外部環境の変化に敏感たれ

 ワンマン経営者とのからみで、「外部環境の変化を読む」という論点があります。

 何のために経営者がワンマン経営で、迅速な意思決定をしなければならないかと言えば、外部環境の変化に合わせて我が社をつくり変えるためです。

 風向きが右に変わったら右、左に変わったら左と言う風に、迅速に舵を切ってこそ、市場の大波を乗り越えて会社という船を前に進めていくことができます。舵を切るのに いちいち船員が集まってどちらに行くべきかを議論していたら、たちまち船は遭難してしまいます。したがって、船長である経営者は、常に波の高さや天気の変化に敏感でなければなりません。そのため、一倉先生は、繰り返し著書のなかで「外部情勢の変化に敏感たれ」という趣旨のことを述べていました。

 その背景には、どんな業界でも斜陽化するという事実があります。石炭産業や養蚕業界のように、戦前の興隆がウソのように衰退する場合があります。ワープロやフロッピーディスクのように、世界中が使用していたのに消滅した商品もあれます。

 業界のなかだけ、会社のなかだけ、社長室のなかだけに閉じこもっていると、そうした重要な市場の変化への対応が遅れてしまいます。

 

幸福の科学大川隆法総裁は、以下のように説かれました。

「一倉さんは、社長にとっていちばん大事な業務の一つとして、「外部環境の変化への対応」を挙げ、「社長は外部環境の変化に敏感でなくては駄目なのだ」ということを言っています。

従業員であれば、「毎日が日曜日」とは言いませんが、毎日毎日、同じようなことをやっていても給料が出るため、それで済むところがあるのですが、社長にとっては「危機管理」が極めて大事であり、社長は、外部環境が変化したときに、「どういう手を打たなくてはいけないか」ということを考えなくてはいけないわけです。

そういう意味では、「外の環境が変わっているかどうか」ということについて、ずっと見ていなくてはいけません。新聞などで情報を取ったり、いろいろなものを見て回ったりして、環境の変化をつかまなくてはいけないのです。

「新しい法律ができたり、政治家が替わったり、政党が替わったりしたときには、自分の商売に いったいどのような影響が出てくるのか」ということは、やはり社長が考えなくてはいけないことなのです。社員は なかなかそこまではかんがえられませんが、社長は、「政権が替わったらどうなるか」「大臣が替わったらどうなるか」「新しい法律ができたら いったいどうなるか」ということを予想して、手を打たなくてはいけません。また、「国際関係が変わったらどうなるか」「日本と中国の関係が悪くなり、中国から入っていたものが入らなくなったら どうなるか」というようなことについても、先手を打って考える必要があります。

社長は、そうした環境対応をし、「未来思考」で判断しなくてはいけません。それが社長の仕事なのです。」(『危機突破の社長学』P-121~123)

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