストークは「時間をベースにした戦略」という概念と「あらゆるもの(コストでなく)時間を測る」という手法を編み出したのです。

・自社の付加価値を上げるには、顧客の要望から対応までの時間を短くすることである。

・自社のコストを下げるには、あらゆるプロセスにかかる時間を短くすることである。

 

トヨタやホンダはすでにフォードやGMの半分の時間で新車を開発していたという。日本では新車の開発時の早い時期から関係する部門や会社が入り情報共有を行って開発を行いました。

付加価値の向上(差別化)とコストの低下(コストリーダーシップ)は、ポーターが唱えたように二律背反のものではなく、時間短縮によって同時に実現できるものだったのです。マッキンゼーの「ホンダ効果」や「7S」が開いたケイパビリティ戦略への扉を、BCGのTBC戦略が「ポジショニング」と「ケイパビリティ」の両立という形でくぐりぬけました。しかも、測定・分析可能な姿で。

 

 

TQM

TQM(Total Quality Management)とは、TQCで唱えられた、組織全体として統一した品質管理目標への取り組みを経営戦略へ適用したものである。日本語では総合的品質管理と呼ばれるが、一般的にTQMを用いることが多い。総合的品質マネジメント、総合的品質経営と言われることもある。

そして、ベンチマーキングの手法導入をしたのがロバート・キャンプでした。ベンチマーキングとは、他部署や他企業の優れた事例(ベスト・プラクティス)から目標や事例を学ぶことです。

競合相手の商品をバラして秘密を探る「リバースエンジンリアリング」に始まったベンチマーキングは、ゼロックスによって、内部ベンチマーキング(社内比較)、競合ベンチマーキング(業界内比較)、機能ベンチマーキング(業界外比較)、一般プロセスベンチマーキング(業界外比較)などに展開され、深堀りされました。

ゼロックスは、倉庫業務をアウトドア用品通販のL・L・ビーンに学び在庫金額を削減させ、請求業務をアメリカン・エキスプレスに学び顧客満足度を上げます。ベンチマーキング活動の成果は、1989年に市場シェアを46%まで回復させました。

サウスウエスト航空は、インディ500では素早く給油を入れるというベスト・プラクティスを学び、飛行機も発着時間を短くしてフライトのコストを下げることに成功します。

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